2024年3月スコットランド室内管弦楽団(2)

スコットランド室内管弦楽団

2024年3月8-10日
エディンバラ、グラスゴー、アバディーン

レスピーギ / Gli uccelli
タッローディ / the birds of paradise
ヴィヴァルディ / Four seasons

指揮/Vnソリスト ペッカ・クーシスト
シターン  エール・カー

--------
引き続きスコットランド室内管弦楽団とペッカのプログラムについて。

この日のプログラムは前半後半のつながりも非常に良かった。前半2曲はペッカは指揮に専念。

-----
レスピーギ / gli uccelli (イタリア語で「鳥」)
多くの音楽家がインスピレーションを受けたように、レスピーギも鳥の鳴き声の模倣をモチーフにして展開していく。

レスピーギらしくバロック回帰のアプローチであり、華やかでオープニングに相応しく、バロック的アプローチではヴィヴァルディへの導入へ、近現代という点ではタッローディへの導入としてもよい。

-------
タッローディ/the birds of paradise
こちらはもうモチーフというより模倣そのもの。鳥だけでなく、森の中の音の再現。ここまで拡げてどうやって終わるのだろうと思ってたらそのまま消えていった。アマゾンの中にいるような、森の中のミストに包まれるような音楽だった。

この流れでヴィヴァルディの春に入るわけだが、この春の鳥のモチーフが今までにないくらい鮮やかに聴こえる。(実際ペッカも非常に強調した弾き方をしていたが)

--------
アプローチは

・共通するモチーフを異なる曲で強調
・リアルタイムで聴いていた世代が存在する音楽の挿入

ヴィヴァルディが作曲した時にもきっと、自然であったり、名もなき沢山のフォークソングからインスピレーションを受けただろう。

それを追体験しているような、
まさに音楽が生まれた瞬間にいるかのような、
そんな体験だった。

-------
そしてもう一つ驚くことに、録音の聴こえ方まで変わっていた。

ペッカは1999年に四季を録音している。
CDを持ってて当然事前に聴いていたが、
なんせペッカのライブが大好きすぎるので、やっぱ録音は綺麗で整いすぎて物足りないなぁ〜
…なんて思っていた。

が、演奏会後に聴いたら活き活きしてること。
脳内補正が多分に入っているのだけれど、人間の耳と脳の認知能力なんてその程度なのでそれで良い。
こうも音楽の聴こえ方が変わるのかという点で非常に勉強になった。

ということで大満足でウイスキー片手に帰路についたのであった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?