粉砕機

いやましてゆく
悲しみが、
虚しさが、
いやましてゆく

潮が満ちるように
陽が沈むように
広葉樹が色づくように

あれは一つの夢だった、
夢は現実になることがなく、
夢のまま、決して覚めることがないのだ

夢と現実の齟齬が、
ゆっくりと回転する、
しかし十分なトルクを備えた
巨大な粉砕機となって、
僕の心を砕こうとしている

僕はそれを眺めている
しかし、滑って思うように砕けないのだ。
もどかしく思いながら、
僕はそれを眺めている

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