すいもあまいも

スイも甘いも
純粋も卑劣も
絶頂も絶望も
あらゆる事を
一切のジャッジを手放し
丸ごと味わった上で
すっかり忘れ
まるで初めて
食べたように
それを味わえるチカラ
ネガの裏のポジ
ポジの裏のネガ
間をとったグレーとかじゃない
純白と漆黒の間を
目をしばしばさせつつ
行き来し両極を丸っと自らのうちに取り込み
それを“ある”ものとして腹の奥に納め
まるでなにごともなかったような顔していられる
そうこの世に見える世界のすべてと
それ以外の全部を飲み込んでいるつもりで
実の所飲み込まれて溶けてなくなってゆく己という
幻想を手放しながら
その生き様を 私は 深い憧憬とともに
サレンダーと呼ぶ
そのあり方は 祈りで あり 愛 そのものに帰る流れだ
祈るのは
望みが一縷しかないから
ありえないことを信じてしまっている
ちっぽけな自分を天に委ねてしまいたいから
悲しみのない人生に
喜びが訪れないように
飲み込まれることでしか見えない快(解)もあるのだ

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