第百十八回 Gt ヒロト|『月刊少年HRT』vol.10

thehiroto_samine11_アートボード 1

<特集>2021年を総括②
「17周年、そこから見えた未来」

<付録動画>
HIROTO Guitar Channel (9.99)
「TOURのLIVEなヒロトさん」


読者のみなさま、明けましておめでとうございます。今年もたくさんの激レア写真やギター動画とともに、“いま”のヒロトをWebマガジン形式でお届けしていく、『月刊少年HRT』をよろしくお願いします。
ということで、今回は前号に続いて、ヒロトが2021年下半期の活動を振り返って自己分析しながら、2022年の抱負を語ります。

ーー前回に続いて、2021年の下半期を振り返っていきたいと思います。上半期の活動を経て、“17th Anniversary Live「17th THEATER」で次の自分のステージが見えてくる”とヒロトさんは仰っていたと思うんですが。

ちょっと話が前後してしまうんですけど…どんなことでも、まず一歩を踏み出して、そこから枝分かれして未来が見えてくる訳じゃないですか。だけど昨年の上半期は状況的に、毎月のように違うライブをやっていくことに必死すぎて、未来が見えていなかったんですね。それに、「どこかで区切りをつける。この周年がそうなったらいいな」という願望で、自分はそう言ってたんだと思います。

ーーなるほど。

「SAGA SEA」や将バースデーライブを経て17周年ライブの準備をしながら、その当時の自分は「なんのためにこんな機材を使ってるんだろう」とか、「なんのために音を表現してるんだろう」とか考えていたんですけど、それの答え合わせができた気がします。17周年ライブで、確かな形で自分なりに認識できました。

ーー何を認識できたんでしょうか。

目には見えないけど、曲として作ったものは実体としてそこにある。そこには、「作り手や聴き手の感情や気持ちがパッケージされる」ってよく言いますし、もちろん自分もこれまでそうだと思ってやってきてたんですけど、その答え合わせができた気がします。「やっぱりパッケージされるんだ」って。それを17周年ライブで確信できた。「SAGA SEA」でも「ああ、そうなんだ」と分かりつつ、でもあれはLUNA SEAの曲だったじゃないですか?今度は自分たちの曲でそれを体現、体感した。それが17周年ライブでしたね。

ーーなるほど。

画像9

あのライブは最新のアリス九號.を織り混ぜながらも、「『GEMINI』のライブをよりアップデートした形でやりきる」というのが大きなテーマだったんですけど。「GEMINI」は自分たちの曲ですけど、「最新曲ではない」というところは「SAGA SEA」にも近いところがあって。自分たちが昔作った「GEMINI」に対して、「今の自分たちが本気で向き合う」という作業をしていたら、パーンとバブルバスの入浴剤が弾けるように、「当時はここをこう表現しようと思ってた」っていうのがカプセルから弾け出したんですね。それを、今だったらどう描いて表現していくのか。そこにトライしたライブだったんですよ。

ーー「GEMINI」を作った当時は当時で、このアルバムと必死に向き合っていた訳ですよね?

はい。その当時は、バンドとして先があるのか無いのか、そういう瀬戸際な時期だったんです。それで、「まずは目の前にある『GEMINI』をやり切ってみようよ」と。「GEMINI」を出す前の時期、僕たちはコンサート制作サイドと色々あって、ちょっと距離を置いてたんですね。そこに、我々の先輩であるKaggra,のメンバーだったドラムの白水さんが裏方スタッフとして入ってくれたんですよ。バンドが解散したばかりで大変な時期だったにも関わらず。僕たちはPS COMPANYの後輩の中でもやんちゃだったからなのか(笑)、すごくKaggra.先輩に可愛がってもらってたんですね。多分そういう兄貴的な想いもあって、裏方として僕らに付いてくれたんだと思うんですけど。ツアー中の深夜なんて、白水さんとしては完全に就業時間外なんですよ。なのにライブ後に飯を食いに行って、飲みに行った後の時間、そこで白水さんはメンバー一人一人を捕まえては話をしてたんですよね。

ーーそんなことがあったんですね。

僕が一番憶えてるのは、ホテルの廊下ですごく深い話をしたことですね。当時、バンドとしてとてもまとまりのない状況で、ある意味バチバチした状態でもあったから、「メンバー全員に集まってもらって話をするのはちょっと厳しいよね」っていうことで、白水さんが個別に話を聞いてくれたんです。「個別に話を聞いたら、みんな本気だよ」って。白水さんは自分のバンドが色々あって終わってしまった。だからこそ「アリス九號.はここで終わるバンドじゃないんだよ。そのために自分ができることがあったらなんでもやるから」って言ってくれて。そのツアー中、本当にすごく奔走してくれたんですよ。

ーーバンドを立て直すために。

ええ。白水さんが付いてくれていたことは、ライブの時にステージ袖にいるのが見えたりしてたから、知ってるファンの人はいるとは思いますけど。ツアー中、裏でそんなことまでしてくれてたことは、まったく知られてないと思います。白水さんは制作という立場だから、ツアー中は誰よりも先に現場に入らなきゃいけない訳ですよ。それなのに、夜中の3時、4時までずっと話をしてくれてましたからね。当時のスタッフさんとかもそれに付き合ってくれて。それがあったからこそ、その時は、その先の未来、10周年が見えてきたんですよね。それで独立の話とかも見えてきた、という流れがあったんです。

ーーそうでしたか。その時白水さんが入ってくれなかったら、その先が見えなくてバンドはそのまま空中分解していた可能性も。

ありますね。白水さんはその少し前までステージに立ってたアーティストだった訳ですから。

ーー制作のプロではないけれども、バンドのメンバーたち、当事者の気持ちが一番分かるのは、直前までバンドを現役でやっていた彼じゃないか、と。自分のバンドが解散してしまったからこそ、「アリス九號.の裏側の調整役まで言わなくてもやってくれるんじゃないか」という期待も込めての抜擢だったんですかね?

そうなんじゃないですかね。だから、ある種の“賭け”だったんだと思いますよ。バンドとして、とにかくこの頃は色々なことに巻き込まれすぎちゃって、「大人なんてまったく信じられない」みたいなところに陥ってたんで。その時に白水さんが入ってくれたおかげで。

ーーツアーを完走できた、と。

ここから先は

6,418字 / 9画像

限りなく2次元に近い2.5Dロックバンド、アリス九號.のオフィシャルnoteです。 毎週メンバーがリレー形式でオフィシャルnoteだけの…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?