はじめてのKQ村

はじめに

 この記事は「キラークイーン村(KQ村)」にこれからはじめて参加する、もしくは、参加してみたけどまだ勝手がわからないといった方を対象に、KQ村での動き方を紹介する目的で書きました。

 KQ村の動きに「正解」は無いので、あくまで動き方の一例にしか過ぎないのですが、ある程度の指針になれば幸いです。


KQ村とは

 KQ村とは、「人狼」のシステムを用いた個人戦です。各自がNo.(もしくはそれに類するもの)と、それぞれ異なった勝利条件をGMより配布され、自身の勝利を目指します。

 多くの場合、勝利には「指定されたクリア条件(指定されたNo.が死亡している等)を達成している事、そして自身が最後まで生存している事」が必要となります。

 また、進行中の会話には主に一対一の通信「秘話」が用いられます。秘話を用いて情報を集め、味方を作っていく必要があります。

 こういった特徴を持つKQ村は「人狼」のシステムを用いていますが、要求される動きは「人狼」とかなり異なってきます。そういった視点も含め、以降「KQ村」での動きについて説明していきたいと思います。

始まる前の準備

・入る村を決めよう

 KQ村はGMが手作りで条件を作成し、人数や世界観も含めて場を提供しています。基本的に事前予約制であり、いきなりの飛び込みで入村することはほぼ不可能です。

 新規村の企画予定はKiller Queen wikiの予定表を確認するのが一番でしょう。それぞれの企画ページには詳細内容も書かれているので、気になる村、都合の合う村を探してみてください。

 また、twitterのKQ村告知アカウントで現在募集中の村の告知がされる場合もあります。こちらも参考にするとよいでしょう。


・「役職」を学習しよう

 KQ村は現状「人狼議事cielサーバ」で開催されています。こちらのサーバ、役職が非常に多いです。そして、KQ村は一般的な「人狼」では見ないような役職も採用されている事があります。

 自身の知らない役職があると、それだけで不利になります。事前に全てを覚える必要は無いですが、役職の概要だけでも知っておくと思考や推理の幅が広がります。

 人狼議事まとめサイトに役職の一覧と説明が記載されていますので、ざっと目を通しておくのも良いと思います。


・過去ログを読もう

 過去ログは読んだ方が良いです。とはいえ、全ての村のログを読むと、無限に時間が過ぎていきます。過去村一覧から気になった村の初日を読むだけでも、雰囲気がかなりつかめると思います。なお、読む過去ログは「キラークイーンSSS」以降の村をお勧めしておきます。

シンプル:SSS星狩の宴FKQpeace数値海岸の惨劇FKQⅡ温泉宿文通禄DeCT
ヘビー:LiDおとぎ舞台
特殊:RFSRec

※6/13時点での情報、かつ村の分類は筆者個人の感想です。


プロローグ

 KQ村はプロローグから勝負が始まっていると言っても過言ではありません。何故なら、ゲーム中の「人間関係」が勝負の展開を大きく左右するからです。プロローグで「良い人間関係」を作れると、それをゲームに活かせる可能性も高いです。そんなプロローグについて、何点か語っていきたいと思います。


・プロローグでの話し方

 さて、入村してプロローグが始まると、あなたは多くの人がこのように「RP」を始める事に気づくでしょう。

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 KQ村は舞台設定も含めRPのテイストも多く含まれる為、プロローグではRP的な台詞が多用されます。RPに慣れてない方はここに臆する事も多いのですが、はっきり言ってしまえば「いわゆるRP村的な発言のお作法」を要求される事は特にありません。私も、そのお作法にはそんなに詳しくありません。

 大事なのは他者と交流をする事なので、自分に出来る範囲で出来る事を行えば問題ないでしょう。例えば、相手の発言にアンカーを引いてキャラクターの発言で返す、それだけでも十分だと私は思っています。勿論、やってみたい人、出来る人はRP村のお作法で話しても楽しめると思います。


・他者と交流するには

 基本的に、何もせずただ「待っている」状態で誰かが話しかけてくれる事は、あまりありません。自分から話しかけに行く、もしくは何か行動を起こして誰かが来てくれる状況を作る、そういった事が必要になります。

 ですので、キャラクターの設定を考える際は、ある程度「他者と交流できるか?」という点に留意した方が良いと思います。「誰も信じない」等の設定で、一人で閉じこもるプレイも可能ではありますが、ゲームの難易度は上がる事になると思います。

 プロローグで会話が始まったら、そこで関係性を膨らませていきましょう。ゲームが始まった時、一度も喋った事のない相手と、色々話して少しは気ごころの知れた相手、どちらと手を組みたいですか?後者ですよね。

 プロローグはそういった関係性を構築する場でもあります。


・どれくらいの人数と交流するか

 数多くの人と話せば、それだけゲーム中に話し易い相手も増えます。が、薄く広く話していると、自分は相手にとって「大勢の中の一人」にすぎなくなってしまいます。

 「自分と一番仲良くしてくれそうな人」を1人でも作れると、その後の動きがかなりやりやすくなります。その相手と一緒に勝つ道が存在する保証は全く無いのですが、有った場合に非常に心強い味方となるでしょう。

 一方、「大事な人」を複数作りすぎてしまうと、ゲームが始まった後、高確率でその中の誰かを切り捨てなければいけなくなります。KQ村のクリア条件は「望んだ複数人が同時勝利できるわけではない」ものが一般的だからです。

 運や条件、プレイヤーの気質も絡むので、ここに最適解はありませんが、少なくとも「交流を行う」事が重要という事だけ覚えておけばよいと思います。


初日・条件配布

 いよいよ村が始まり、初日。KQ村は一般的に「役職」に紐づいたNo.と勝利条件が配布されます。そして「役職」はランダム配布。つまり、あなたがどのような条件を引くのかは、この時になるまでGMにもわかりません。(GMが意図的に人を選んで条件を配布するわけではない、という事です)

 注意すべきは、「配られた役職のシステム的な勝利」と「KQ村での勝利」は無関係という点です。例えば、役職「人狼」でプレイし、「妖精」が一緒に生き残って生存終了したとします。システムとしては「妖精」が勝利し、「人狼」は敗北しますが、KQ村ではクリア条件を達成し生存していれば「人狼」は勝利の扱いとなります。

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 そして、最近の村では大抵初日に1時間の「発言待機時間」があります。 この1時間の間に自分の役職、クリア条件を理解し、最初の行動方針を決める必要があります。

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 GMからは、このように条件が配布されます。(これは私が初参加の時の条件です。役職はシステムで自動的に「片想い」が割り振られています)不明点がある場合は、この待機時間の間にGMに質問すると良いでしょう。

 最初の配布情報は、おおよそ以下の4つです。(村によってはさらに追加の情報が存在する場合もあります)

・役職
 
システム的な役職です。システムで自動的に配布されます。

・No.
 
トランプに見立てられたA~K、Jokerの14種類のいずれか、もしくは村に依っては異なる何かが配布されます。

・ツール
 システムで使える能力(占い等)が使えるツール(システムツールと呼称されます)、そしてそれ以外の能力(No.調査や対象殺害等)が使えるツール(GMツールと呼称されます)が配布される場合があります。

・クリア条件
 
自分がゲームクリアする為に必要な条件が配布されます。

 最初の行動方針とは、まず誰と話すか、自分の情報をどこまで開示していくか、といった内容になります。これについて、さらに次の項で説明していきます。


初日・秘話開始

 発言が解禁され、いよいよ秘話開始です。秘話の目的はおおよそ次の2つとなるでしょう。

・自身のクリアに必要な情報を得る
・一緒に戦う仲間を作る

 クリアに必要な情報(他者のNoや役職等)があれば、それは当然大切です。そして、一緒に戦う仲間を作る事は、それ以上に大切です。仲間と協力して情報を集めれば、単純に情報収集力が数倍になります。また、「自身が吊られない」為にも仲間は必要です。

 KQ村は「人狼」とは異なります。「狼を探して吊る」ゲームではなく、各自がそれぞれの勝利を目指すゲームなので、「孤立した人間」「皆にとって不要な人間」は、それが狼だろうとそうでなかろうと、簡単に吊りの対象となります。そして、死亡するとKQ村は基本的に敗北です。仲間を作り、自分が吊られない体制を作っておくことは、非常に重要です。

 また、同様の理由で、他者との会話が必要なタイミングが「人狼」とは異なります。「人狼」は、占い等の情報が出てから本格的な話し合いが行われる事が一般的ですが、KQ村はもっと早い段階、はっきり言うと村開始~数時間の間に急速に情報交換・仲間構築が行われます。村の説明に「村開始時の立会いが事実上必須」と書いていてあるのは、そう言った理由からです。

 村開始時の流れに乗り遅れると、誰とも仲間になれず孤立する事にもなりかねません、ご注意ください。

 ちょっとしたコツとしては、村開始直後、誰か(プロローグで仲良くなった人等)に「誰よりも前にあなたと話しにきた」等と連絡すると、ある程度の信頼を得る事ができるでしょう。最初の秘話は、それなりの価値をもって受け止められる風潮があります。(その相手が組める条件かどうかの保証はありませんが)


情報収集の方法

 情報は基本的に「交換」で入手します。自分の情報を出さずに、一方的に情報を貰える事は少ない(というか、まず無い)です。自分の情報を出す事はリスクでもありますが、リスクを恐れて情報を一切出さないと他者からの情報も得られず、結果的に孤立します。
 適切に情報を交換し、そして仲間を作っていきましょう。

 情報の価値は村にもよるのですが、最近の傾向と私の感覚だと、おおよそ以下のようになっています。

役職:
 どちらかと言えば気軽に流出させない方が良い情報です。守護者は狼にバレたら確実に寿命が短くなるでしょう。妖精も占い師に溶かされやすいので、取り扱いは慎重にした方がよさそうです。そして、狼も注意が必要です、仲間には教える必要が出てくるでしょうが、狼情報が広まると吊られやすくなります。(狼を殺したい条件が大抵存在する為) 
 一方、実質無能力の役職であれば、そこまで警戒せず流してしまっても問題ない場合もあります。受け取った役職によって判断していきましょう。

No.:
 初期に配布される情報の中では、一番価値が軽いケースが多いです。No.情報はそれなりに交換され流通します。他者のNo.が流出すると、隠していても消去法で自分のNo.が浮かび上がってしまう事もあります。交換材料として使う事を視野にいれてもよい情報だと思います。

ツール:
 ツール情報もあまり流通はしません。効果の弱いツール(No.を調べるツール等)であれば存在を教える人もいますが、効果の強いツールは秘匿し、本当に信頼できる人にのみ教える方が良いです。効果の強いツールは、他者にとっては脅威となり得るので、自分が殺される理由にもなるからです。 

クリア条件:
 
強く秘匿した方が良い情報です。仲間を探す時に方向性を明かす必要はあるのですが、完全な情報を教えるのは本当に信頼できる相手のみとしましょう。極論を言えば、完全な情報は誰にも教えなくたって良いぐらいだと私は思っています。
 自分以外の全員を敗北させる条件を持つ「キラークイーン」が他者を殺すツールを使う際に、殺す相手のクリア条件を必要とする事も多く、自分の正確なクリア条件が流出する事は死を意味すると言っても過言ではありません。扱いには十分注意しましょう。


仲間が出来たら

 首尾よく仲間が出来たら、情報を共有していきましょう。一方的に仲間に依存しているだけだと、そのうち不要とされ切られてしまう可能性もあります。自分も仲間に貢献し、相手に「必要だ」と思わせる事が重要です。
 また、連絡の切れ目が縁の切れ目とも言います、マメな連絡は欠かさないようにしましょう。同様に、相手からの連絡が薄くなったら「裏切られているかも」と警戒した方が良いかもしれません。

 また、全ての仲間を完全に信用できるかどうかはわからないので、自身の正確な情報をどこまで相手に渡すかは、言動や状況でしっかり判断しましょう。KQ村では「人を見る目」も重要になります。


初回吊りに向けて

 KQ村では「初回投票」が非常に重要な意味を持ちます。初回吊で誰が吊られるかによって、その後の村の方向が大きく決まるからです。

 KQ村は「人狼」とは異なり「狼を吊るゲーム」ではありませんが、村の終了条件は「人狼」と同様で、「狼が全滅する」もしくは「狼が人間と同数以上になる」です。そして、大抵クリア条件によって「狼を全滅させたい」勢力と「狼と人間を同数以上にしたい」勢力に別れます。
 前者を「殲滅側」、後者を「飽和側」と呼ぶ事もあります。(ここではその呼称を用いていきます)

 通常の「人狼」では皆が村側として狼を探し、狼を吊ろうとします。が、KQ村では「殲滅側」は飽和側の誰か(出来れば狼)を吊りたいし、「飽和側」は殲滅側を吊りたいわけです。「狼っぽい人」を吊るわけでは無く、「吊る必要のある人を吊る」のがKQ村での投票になります

 ここでどちらかが投票に勝利した場合、数的優位が決定し、それ以降勝利サイドが有利なように投票がコントロールされていきます。つまり、初回投票で勝利するサイドにいない限り、最終的な勝利も難しくなるのです。

 ここで効いてくるのが「仲間」です。仲間はあなたに投票する事はないでしょう。そして、あなた含め3人の仲間がいたなら、あなたには「3票」分の勢力があるという事になります。さらに他の勢力とも投票で手を組む事によって、過半数を目指す事も出来ます。

 こういった事に注意していないと、「2日目に突然誰か(もしくは自分)が吊り候補になっていた」などという事になったりします。「なんだか〇〇吊の流れになっていた」なんて事を言う人もいますが、基本的に、自然発生的に誰かが吊り候補になる事はありません。誰かの意図が絡んでいると思って間違いないです。

 あなたが目指すべき最善は、「仲間と協力して投票合戦に勝って対抗勢力を吊る事」。ですが、いきなりそれは難しいかもしれません。まずは「自身が吊られない事」を目指しましょう。


吊られない為には

 当然ですが、自分が誰かにとって「吊りたい存在」である場合、吊られる可能性が上がります。あなたのNo.を殺すことがクリア条件の人がいたら、あなたを吊り候補に挙げるでしょう。
 また、あなたのクリア条件が他者を死亡させる物なら、それを知った他者はあなたを危険視して殺そうとします。

 No.情報は流出しがちなので、その点での殺意を防ぐ事は難しいかもしれませんが、「自分を危険ではない存在に見せる」事で、それ以外の殺意を軽減させる事はできるでしょう。

 初回吊りを乗り越え、その他の殺害も回避できれば、いよいよ3日目です。それ以降は、正直何が起こるかわかりません。それまでに培った経験と得た仲間達で頑張って対処していってください。

 以降、場面場面における具体的な話ではなく、少し概念的なアドバイスを書いていきます。


勝ち筋を描こう

 自分のクリア条件を満たす為には、誰とどう生き残るべきか。情報が集まると、そういうビジョンがある程度描けるようになってきます。自分の意図通りに場を動かせるとは限りませんが、そこをめざして交渉を行う事で、少しでも勝ちに近づく事が出来ます。
 「自分の勝ち筋を想定する」事は非常に重要です。そうでないと、何となく進んでいった結果、全く生きる道が残っておらず詰む、という事にもなりかねません。


キラークイーンの存在

 KQ村には「自分以外のすべての人間の敗北」をクリア条件とする「キラークイーン」が、最低1人は存在します。(大抵1人ですが、そうでない過去村もありました)
 多くの場合、他者を殺すツールを所持しており、キラークイーン以外の全員から共通の敵となるので、「キラークイーンを探す」という視点で、皆の目的が一致する事もあります。 

 キラークイーンは厄介な存在ですが、それが存在する事で思わぬ展開が起こる不確定要素でもあります。その存在を忘れず、また可能ならうまく利用できると、あなたはさらに優位に立ち回れるでしょう。

 もし、あなたがキラークイーンとなってしまったら……キラークイーンは基本的には難易度が非常に高い役割です。キラークイーンである事を隠し、とにかく生き延びましょう。初参加者がキラークイーン勝利した事例も存在します。諦めずに、頑張りましょう。


諦めたら試合終了

 進んでいくうちに「もうどうにもならない、勝ち筋が見えない!」、そんな状況に陥る事もあるでしょう。でも、諦めてはいけません。KQ村はいつ何が起こるかわかりません。誰かの凄いツールで突然皆が死ぬかもしれません。とにかく、今生きてさえいればチャンスはあると思った方がよいです。
 決して諦めず、生き延びて可能性を求める者にこそ、勝利は訪れるでしょう。


最後に

 色々と書いてきましたが、KQ村で一番大事なのは「楽しむ事」です。是非、同じゲームは2つない、GMに作り込まれた一期一会のデスゲームを全身で楽しんでください。

 そして、あなたがKQ村を気に入ってくれたなら。また、参加してもらえると、とても嬉しいです。

 おしまい。



 

 


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