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舞台『ファンタスティックベイビーズ』

 ご無沙汰しております。一貫と申します。
あまりにもご無沙汰過ぎてログインパスワードを忘れかけていました、いやはや危なし。
 そんな話はさておき、guizillen(ギジレン)という劇団の本公演『ファンタスティックベイビーズ』を観てきました。

 ファンタスティックベイビーズ?(ヤーレンズ風)
大丈夫、私もタイトル見ただけじゃ何も分かってないから。さあ、観に行こう!

2024.2.24.
今年の三連休は中日が天気良かったみたい。

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 サムネのお写真は劇団公式さんより拝借致しました。今回公演のポスター見て、可愛いビジュアルでしょ?個人的には笹井さん(guizillen劇団員)の顎部分が好き。
 と、こんな可愛いビジュアルに乗せられて、ふんふ〜んとお気楽な気持ちで劇場に足を運ぶと頭をかっく殴られるような世界が待ち受けていたのです。

 懐かしの王子小劇場、guizillen劇団員および関係者によるお出迎え、レッドカーペットならぬブルーカーペット。このカーペットを外れたら命は無い。(ある)
初っ端の末安さん(guizillen劇団員)に「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」で観劇するんだな、と変にエンジンが掛かって緊張してきた。あ、お手洗い行っとこ。


 暗くなる劇場内、静まる客席、明転後現れた3人のベイビーズ。門田さん(guizillen劇団員)、笹井さん(guizillen劇団員)、片腹さん(guizillen劇団員)。
ベ、ベイビー…..Oh. I see.と戸惑いを感じながらのBIGBANG. WOW FANTASTIC BABY.
BIGBANG、来日して観に来ないかな、この舞台。

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 話の内容は個人的には 尺度 と 有限性 の話だったのかな、と帰宅後もくもくと考えていました。安東さん演じるミヤタが奥様に「その態度がちょっとキツイんだよなぁ」とか、我修院さん演じるリリちゃんが「バカなフリをしているうちに本当にバカになっちゃったんだよ」とか、誰かに言えばハッと気付ける事が誰にも言えないまま 自分の中にある 心 という名のコップの許容量を超えてしまう。
数ある人生の中で私が刺さったシーンは末安さん(guizillen劇団員)演じるジョーカーの許容超越の2箇所。1つ目はオリーブオイル発火未遂事件。え、もうアヒージョ作っちゃえよ、って思ったのも束の間。
ゲイである事の自己認識と他者への開示によって起こる意図しない解釈。

ジョーカー「俺、病気なの?」
母親「この事はお母さんと2人だけの秘密ね」

って、辛すぎるよ。秘密なんて体のいい回避法で信じたくないだけじゃないか。私なら壁に穴開けてるね、拳1つで。流石に直では殴れないです、親なので。

2つ目はYoutuberアシタカとの出会い。ジョーカーはアシタカが陽(ひなた)に居る次元違いの人だと思って手を取ったはず、はずなのに。
今隣に座って大号泣してる人が実の父親を思い違いで殺して取り返しのつかない闇を抱えていたなんて知ったら、口付けをしちゃ…

いやいやいや!!待っっって!?ぽっ、ぽ????人目のつかない場所で「よく寝てるね」なんて言ってなぁにしてるんだ、私が岩だったら落石するよ(限界ヲタク)と、まあヲタクはさておき。
この口付けに至るまでのジョーカーの表情と見えない心情の代わり様と口付けを受け入れたアシタカのどこか儚い優しさが感じられるシーンが好きでね。
その後 海から獲れたてのブリを見せる相手は居なくなっちゃったけどジョーカーにとってもアシタカにとっても前に進むきっかけになる出来事だったんじゃないかなって。

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 『ファンタスティックベイビーズ』 
この物語に登場する人たちはほぼノンフィクションだと思います。皆1人になりたいけど独りにはなりたくない。風を切って自転車を飛ばす時も、飛び降り生配信で視聴者を稼ぐ時も、信じる存在がある間も、望んだはずの事が思わぬ形になる事で誰も救われない。そんな将来ごめんだね。じゃあどうする?
生きる意味は作っちゃえばいいね。
だって地球は 僕の 私の 1度切りの舞台じゃん。
なんか前向きになってきた。

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 最後に、この脚本を書いた佐藤辰海さん、仕事をしながら書く行為を止めないエネルギー、尊敬の念しかないです。そして文字を形にする振付の金渕さん、劇団員の皆さん、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、客席で見届けたお客さん、みんなみんなみ〜〜んなあの空間を共有したファンタスティックベイビーズ。
可能性に満ち溢れた生に幸あれ。
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【今回のプレイリスト】
・FANTASTIC BABY by BIGBANG
・信じるしか! by モーニング娘。'21
・Betrayal game by BE:FIRST
・War Cry by &TEAM