第百五十五回 Ba 沙我|ノーズマウンテン・ラジオ 公開録音イベント特別番組(後半)「音楽や言葉で喧嘩するのはいいこと。次のアルバムには、ヴィジュアル系シーンに対して、周りに対して、言いたいことを刻んでおきたい。」
東京・Spotify O-EASTで開催したワンマンライブ LAST DANCE ACT.1「Funeral No.999」で、11月2日にリリースするオリジナルアルバム「GRACE」収録曲の中から、リード曲となる「Grace」をアンコールの最後に初披露したアリス九號.。
ノーズマウンテン・ラジオでお届けする「ノーズマウンテン・ラジオ」公録イベント特番の後半は、6月25日の段階で沙我が語っていたアルバムの話。
ここで語っていた"仕掛け"というのが「Grace」のことなのか。
また、ヒロト曲に対して本人に無許可で沙我がやってしまったことなど、フライング気味でアルバムの秘話大公開となった今回の文字ラジオ。
誕生日にまつわるプライベートな話も交えてお送りする。
ーー前回の「界」の解説、裏話に続いて「Funeral」についても解説をお願いします。
沙我:「Funeral」はシーンに対して思った疑問と苛立ちを全部詰め込んだ感じ。
ーーアルバムの中での位置付け的には?
沙我:入り口みたいな感じで捉えてもらえればいいです。
ーーサウンドの肝となったところはどんなところだったのでしょうか?
沙我:色々あるんだけど、まずボーカル録りの時に将くんに言ったのは、「ギブスの頃みたいに歌えない?」ってこと(お客さんニヤニヤ)。(それを聞いた将くんは)「えっ?」ってなるんですけど。どうしても優しくなるんですよ彼は。普通に歌うと。やっぱ、大人になっちゃったんでしょうね。優しくてキラっとした声になるの。それをもっとねちっこくていいし、もっと癖だらけでいいし、もっとしゃくっていいし。顎じゃないよ?(笑)。
ーー昔のヴィジュアル系の人は、みんな歌の語尾をしゃくりあげて歌ってましたもんね?
沙我:そうそう。だからしゃくっていいし、癖だらけでいいから、っていう感じのことをめっちゃ言いながら録りました。言うと歌声が変わるんですよね。でもYouTubeで公開レコーディングしたヒロト曲があったじゃないですか?あれのレコーディングの時に僕は体調を崩しちゃて、ボーカル録りに行けなかったんですよ。だから後で聴いたらあの曲だけ歌い方が違います(笑)。でもこれはこれでいいなと思ったんでOKにしたんですけど。明らかにこの曲だけ将くんの歌い方が違う。心が綺麗な歌い方をしてるんですよね。
ーーサウンドに関してはいかがですか?
沙我:サウンドも歌と同じで、最近までやってたことを全部やめて、自分の想いを詰め込んだだけです。「90年代っぽいと思う」とか「90年代っぽいんだけどモダンなものを感じる」とか色んな感想をいただいて面白いなと思ったんですけど、僕的にはやれることはやったという感じで。メッセージをちゃんと込められたなというのはありますね。伝わりづらいかもしれないですけど、ちゃんと言いたいことやりたいこと、メッセージを詰め込んでるなという体感はあるんですよ。将くんも歌詞を書く時にそういう想いを込めてるっぽくて。僕が前回から言ってるヴィジュアル系シーンに対して言いたいこととかではなくて。…ちょっとよく分かんないですけど、正しい答えはね。でも歌詞の方向性が今までとは違う感じはしましたね。
ーー何かに向かって歯向かってますよね。そういったものを「Funeral」にはすごく感じます。
そう。だから他のみんなもやればいいのにね。ヴィジュアル系だけなんですよ。こんなにも横の繋がりがあって仲が良いのは。いいじゃん別に、フリースタイルダンジョンみたいに失礼なこと言ってディスり合えば。俺ああいうの全然好きなんですけどね。最近は忙しくて全然行けてないんですけど、サッカーやりに行った時、後輩にめっちゃ失礼なこと言われてすっごいテンション上がりましたもん。
ーー今沙我さんが仰ったサッカーについて、少しここで説明させていただきますと。沙我さんがTwitterにアップしていたサッカーチームの集合写真に繋がるお話なのですが。みなさんがあれを見た時はおそらく“何これ?”だったと思うのですが、実はシドのゆうやさん主導で、大会などに出るなどちゃんと活動しているヴィジュアル系縛りのサッカーチームがありまして、そこからお声掛けがあって、沙我さんもチームに参加されたという流れなのです。そこで沙我さん、後輩に何を言われたのですか?
沙我:普通に「どちらのバンドでしたっけ?」って言ってきたから「ああ、アリス九號.です」と答えたら「知ってます!」って言ってました。ソイツは横にいた誰かから「お前何言ってんだよ。沙我さんだよ馬鹿野郎!」って怒られてて面白かったけど(お客さん大ウケ)。そういうのがサッカーだけじゃなくて音楽、対バンとかでもっとあってもいいんじゃないかなと思って。そうやってお互い削りあって切磋琢磨していけばいいと思うんですけどね。「アリス九號.、対バンで実際会ったら顔も性格もまじクソだったよ」とか(お客さん大笑い)、僕は全然いいと思うんですよ。それでめちゃくちゃカッコいいライブをやってみせたら「カッコいい」ってなる。そういうところでやりあって、お互いカッコよくなっていけばいいんだから。僕は何を言われようが別にどうでもいいんですよ。
ーー昔はバンド単位、事務所単位でもバチバチな空気感がありましたもんね。今はそういうものはあまり無い気がしますね。
沙我:そう。だから、俺そういうのをラップにしたんですよ!「Roar」に入れたんです。
ーーヒロトさんの曲ですよね?
沙我:そうそう。ヒロト曲に勝手にラップにして入れちゃったんです。昨日入れたんですけど。誕生日なのに、“次はてめぇの番だ”とか、超汚い言葉でラップしてました。ヤバいよね?誕生日なのに(お客さんは頷きながら“ふふふっ”と笑う)。
ーー沙我さん、それヒロトさんに許可取って入れたんですよね?
沙我:取ってないんですよ。
ーーえっ!?
沙我:一応ね、僕もヒロト曲だから気を遣ったんですよ。気を遣って、沙我パートとヒロトパートのラップを入れようと思ったんです。やっぱりヒロトの曲だから、最初はそんなの入れる気はさらさらなかったけど(お客さん大笑い)、ヒロトのパートも入れようって思って。LUNA SEAでもあったじゃないですか?JさんとSUGIZOさんが「a Vision」という曲で交互に掛け合いをするやつが。
ーーありましたね。
沙我:「あれをやろうよ」というところまではヒロトさんに言ってたんですけど。なのに、僕一人でやっちゃいました(お客さん大爆笑)。しかもそれをまだヒロトに言ってないんですよ。
ーーえ!じゃあ、ここに集まったお客さんの方がヒロトさんよりも先にその情報を知っているということですか?
沙我:そうです。ヒロトにはどう伝えたらいいかなと思って。なんて言ったらいいですかね?(とお客さんに質問する)「ごめん、一人でやっちゃった」ってTwitterでいいかな?(ダメ、と言われる)どうしよう。さすがにまずいですよね、これは。
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アリス九號.オフィシャルnote
限りなく2次元に近い2.5Dロックバンド、アリス九號.のオフィシャルnoteです。 毎週メンバーがリレー形式でオフィシャルnoteだけの…
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