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手裏剣戦隊ニンニンジャー 忍びの4「でたゾウ!パオンマル!」評価:★-

評価は、基本的に以下の10段階です。
・★★★★★…最高。大傑作。愛する。面白い超えて芸術の域(5点)。
・★★★★…大満足。傑作。大好き。凄く面白い(4点)
・★★★+…満足。名作。好き。かなり面白い(3.5点)
・★★★…平均より上。秀作。好感。中々面白い(3点)
・★★+…及第点。佳作。どちらかと云えば好き。まぁ面白い(2.5点)
・★★…普通。凡作。特に可もなく不可もなく(2点)
・★+微妙。凡作未満。カス。どちらかと云えば嫌い。つまらない(1.5点)
・★…難あり。駄作。カス以下。嫌悪感。かなりつまらない(1点)
・+…最低。大駄作。クズ。嫌い。マジでつまらない(0点)
・×…最悪。超駄作。ゴミ。大嫌い。つまらない以前の問題(-1点)

<放送データ及び評価>

忍びその4「でたゾウ!パオンマル!」2015年3月15日放送
脚本:下山健人
監督:加藤弘之
評価:★-(1.25点)
   ★(1点)以上、★+(1.5点)未満。

チームプレーの話と同調圧力

『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の第5・6話でも、大獣神に初合体する際にチームプレーを乱すか乱さないかの話が出てくる。

 こういう話はスーパー戦隊の場合でも、「ワガママを辞めて、周りに同調しましょう」って考えを正論として取り扱うことが多い。
 凄く、日本的な脚本の傾向だと思う。

 コロナ禍の現代だと、マスクをしたくない人やワクチンを打ちたくない人達に対する『同調圧力』が問題になっている。
 筆者は外に出かける時はマスクをするし、コロナのワクチンも打ったが、一方で医療的リスクからワクチンを嫌がったり、マスクを強制されたりするのを嫌がる気持ちも理解出来なくはないし、むしろ相手の感情に寄り添おうとする姿勢も大事なのではないかと思う。

 こういう話をコロナ禍の後で視聴すると、スーパー戦隊シリーズも所詮は日本人が作ったモノに過ぎず、「同調圧力に屈しましょうね」を正論にしたがるのだなぁってのが感じられた。
 この話って、ブルー達がレッドのワガママに我慢しているだけだしね。

 画一的になってしまう同調圧力を色んな具材が入ったおでんに例えたのは良かった。多様性の象徴として、上手いメタファーを使ったことは認める。

 しかし、そもそも「どうしてチームプレーが必要なのか?」がまるで語られていないのが致命的だと思う。
 要するに、「スタンドプレーだと限界がある」ってことを身に染みて痛感することで、「チームプレーが必要だよね」ってことを学んで協力していく大切さを学ぶべきだと思うのだが、彼らはどうしてチームプレーを訓練しようとしていたのだろう? 別にチームが勝つならば、チームが一丸となって作戦通りに動いて勝っても、個人が実力を存分に発揮しただけで勝っても、勝ちは勝ちで変わらないはずだが。
『チームプレーが目的化してしまっている』のが『ニンニンジャー』の問題なのかもしれない。

 要するに、ニンニンジャー達は敵である牙鬼幻月を倒すために忍術を磨いているわけではないことが、この『チームプレーの大切さ』のメッセージを虚しい物にしている。
 結局、彼らは何のために忍術を学んでいるのだろうか?
『獣拳戦隊ゲキレンジャー』でも、ゲキレンジャー達がどうしてビーストアーツを学ばなければいけないのかさっぱり分からなかったが、同じ失敗を繰り返しているようにしか見えない。

 いつもは戦闘シーンや巨大戦を褒めるのだが、今回は巨大戦も面白くなかった。今回の巨大戦での勝因は5人のチームプレーではなく、レッドが単にパオンマルを使ったから勝ったに過ぎないので、チームプレーではなくて、スタンドプレーが理由で勝ってしまっていた。
 一応、ピンクがパオンマルを使うようにアドバイスをしていたが、そんなことでチームプレーと言われてもシナリオの弱さしか感じない。

 むしろラストでニンニンジャー達を見て、九衛門に協力することに決めた蛾眉雷蔵の方がよっぽど成長しているようにも見えてしまっている。

<総評>

 評価は、★-。
 ★1個ほど酷くはないが、★+では甘すぎる気がして中間択を創った。
 いつも『ニンニンジャー』の巨大戦を褒めているが、今回はその巨大戦があまり面白くなかった。
 結局、レッドは師匠のじいさんの言うことを聞いただけであり、『チームプレー』が『同調圧力』の言い換えとしか思えなかった。
 ただ、多様性の象徴としておでんを出したのは良かった。
 脚本の力じゃなくて、完全におでんと言う食べ物の魅力だが……

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