KQ数値海岸の惨劇 隣席座りカナビスの思考と行動

・キラークイーン村とは

 キラークイーン村(以降KQ村)とは、人狼ゲームのシステムを使用したデスゲームである。13人の参加者(これは異なるケースもあるが)が集い、トランプの番号(A~K、Joker)と固有のクリア条件、ツールを配布される。

 参加者は、個人間通信である「秘話」とツールを駆使し勝利を目指す。村は自動で生成されるわけではなく、有志のGM(ゲームマスター)が趣向を凝らし設定や条件を練り上げ、開催が告知される。詳しくはKiller Queen Wikiを見ていただくのが良いだろう。

・この記事は何?

 本記事は2020年12月に開催されたKQ村、KQ数値海岸の惨劇に参加した際に、自分が何を思いどう行動したかの記録である。

 自分の行動を整理すると共に、もしKQ村に興味を持った人が「実際参加したら具体的に何をどう考えるの?」という部分を知る材料に少しでもなればよいかと思い、この記事を書く事とした。KQ数値海岸の惨劇のネタバレ記事となるので、これから読む方は注意して欲しい。

・カナビスの構築

 「隣席座りカナビス」。正直言って見目麗しくないキャラチップだ。清潔感も無いし目の焦点も合ってないし、怪しいし、何を考えているかわからない。このチップばかりはまともにプレイ出来ない、コミュニケーションが取れない。そんな声が聞こえてくるチップだった。

 だからこそやってみたい。

 単純にそういう理由でこのチップを選んだ。自らハンデを抱える事になるかもしれないが、KQ村は幸い個人戦、他者に大きな迷惑はかからないだろう。

 設定は「感情を知りたくてやってきた男」。理屈のみで判断し、情緒や感情を理解しないマシーンのようなRPでプロローグに挑んだ。これで他者と上手くコミュニケーションできるかはわからないが、それはそれで楽しいかと思い、新境地に挑む事とした。

・プロローグ

 カナビスの肩書は「隣席座り」。誰かの隣に無言で座るイメージだった。というわけで、プロローグでも誰かの隣に座る機会を狙っていた。皆立ち話に興じなかなか座る者がいない中、1人で中庭のベンチに座る少女がいた。痴情のもつれで先輩を殺し逃げてきた少女、「メイ」である。

 カナビスはノータイムでメイの隣に無言で座り、突っ込まれながらなんとか中身のあるコミュニケーションをとる事が出来た。ありがたい。

 その後「クロエ」「ヨーコ」も中庭に来て会話することが出来、最終的に食堂で「ミルフィ」「明之進」「セレスト」「ルーカス」「ヨリック」と面識を持つことが出来た。

 「ミッシェル」「トレイル」「イスルギ」「ツヅラ」と話す事は出来なかったが、別に無理に全員と話す必要は無いのだ。少なくとも奇異なRPでカナビスという存在は認識してもらう事が出来ただろう。

 ひとまずメイ、クロエ、ヨーコとは開幕後にコンタクトをとりたい、そう思いながらゲームはスタートしたのであった。

・初日開始・情報配布

 ゲームはスタートし、カナビスには以下の条件が配布された。

No.K:狂信者
クリア条件「ゲーム終了まで生存」
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「死の匂い」システムツール/常在
犯人役になった参加者の名前を知ることができる。
ただし例外が存在する場合がある。

「エクリプス」GMツール/常在
GMツールによるNo.探査の対象となった場合、
あらかじめ設定された任意のNo.を通知する。
通知するNo.はGMに申請することでいつでも変更可能。
初期値は「K」。
※このツールを使用してもあなたのNo.に変化はありません。

 狂信者とは最初から狼(KQ村でいうと犯人)の位置がわかる役職である。そこには「ヨリック」と「ミッシェル」から狼の気配があると表示されていた。

・方針検討

 KQ村初日は多くの場合発言開始まで1時間の待機時間がある。ここで自分がどのような方向性で進むか検討するのだ。

 最初から犯人の位置がわかる狂信者なら、犯人と共に生きる系の条件か…と思いきや、クリア条件は「最後まで生存」のみ。必ずしも犯人と生存しなくても良いようだった。これが何を意味するか?

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 No.Kは多くの人間、それもおそらく犯人から狙われる番号である、という事だ。幸い所有しているGMツール「エクリプス」は「GMツールによるNo調査」を妨害してくれるようだし、GMツール以外にNoを知る手段など存在しないはずだ。つまり、エクリプスで偽装さえすればNo.Kである事はバレる事がないはずだ。消去法や他者の条件からの露呈以外では。

 となると、どのNoを騙るかが重要になる。他人と被るNoは問題だ。ここで最初に考えたのがNo.0。今までのKQ村でもちらほら出てきたことのあるNoであり、存在自体が突拍子もないわけではない。しかしながら、現実的にNo.0は他者に配布されていないだろう。エクリプスでNo.0を騙れるかどうかGMに確認した所、問題無いとのこと。

 No.0がダメならJokerを想定していた。過去の村でJokerが複数存在したケースも存在するので、それはそれで被っても押し切れるという想定だった。が、No.0がOKならそちらの方がいい。さっそくエクリプスをNo.0にセットする。

 が、それだけでは弱い。「No.0でござい」で果たしてずっと押し通せるか?というわけで、「自分を生存者と被らないNoに変更するツール」を捏造する。No.0は仮の番号的な位置づけの方が多分しっくりくるし、二重の嘘の壁を張っておけば、自分がNo.K固定で偽装しているだけという真実まで簡単にはたどり着かないはずだ。

 役職「狂信者」は積極的に流す事にする。犯人サイドに付く非犯人であり、それ以上に特殊な能力が無い事は、敵対サイドからもKQからもさほど脅威とならないので優先排除対象となりにくい。犯人サイドである事は当然ながら襲撃対象になりにくい。
 また、せっかく犯人が分かっているのだから開幕直後にコンタクトを取るべきだ。経験的に、開幕直後に自分の役職を知って接触してきた相手を、人はほぼ信じる。そして犯人の席を確保する。ツール「死の匂い」を最大限活用する方法は、開幕直後の犯人へのアプローチでしかありえなかった。

 条件に関しては「犯人と最後まで生存」という偽装条件を騙る事にする。狂信者であれば自然な条件だし、「最後まで生存」という本当の条件を言っても、条件が無さすぎて恐らく信じてもらえない。犯人サイドとして動くのだから、当然の偽装だ。犯人が殲滅されることがあったとしても、所詮「犯人が死ねば道連れで死ぬカナビス」に吊りが回ってくる可能性はそこまで高くない。しれっと犯人についたまま敗北した体で生き残ればそれで勝利出来る、そういう目論見だった。

・ファーストコンタクト

 「死の匂い」で表示された相手はミッシェル、ヨリック。その2人が優先的にコンタクトを取るべき相手だったが、それとほぼ同時にメイにコンタクトを取った。メイとはプロローグで縁故があり、縁故がある相手とは開幕時に話しやすい。手をつなげる可能性のある所につなぎやすいタイミングで連絡するのも大事なのだ。

 メイに対しては事によっては本当のNoや条件をいう心づもりもあった。が、まずは「No.0」であり「犯人とコンタクトを取る」事を伝える。メイは邪気悪魔とのこと。自分とシナジーは正直あまりなさそうだったが、邪気絆の行先は大きく展開を左右する。ある程度密に連絡を取り続けた方がよさそうだった。

 ヨリックは狼血族という返答。狂信者がいきなり2人も犯人を知れるのは強すぎると思うので、そこは普通に納得。そしてミッシェルが黙狼。ミッシェルにはNo.0、犯人と生存の狂信者である事を伝え、協力を申し出る。

 ここで運が良かったのが、ミッシェルが「死亡者のNo.合計がある程度以上必要な犯人」だった事。No.Kは最優先標的なので、正直にNo.Kですと近づいたら一巻の終わりだっただろう。逆にNo.0ならミッシェルがカナビスを殺す理由が文字通り0になる。我ながら良い偽装をした。

・情報収集

 黙狼ミッシェルと組む事を本線に決めた。となると、彼女の為にNo情報が必要だ。自分の「No.0」は広めて全く問題のない情報だ。嘘なのでKQツールの条件にされるリスクも無いし、疑問を持たれてツールで調べられるくらいでちょうどよい。ツールでNo.0が出れば嘘が補強されるだろう。実際、最終日までにミルフィ、イスルギ、メイにNo調査をされていた。

 というわけで、自分の「No.0」情報と引き換えに他者のNo情報を得てミッシェルに横流ししていく。ミッシェルに流した番号は「ヨリックA、明之進2、ツヅラ3、メイ6、イスルギ8」。ミッシェル自身は7。

・妖精明之進との邂逅

 情報収集の過程で明之進が栗鼠妖精である事を知り、席不要で犯人に付きたいと言っていたので、その事もミッシェルに報告する。
 明之進の条件は「A,4,7,10,Kから2名生存」とミッシェルが生存対象だった上、彼のNoも2と小さいので、ミッシェルとは相性が良いように見えた。自分の本当のNoも生存対象なのでさらに相性が良かったのだが、それは絶対秘匿情報なので口をつぐんだ。「自分はNo.Kだ」と伝えたくなる衝動にかられたのは事実だが、それを言ったら全ての作戦が台無しなのだ。
 明之進には犯人からの連絡を待つように伝え、ミッシェルには都合の良い時に連絡してもらうよう伝えた。味方が多いに越したことはない。

・半狼クロエの仲間入り

 ミッシェルがクロエと接触し半狼と聞きだしたとの事。クロエの条件は「生存者4人以下で生存」と、なかなかハードな物。「席がいらない」妖精をも排除する席の少なさは、GMの嫌らしさを感じさせた。ただ半狼が味方であるのとそうでないのでは犯人の難易度が全然違う。クロエがいなければ結局2人でしか生存できないのだから、引き込んだ方が絶対に良いはずだ。

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 クロエを引き込む交渉はミッシェルにお願いし、無事クロエは仲間となる。

・一匹狼との代理人交渉

 情報収集を続けていると、ツヅラからコンタクトがあった。カナビスを狂信者と知っており、カナビスの条件や、カナビスが知っている犯人を知りたがっていた。しばらく交渉を続けていると、どうも一匹狼の代理人のようだ。

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 4,8,10なら仲良くというが、ミッシェルはNo.7。犯人が全員共存できる条件なわけがなく、どうにもきな臭い。ツヅラにミッシェルの事は明かせない。しかし犯人同士がいきなり決裂して票が割れるのもまずい。

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 というわけで、ツヅラに代理人交渉を申し込む。以前のKQ村で自分が犯人だった時に、自分の正体は隠し協力者に犯人サイドの代表として交渉してもらった事があったので、それを思い出しての提案だった。ツヅラ側も特に異論はないようで、犯人側の票合わせが可能なツテは作れたようだった。

・偽ツール流布

 ミッシェルから、ヨーコが「参加者2人のNoを入れ替えるツール」を持っているとの情報が入る。また、カナビスが何かツールを持っていないかについても聞かれる。これは偽ツール情報を流布するチャンスだ。

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 自分がNo変更できるツールを持っている事、それをミッシェルの為に使える可能性がある事を伝える。後者は実際にやるとなったらNo.Kに変更した体にしてチェンジする作戦だった。

 序盤にこれを言っておくのと、後でいきなりツールがあります(じゃーん!)と出すのでは、信用度が違う。無駄になるかもしれなかったが、布石は打っておいて損はない。

邪気絆騒動

 メイの邪気絆は初日に放たれる。2名選んで互いに殺し合わなければいけない絆を付けるのだ。メイはカナビスの知らない犯人(すなわち一匹狼)をみつけ、組む事に成功したようだ。

 一匹狼と通常犯人の対立の可能性を聞かれ、「対立しそうだから犯人は言えない」と正直に伝える。するとメイは「ヨーコのNo交換ツールで対立解消できないかな」と提案してきた。クロエの条件的に犯人3で最後まではいけないのだが、ミッシェルが一匹狼のターゲットではなくなるのは非常に大きい。それなら共闘できると返答をする。

 メイは一匹狼と一匹狼のターゲットを絆にするつもりで検討しているようだった。カナビスの発言が尽きてactのみになった最終段階で確認連絡が来た。「クロエかミッシェルに撃ちたい」との内容。いや、それ両方まずいんですけれども!!!

 actでとにかく両方まずい事を伝える。クロエとミッシェルが犯人である事が伝わってしまうが、邪気絆を撃たれるよりマシだろう。本当にギリギリだったが、メイはミルフィに絆先を変更してくれた。(ミルフィにとってはこのとばっちりが不幸の始まりだったが…)

・2日目・犯人三者会談

 ひとまず、邪気絆騒動でクロエとミッシェルが犯人/半狼である事をメイに伝えた事を報告するも、邪気絆が撃たれるよりはマシという事で、2人とも納得してくれた。

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 そしてツヅラが一匹狼COをしてきた。彼は代理人ではなく一匹狼本人だったのだ。ツヅラ一匹狼を犯人に教えてよいと言われたので、ミッシェルとクロエに教え、直接交渉してもらう事にする。ツヅラ側がNo交換ツールを使って手を取る気満々なので、その方がいいだろう。幸いNo交換ツールはヨーコの他にメイも所有している事を教えてもらっていた。ミッシェルとクロエの番号を変えれば、こちらサイドは安心してツヅラと組む事が可能だ。

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 というわけで、腹を割って話す事をミッシェル、クロエに勧める。犯人会談は上手く行き、最終的にはメイのNoチェンジでクロエ(J)・ミルフィ(9)が、ヨーコのNoチェンジでミッシェル(7)・ルーカス(4)が入れ替えられる。実際のNoチェンジ周りはカナビスは直接的にはかかわっておらず、犯人3人が上手く話し合って調整・交渉をした結果で、これをきっちり実現できる犯人達は強いなと、2日目終了の時点で感じていた。

・情報共有

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 ミッシェル・クロエ・カナビスで結束力の強いチームを作った認識だったので、ある程度喉を使って情報共有を行った。ミッシェル、クロエ、カナビスの交流範囲が異なった為、3人の情報を総合するとかなりの精度の物が出来上がった。KQ村で情報強者である事はそれだけでアドバンテージである、いい流れだ。集まった情報に気を良くしてGMにも送りつけてしまった。(ミッシェル、クロエに共有したものは、カナビスの情報を偽装しておいたが)

・役職推理

 この時点で役職が判明していないのはセレスト、トレイル。セレストは妖精を気にしていた事があるので、占い師か?トレイルは生存者のNo合計が関係するなら、大きなNoを護衛して守ることが出来る守護者で違和感が無い。

 KQ探しの情報交換相手としてそれなりに交流があったセレストに占い師かどうかを尋ねてみるが、彼は否定する。セレストは挙動的にも条件的にも守護者には見えない。守護者不在のレギュレーションは犯人側有利になりすぎるのであり得ないと考えており、そうなるとトレイル守護者は確定的ではないだろうか?

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 トレイルは犯人側に付きたい意向を聞いていたのだが、守護者であれば即排除すべき対象だ。カマかけの意味も込めてトレイルに連絡を行う。トレイルからすれば、もしカナビスが確定的情報を持っていた場合、しらばっくれると「犯人に敵対」と見なされほぼ喰われることになる。嘘はつきづらい状況だろう。 

 はたしてトレイルは守護者である事を否定しなかった。カナビスはトレイル守護者濃厚である事ををミッシェル、ツヅラ、クロエに連絡する。

 実際の所、ミッシェルとトレイルはプロローグ縁故で最初からお互いの情報を交換(犯人と守護者という事まで)しており、この時点でミッシェルがツヅラにトレイル守護者情報も伝えていたので、カナビスの行動はさほど意味が無かったのだが。カナビスにも教えてよ、ミッシェル…

・明之進引き込み工作

 そういえば昨日ミッシェルに話しておいてと伝えた妖精明之進。音沙汰なくて少し心配だ。明之進に連絡があったか確認してみると…

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 おおぅ、どうなってるんだ?慌ててミッシェルに連絡すると、どうやら連絡は取っていたが会話が上手く噛み合っていなかったらしい。なんとか再度会話してもらい、ミッシェルチームについてもらえそうな方向に話が進む。ここで駄目押しをしておく方がいいだろう。

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 偽ツール情報の流布をここでも行う。ミッシェルが明之進の生存対象である事はもう明之進に伝わっている。なのでカナビスもそうである事を伝えれば、明之進がこちらにくる敷居はぐっと下がる。ツールは嘘だが「ミッシェルとボクがいればキミの勝利条件は達成可能」の部分は本当だ、何の問題もないだろう。

 明之進に対しては犯人側の票田としての役割を期待していたのだが、明之進は追従者ヨーコの介護役として「非素数に投票する」行動をしていたので、実際初回投票では票田とはならなかった。(カナビスは明之進がヨーコ介護役である事を認識していなかった)だが、この引き込み工作はあとで効果を及ぼすことになる。

・投票・襲撃調整

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 ミッシェルから爆弾発言が飛び込んでくる。▼メイだと…?

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 ちょっと待て、ちょっと待て。いきなり犯人決裂はマズい。あわててミッシェルとツヅラの間に入り調整を行う。後日ミッシェルから、ここは▼メイするつもりではなく非犯人側の状況を伝えた的な話を聞いたが、この発言は▼メイするつもりに見えてしまう。
 襲撃もミッシェルが襲うのかツヅラが襲うのか取り違えがあったりしたが、そこも更新ギリギリでなんとか調整できた。心臓に悪かった…

・ミルフィ吊り票集め

 犯人側の2日目の吊りは結局▼ミルフィ。ツヅラと邪気絆を結んだ相手だ。見込める票はカナビス、ミッシェル、クロエ、明之進、ツヅラ、メイ、セレスト、イスルギ、トレイルで最大9票。初回吊りはその先の流れを決定づける超重要な吊りなので、絶対に勝つ必要がある。この中ではトレイルに不安があったので、圧力をかけに行くことにした。

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 はっきりいえば脅迫だ。トレイルはミッシェルと仲が良い認識でいたと思うから、これが無くても▼ミルフィをしたかもしれないが、ログを読む限り挙動は非犯人側だったので、個人的にはやって良かったと思っている。(いずれにせよ喰うのでトレイルには申し訳ないが…)

 結果としてイスルギ、明之進が▼メイに流れたが、ヨリックが▼ミルフィに参加してくれており、▼ミルフィ8票、▼メイ5票で▼ミルフィ吊りは成功した。

・3日目

 ミルフィ吊り、トレイル襲撃は想定通り。そしてヨリックがツールにより死亡。これはKQツール(KQが所有している殺害ツール)による死亡か?

 この日の方針は錬金術師のルーカス吊りが主軸。完全に非犯人側であり、襲撃すると犯人が道連れにされる可能性があるからだ。この日までは犯人が仲良く行動するターン。だが明日からは違う。今日はそれを見据えた行動をしなければならない。

・ツヅラの条件確認とゴールプラン検討

 前日カナビスがツヅラの条件を正確に知らなかった事も調整が上手くいかなかったことにつながっていたので、まずはツヅラの正確な条件を確認。

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 ここでツヅラは「犯人役全員正しい条件を共有」と言っていたが、クロエの条件は犯人3+非犯人3でゴールできる形に偽装してある者かと思っていた。が、クロエは生存者4人という正しい条件をツヅラに伝えていた。

 ツヅラのゴールプランは「ツヅラ、ミッシェル、クロエ、カナビス」でゴールだったのだ。それならそれで問題はなかったのだが、ミッシェルは自分を襲撃出来るツヅラと一緒にいくのは気が進まなかったようで、ツヅラのそのプランをクロエ、カナビスには流さず「ミッシェル、クロエ、カナビス、明之進」でのゴールを提案する。

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 カナビスはツヅラの想定を知らないので、ミッシェル、クロエ、カナビス、明之進プランに合意。知っていたら無用に内部で争わなくてよいツヅラプランを推してた気がするが、それはIFの話なのでわからない。いずれにせよカナビスの生存戦略はミッシェルの席確保が主軸なので、ミッシェルが嫌な方向を選ぶ気は無かった。

 あと、この辺りでミッシェルに絆されはじめていたかもしれない。頼られると勝たせてやりたくなるのが人情。カナビスに感情はないのだけれど、中の人には感情が存在するのだ。

・明之進勧誘

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 方針が決まったら物理で動くだけだ。ミッシェルの方針が固まる前から、明之進から全面的についてくるという連絡も入っていた。 

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 セレストが占い師だという情報もツヅラ→ミッシェル→カナビス経由で入手していた。味方候補の明之進を溶かされては困るし、ルーカス吊り+明之進溶けでツヅラ条件達成で手を出せなくなってしまうので、念の為釘を刺しもした。

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 そしてミッシェルとの方針決定後、明之進を正式に口説きに行く。ツヅラが明之進を殺そうとしている事を明かせば、こちらを裏切る事はほぼ無いはずだ。明之進が介護しているヨーコを切り捨てる必要がある事も、この時説明した。明之進が味方に来るにあたって出した条件は、可及的速やかなセレストの襲撃と、カナビスのツールについての詳細な説明。

 セレスト襲撃は翌日のツヅラとの投票決戦に備え、ツヅラサイドを削る+ミッシェルの死亡者No確保の為にそもそも予定していた事なので、問題はなかった。ツールについては「生存者と被らないNoに変更できる。ヨリックが死んでいるので確実にAになれるから問題ない」と返答。こうして明之進はミッシェル・クロエ組に参加することとなった。

・ヨーコ処遇検討

 ヨーコは最終的に切る対象なのだが、敵陣営についてもらっても困る存在だった。カナビスとしてはこの日は温存し、4日目のツヅラ吊りで明之進にツヅラ吊りをしてもらい、その時に始末する想定だった。

 が、ミッシェルがヨーコの早期排除を望んでいた。明之進が翌日溶かされた場合ヨーコがいた方が票数的に有利なのだが、ツヅラが明之進を溶かさない約束をミッシェルとしたとの事。となると今日ヨーコ始末でも問題はない。方針が二転三転したが、明之進にヨーコの始末を依頼した。

・ルーカスNo問題

 ミッシェルがルーカスのNoを確認した所4だったという情報が入る。ミッシェルの7と入れ替えたはず、なのだが…。調査の結果、「No変更を無効化するツールがルーカスにある」という情報が入ってきた。これはミッシェル、クロエ、カナビスに伝わり、クロエから明之進にも伝わった。

 これが本当だとするとツヅラの勝利条件が1つ消えた事になる。が、バレるとミッシェルや、最悪自分が襲われる可能性もある。ツヅラ陣営には極秘にすべき情報だった。

 実際はカナビスと同じ「エクリプス」でNoを4に偽装していただけだったのだが、そこには気づかなかった。(独り言で可能性には言及していたのだが、すぐ忘れていた)

・最終計画

 この日の生存者はツヅラ、メイ、セレスト、イスルギ、ミッシェル、クロエ、カナビス、明之進、ヨーコ、ルーカス。ここから▼ルーカス▲セレストでヨーコは条件未達死。翌日ツヅラ、メイ、イスルギ vs ミッシェル、クロエ、カナビス、明之進でツヅラを吊ってメイ、イスルギ条件未達死で終了だ。

 が、待てよ?

 条件未達死は終了判定の後なので、ミッシェル、クロエ、カナビス、明之進で最終日の吊りが行われる。ミッシェル、クロエが条件達成し首輪のランプが消えていると、明之進も条件未達死し、カナビスが確定で吊られる事になる。まずい。

 クロエに終了条件をそれとなく確認したところ、途中で首輪のランプが消える事はない、との事だった。なら最終日明之進吊りでいける。もしくはKQが残存していればKQ吊り。うん、状況によっては明之進を見捨てる事になるが、カナビス生存ルートは確保される。明之進はミッシェルとカナビス生存必須なのでクロエ吊りしか出来ない。クロエと協力して明之進吊ることは可能だし、ミッシェルも絶対クロエ生存を選ぶ。大丈夫だ。

 と思っていたのだが、クロエの返答は嘘(後で「罪のないちょっとした嘘」とか言っていた)だったので、全てが順調に進んでいたらカナビスには死が待っていた。罪のないちょっとしたデストラップだよ、危なかった…

(追記)クロエの条件は「10名以上が死亡した状態でゲーム終了まで生存」、すなわち途中クリアはしないので、デストラップは存在しなかった。クロエ、ゲーム終了後に何嘘ついてるんだ…

・4日目・クロエ爆死

 4日目の更新。ルーカスが吊られ、セレストが襲撃、ヨーコが条件未達死。ここまで予定通り。だが、そこでクロエが爆死した。非常に痛い。

 生存者はツヅラ、メイ、イスルギ、ミッシェル、カナビス、明之進。陣営で言えば3vs3だ。しかしクロエ不在でKQ健在の今、再度ツヅラと組んで今日終わらせないとKQツールでの死者がさらに増える。ツヅラ、そしてミッシェルをKQとは全く思っていなかった。

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 まずミッシェルに自分の方針を伝え、ミッシェルからもおおよそ同意を貰う。

 まず状況整理だ。ツヅラチームはこの日明之進吊り確定。そうでないとツヅラが条件達成できないし、芋づるでメイもイスルギも死ぬからだ。また明之進はミッシェルとカナビス生存必須なので、カナビスに投票する事はない。なので、この日カナビスが吊られる事はほぼない。

 ミッシェルの襲撃もメイかイスルギ固定だ。No.0のカナビスを襲撃してもミッシェルは条件達成出来ないからだ。

 つまり、カナビスが対処すべきは「ツヅラに喰われない事」だけ。KQツールは怖くなかった。Noも条件も偽装しておりバレている気配はなかったし、「犯人と生存」条件が信じられているなら、KQツールのターゲットになるのは犯人であってカナビスではないからだ。

 いや、メイはミッシェルにカナビスNo.Kかもと言っていたし、カナビスがエクリプスを持っている事をツールで知っていたので、本当はNo.Kである事を薄々わかっていたかもしれない。が、カナビスのNo変更を警戒していたりもしたので偽ツールの毒も少しは効いていたように見えるし、偽条件の毒は確実に効いていた。

・ツヅラへの謝罪

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 正直に真っ直ぐ話すのがツヅラには伝わると判断し、作戦については全て白状した。そして自らがKQでない説明を行う。相変わらず自分の情報はすべて嘘だが、バレない嘘は嘘ではないのだ。偽ツールに関しては、ミッシェルがツヅラに「初日にその内容を聞いている」とフォローしてくれていた。布石は打っておくものだ、ありがたい。

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 さらに、多少情っぽい事を混ぜた方がいいかもと思い、とにかくツヅラに色々送る。これがツヅラに効いたかどうかはわからないのだけど、ミッシェルの為に動いた気持ちは、そんなに嘘でも無かった。あとはツヅラの判断に任せるしかない。

・KQ探し

 犯人にKQがいるとは思っていなかった。一匹狼は素数4人死亡条件で、犯人と半狼が素数。犯人は死亡者No.合計59以上で、半狼がJ(11)。半狼は生存者4名以下。頑張って2人は組めるが3人は組めない絶妙なデザイン。後付けでKQが騙って取れるバランスではない。

 となると、残る候補はメイ、イスルギ、明之進。

 第一印象ではメイがKQだった。が、邪気絆とNo.チェンジツールの使い方が完全に犯人サイドの為であり、流石にKQならあんな使い方をしない気がした。

 イスルギは情報がかなり無かったのだが、ツヅラの席をメイと争っているはずなのに何もする様子が無い=実は席不要のKQ疑惑で疑った。が、直接話すと、どうにもそうは思えなかった。ツールについてもNoサーチだけは弱すぎ疑惑があったのだが、共鳴者である事を教えてくれたので、そこの違和感は減った。喉が多いのは十分アドバンテージだろう。また、条件がNo.3かNo.Jと生存であり、両方犯人である事も本物らしく見えた。

 明之進は非KQと思える要素が無かった。妖精である事がネックではあったが、占い師は積極的に妖精を溶かす条件ではなかったし、条件のA,4,7,10,Kもあまり基準があるように思えなかった。これは明之進KQか?

・メイからの疑い

 メイがカナビスを疑ってきた。が、カナビスKQなら今日クロエを殺す理由が全くない。それを説明し、イスルギやメイにおおよそ納得してもらえた。

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 このメイからの連絡、「悔しいけど」のくだりがやや不思議ではあった。メイが普通の人なら悔しい理由は無いはずだ、KQがカナビスにKQ疑惑を押し付けられなくて悔しいという事だったのだろうか?ここはもう少し突っ込むべきだったかもしれない。

・明之進の逆襲

 全体の流れが明之進吊りに向かっていた。明之進もおそらくそれを察していた。

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 ここでルーカスのNoが素数ではない可能性を暴露してきたのだ。が、ミッシェルがNo.4である事は知らないようだった。また、この件についてはしらばっくれる事でミッシェルと事前に合意していた。

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 ミッシェルの事実も交えた誤魔化し方が見事だったので、カナビスは思わず褒めてしまった。ツヅラも本気にしなかったようで、これに関しては「明之進のホラ」という方向で流す事が出来た。本気で取られてたら結構危なかった場面だと思う。ミッシェルナイスプレイ!

・エピローグ

 日付が更新された。明之進が吊られイスルギ襲撃。自分は襲撃されてない。

 ここからツヅラが爆死。ミッシェルとカナビスが条件達成し、メイが爆死。メイがKQだったのだ。だがツヅラがミッシェル、カナビスを信じてくれたおかげで2人は生き残った。デッドエンドが各所に見える展開ではあったが、何とか生存ルートを泳ぎ切れた、良かった。

・総括

 カナビスとしては、No、条件、ツールの偽装が非常に有効に働いたと思う。「最後まで生存」すればいい条件なら、生存戦略に全振りすればよいわけで、それなら犯人に付いて襲撃を避ける、No.と条件を偽装してKQツールを避けるのが理にかなっていた。行動的には、自分で主体的にあれこれ画策するというよりは、犯人陣営に付いて不都合が無いようにケアする「調整役」的な動きだったかもしれない。

 犯人サイドに均衡が偏った点については、GMの感想通りカナビスとメイが犯人側に全振りしたのもあるだろうが、犯人3人が非常に優秀でNo組み換えで組める状態に持ち込んだのも、大きな理由だと思う。犯人が最初に2人しかいない構成なので、犯人が序盤1人欠ければ、非犯人側に大きく傾く展開になったと思う。

 RP的にも怪しいプレイを堪能できて満足したが、流石に怪しすぎて大変でもあった。しばらくは満腹かも知れない。

 なお、KQ村は一期一会。この記録は「KQ数値海岸の惨劇においてカナビスがこうし考えた」という物であり、異なる村の異なるキャラで自分がどのように考えるかは、全くの未知数である。それがまたKQ村の魅力なのである。

 おしまい。


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