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羽田空港を繋ぐ2つの鉄道〜新たな空港アクセス線〜

みなさんは、羽田空港を利用したことがありますか?

羽田空港(正式名称:東京国際空港)は、
東京都大田区に所在する日本最大の空港です。

年間の利用者数は5000万人以上と
日本の空港の中でずば抜けて多く
1931年に「東京飛行場」として正式開港以来
現在も首都・東京の玄関口として機能しています。

その羽田空港には、2つの鉄道が乗り入れており
空港から都市部へと多くの乗客を輸送しています。

そこでこの記事では、この2つの鉄道及び
新たに建設が進んでいる空港アクセス線について解説をしていきます。

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1.空港を繋ぐ2つの鉄道

羽田空港に乗り入れる鉄道は
京急(正式名称:京浜急行電鉄)と東京モノレールがありますが
まずはこの2つの鉄道について紹介します。

1つ目は京急です。

京急2100形

京急は、神奈川県横浜市に本社を置く鉄道会社で、
東京都区部の南部から神奈川県の三浦半島にかけて
5つの鉄道路線を運営しています。

京急空港線

その中でも京急空港線は、
京急蒲田駅から羽田空港第1・第2ターミナルを結ぶ
空港アクセス線です。

京急空港線には、「普通」「急行」「特急」
「快特」「エアポート快特」の5種別の列車が走り、
これらの列車は一部を除き、京急本線(泉岳寺〜浦賀)に直通しています。

京急に乗り入れる都営浅草線、京成電鉄、北総鉄道の車両

また、品川方面へ向かう列車は泉岳寺駅を越えて
都営浅草線、京成線、北総線に直通しています。
そのため京急本線、空港線には、京急の車両は勿論のこと、
都営浅草線、京成電鉄、北総鉄道の車両も走っています。


2つ目は東京モノレールです。

東京モノレール10000形

東京モノレールは、羽田空港へのアクセス路線である
東京モノレール羽田空港線を運営する鉄道会社です。

東京モノレール羽田空港線

東京モノレール羽田空港線は、
モノレール浜松町駅から羽田空港第2ターミナル駅を結ぶ鉄道路線です。

東京モノレール羽田空港線には、
「普通」「区間快速」「空港快速」の3種別が走っています。


2.2つの鉄道の比較

次に2つの鉄道をさまざまな面で比較してみます。

○乗り換え
ここでは東京方面から京急やモノレールに乗り換える場合について考えます。

京急はJRから乗り換える場合、品川駅で乗り換えます。
JR品川駅は東海道新幹線、東海道線、上野東京ライン、
山手線、京浜東北線、横須賀線の列車が停まります。

東京近郊エリアからJRで品川駅に来て
乗り換える場合を考えてみます。
ただし、品川以南(横浜方面)は京急が走っているため
今回は考えないものとします。

東北線沿線(大宮方面)の場合
上野東京ライン 大宮→品川

常磐線沿線(土浦方面)の場合
上野東京ライン常磐線系統 土浦→品川

総武線沿線(千葉方面)の場合
横須賀・総武快速線 千葉→品川

上の3つのように品川駅で各方面から乗り換えができます。


一方、モノレールはJRから乗り換える場合、浜松町駅で乗り換えます。

左から山手線、京浜東北線、上野東京ラインの車両

JR浜松町駅は山手線、京浜東北線の列車が停まります。
ただし、東海道線(上野東京ライン)の列車は
ホームが無く、通過してしまいます。

この為、東京近郊エリアから上野東京ラインで来た場合
東京や新橋などで必ず山手線や京浜東北線に乗り換えなければなりません。

以上のことから、他社路線から乗り換える場合
京急の方が利便性が高いと考えることができます。

また京急は都営浅草線、京成電鉄、北総鉄道と
相互乗り入れを行っているため
浅草や東京スカイツリーの最寄りである押上、千葉、成田空港などから
乗り換えなしで羽田空港へアクセスすることができます。

○運賃
次に2つの鉄道の運賃で考えてみます。
尚、今回の運賃は2024年8月時点の運賃です。

京急の場合、品川〜羽田空港第1・第2ターミナルの運賃は、
14.5kmで330円(IC:327円)です。

モノレールの場合、モノレール浜松町〜羽田空港第2ターミナルの運賃は、
17.8kmで520円(IC:519円)です。

このように距離あたりの運賃がモノレールは高くなっています。
運賃で考えても京急の方が優勢です。


3.新たな空港アクセス線

ここまで2つの空港アクセス線について紹介しましたが、
新たに羽田空港へアクセスする鉄道路線が建設されていることを
ご存知でしょうか?

JR東日本が計画する「羽田空港アクセス線」です。

羽田空港アクセス線は2023年6月に起工式が行われ、
本格的な工事を開始しました。

羽田空港アクセス線計画ルート

羽田空港アクセス線は
羽田空港から東京貨物ターミナルを通り、
新橋・東京方面を結ぶ「東山手ルート」。
大崎・新宿方面を結ぶ「西山手ルート」。
新木場・千葉方面を結ぶ「臨海部ルート」の
3つのルートに分かれる形で建設が進んでいます。

東山手ルートは2031年の開業を予定しています。
東山手ルートが開業すれば高崎線、宇都宮線、常磐線に
乗り換えなしで行くことができるようになります。

では、なぜ羽田空港アクセス線が建設されるのでしょうか?
これには羽田空港の拡張化が関係しています。

第1回東京オリンピックの開催や
高度経済成長期などをきっかけに需要の増加が始まり
需要と空港拡張の歴史を現代まで繰り返してきました。

成田空港が開港して国際線の多くが
成田空港に移転した後も、国内線の需要が増え続け
2000年の年間利用者数は約5500万人になりました。

羽田空港の利用者数増加を受けて2000年に行われた
国土交通省による運輸政策審議会答申の中で
「羽田空港アクセス線の新設」が提案されました。

以上が羽田空港アクセス線建設のきっかけです。

羽田空港アクセス線についてもっと詳しく知りたい方は
以下のJR東日本のサイトをご確認ください。

https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230404_ho03.pdf


今回は羽田空港を繋ぐ2つの鉄道と
新たに建設が進む羽田空港アクセス線についてまとめましたがいいがでしたか?

羽田空港アクセス線の開業後の行方
そして現在の2つの鉄道に与える影響など
さまざまな部分に着目して考察してみるのも良いかもしれません。

自分なりの意見などございましたら
この記事のコメント欄に書いていただけると幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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