海外ホテルの検索

これは、２０１８年８月に、書いたものである。

世界各地の旅行ガイドを出している、米国の出版社としては、老舗の「フロマーズ」が、ホテルを予約するとき、どのサイトを利用するのがいいか、順位をつけて発表している。

トップに選ばれたのは「ブッキングドットコム」。早速このサイトを利用して、ロンドンのホテルを捜してみよう。１０月９日２人と入力する。この日のレートは、１ポンド１４１．５５円。１年前とほとんど変わっていない。

もう２０年以上も前に、筆者がロンドン滞在中に泊まったのは、ヴィクトリア駅から歩いて１０分程の「エリザベスハウス」。１泊、簡単な朝食付きで１５ポンド、当時のレートで３０００円ぐらいである。もちろん、シングルベッドの個室である。

したがって、ここでも数万円も取られる高級ホテルは、考慮外とする。値段を２人で１万２０００円以下、宿泊者の９割以上が満足という条件で検索すると、トップに掲載されたのは「キングズクロスに近い家」というホテル。

ダブルの部屋は、極端に狭い。わずか８平方メートル。これでは、部屋の半分近くをダブルベッドに占められる。バス・トイレは共用。写真で見ると、狭いながらも芝生の庭があり、また屋上にも出られるようになっている。

共用の台所を自由に使えるので、ロンドンの高いレストランは敷居が高いと感じる人なら、重宝するのではあるまいか。半ばユースホステルのようだ。

果物や野菜を露天商から買ってきて、自分で調理すれば安くあがる。２０年近く前、りんご１０個を１ポンドで買った記憶がある。

値段は、ふたりで７２．８５ポンド、これにサービス料が７．２９ポンド、しめて８０・１４ポンド。これに１４１・５５を掛けると、およそ１万１３４４円。ロンドンのホテルは、世界一高いと言われるので、これはバーゲン価格ではなかろうか。

ブッキングドットコムに続いて、フロマーズが選んだのは「アゴダコム」。今度は、このサイトで「キングズクロスに近い家」を予約してみよう。

部屋はわずかに広くなり１０平方メートル、トイレ・バスは共用で、値段は、なんと１５５ポンド。これは、ブッキングドットコムで調べた料金のほぼ２倍である。ここまで、予約サイトによって価格が異なるとは！！

フロマーズが３番目に選んだのは「プライスライン」。このサイトで予約すると、もっと高くなり、１７０．５ポンド。

ヨーロッパ諸国にある朝食付きの部屋を提供するサイトで検索しても、同じ価格であった。ただし、この１７０．５ポンドに朝食は付いていない。

国内ホテルでは、抜群の威力を発揮したトラベルコで検索してみると、前述のホテルは、登録されていないらしく、入力欄に候補のホテル名が出ない。

トラベルコの提携サイトに、ブッキングドットコムが含まれているのは、確かなのだが、なぜか、検索結果に出てこない。