宿題代行

 もうすぐ終わる夏休み。ここにきて「宿題代行」の話が、にわかに世間を賑わしているようです。

 今回は、ちょっと(かなり)偏った自分の考えを書いてしまったので、ごめんなさい、有料にさせて下さい。誰でも自由に・・・では、言いすぎかなと思う部分が個人的にあると思っているので。すみません。

 でも、やっぱり公開します。

 教育評論家の「尾木ママ」こと、尾木直樹氏は、以下のようなことを言っておられます。

 「単に子どもが学力を養う機会を損なうというだけではなく、子どもに お金でなんでもできるという歪んだ価値観教えることになります」・・・

 保護者の側としては、「宿題をしなさい!とたこができるほど言い続けて、結局自分が手伝う羽目になる煩わしさをお金で外部委託する合理的手法」を選択しているといった所なんでしょう。

 もう一つは、「学校の宿題を煩わしい」と思っておられる家庭があるという事実も見逃せない。つまり、受験勉強など、「学校の宿題を”無駄な時間と行為”」とみなすご家庭の利用があるそうです。

 つまり、「自分の願望や行為、考えを押し通すためには、公共のルールすら破ることもいとわない。」「面倒くさいことはお金で解決させる」「自分の高尚な夢や願望のためなら、自分の考えに合わない事や行為は見下して、レベルが低いと思う」といったことを正当化する行為だと思うのですがいかがでしょう?

 確かに、受験勉強に、最大公約数的で、しかも、浅く広く網羅する学校の課題はあまり役に立たないかもしれません。でも、上記のような考えで、自分中心で物事を考えるような環境で育った子どもは必ず自分中心で、人を見下すようになりはしませんか?自分の最短距離や理論以外は受け入れられない人になりはしませんか?だいたい、一般的に「やりましょう」と言われたことすらできない、自分の事を優先して逃げることを覚える人になりはしませんか?

 そういう「頭の良い子」が、会社や国を動かす人になるんでしょう?そのために勉強しているんでしょうし・・・でも、需要と供給の関係で、そういったことをさも合理的な理論で商売にする業者も業者ですが、必要としている保護者も保護者と言うことです。

 少々個人的な見解を中心に辛辣なことを書きましたが、私としては、一般家庭に「宿題代行サービス」は絶対広がらないと思います。

 だって、値段が高い!とっても高い!読書感想文の原稿用紙一枚で3000円~とかあり得ない!絵が一枚2万円からだって!問題一問500円???(教師やめてそっちやろうかな???と思ってしまうくらい)そんなにお金を出してまで、子どもの機嫌をとって甘やかそうなんて思う家庭はほとんどいないと思います。そんな裕福な家庭ばかりではないと思うのですが・・・と思っている私はマイノリティなんでしょうか?

 少なくとも私の家庭では「お金出すくらいなら、忘れて怒られてこい!」的な発想になります。それが普通だと思っているのですが・・・どうなんでしょうねえ。

 「そもそも宿題の意義を問い直す必要がある」なんて、言っている方もおられるようですが、「課題を出されて、それを期限内にやってくる」という当たり前のことを習慣化・当たり前化するためのものであり、それ以外の何物でもない。一般社会に出ても同じでしょう?「いついつまでに資料を用意しろ」とか。そういった指示されたこと(強いては約束や契約)を守ることを学んでいるんだと私は思っています。そのための宿題。まさか、宿題で、学力向上なんて狙っているはずありません。ちょっとだけ期待はしていますが・・・

 しかーし!この前、本屋に行ったら、宿題に関するハウツー物や、自由工作のキットなどがあるわあるわ!

 中でも驚いたのが「穴埋め式読書感想文」の書き方を紹介しているワークブック。

 「私は○○という本を読みました。その中で一番印象に残った部分は○○という場面です。なぜかというと、○○が○○したからです。その場面で私は○○という気持ちになりました・・・」

 てな具合で、穴埋めしていけば、すっきりとした読書感想文ができあがるというわけ。形を求めているのではない、文章テクニックを求めているのではないので、そういったものは私は邪道だと思っています。あくまで、子どもが本を読んで、その心の動きを知りたい、そのためにはどうしても「感想文」として文章化してもらわないと現実的には分からない・・・ということなんですけど・・・

 でも、邪道だと言っても、ある程度子ども達の事は把握していると言っても、40人近い子どもを担任していて、そういうハウツー物で書かれたものが紛れていると、それを見つけ出す自信ははっきり言ってない。逆に考えれば、子ども達の力は、時としてあるきっかけで大きく伸びていく可能性を秘めている。それは、大人の勝手な決めつけやイメージを大きく超える。だから、素晴らしい。そんな子どもを疑いの目で見るのはあまりにも不誠実だとも思う自分がいます。でも、そういう風に書かれたものを褒めるわけにはいかないとも思います。

 もうすぐ夏休みが終わりますね・・・がんばらねば!すぐに運動会がありますが、子ども達に会えるのは楽しみでもあります!

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?