同棲生活

君と出会い、暮らし始めた時から、
僕は真っ直ぐに帰宅するようになった。
たまに、帰りにスーパーやコンビニに寄ることがあるけれど、
僕は、自分の買いたい物よりも、君が好む物を優先する。絶対に。
そして、出来るだけ早く切り上げて帰るようにしている。
全ては君に淋しい思いをさせないために。
なのに、君ときたら……。
素っ気ない。かと思えば、擦り寄って来る。
ゴロゴロと喉を鳴らして。
そして、僕はほくそ笑む。
ちょっと、勝った気持ちになる。
でも、きっと。君の方が上手だね。
僕は、君の肉球で転がされながら、
この同棲生活を楽しむことにするよ。

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