KillerQueen村の作り方

・はじめに

 お久しぶりのAlbertです。
 今回はKQ村の作り方についての記事を書こうと思います。といっても、人によって作り方、進め方に大きな違いがあるのがKQ村。ここでは、主に私のKQ村の作り方について記載していこうと思います。

・テーマを決めよう

 最初に必要なのはテーマです。
 自分が運営に関わったKQ村ですと、以下のようなテーマがありました。

KQAA:チーム要素ありのアイドルオーディション
KQ回葬列車:銀河鉄道モチーフの敗者復活戦
KQCB:エンタメ極振りハリウッド風味ペアレース
KQCoC:クトゥルフ世界、邪神の饗宴

 テーマはそのKQ村の「色」となります。
 また、特殊なモチーフを選んだ場合、村のシステムに影響を及ぼす場合もあります。(Fateの世界観モチーフにした「FKQ」等。)

 いずれにせよテーマがそのKQ村の世界観や色を決定づけます。
 メインGMが「どんなKQをやりたいか」がここに表現されますので、何よりも最初にしっかりと決めるべきことだと私は思っています。

・SGMを誘おう

 KQ村を1人で運営するのは困難です。最低限、条件配布時はGM+SGMで2人欲しい所です。
 私がGMの場合、条件配布バックアップ(万が一SGMが1人来られなくなった時の対策)を含めSGMを2人お願いする事が多いです。

 また、SGMに「何をしてほしいか」もある程度想定して誘う相手を決めるとよいです。GMとして経験が少なく自信が無い時は、運営側の経験豊富な人にSGMになってもらい、進め方やデザインについて全体的な監修・チェックをしてもらうのが良いでしょう。

・wikiを作ろう

 キラークイーンwikiの予定表に企画を記載しましょう。
 KQプレイヤーはこの場所をみて村の存在を知ることが多いです。
 個別の企画ページもこのwikiに作成し、情報を記載するのが一般的です。

・スケジュールを決めよう

 開催日の決定、そこから逆算しての作業スケジュールを決めましょう。基本的にやる事は村の設計(役職、ツール等の作成)ですが、私の場合、開始日の一ヵ月前には設計が全て終わるようにスケジュールを組んでいます。

 勿論一カ月前にいきなり決定稿が出てはい終わりとなるわけもなく、事前に設計内容を共有し、検討を繰り返します。設計完了までに何度かGM、SGMで集まってしっかり打ち合わせるフェーズを設けるのが良いでしょう。

 設計が完了したら配布文書やシステムメッセージ、ツールメッセージの作成です。実際に進行する際に必要となる物を事前に準備しておくことで、円滑な進行を実現できるでしょう。

・設計をしよう

 設計情報はGMとSGMが随時共有する必要があります。
 基本的にはGoolgeスプレッドシートを使って情報を共有していきます。

KQCB - Google スプレッドシート

 こちらはKQCBで実際に私が使用したスプレッドシートです。

 条件一覧、レースシステム、勝利判定順のシートを設計時に作成。
 設計完了後に配布文書、ツールメッセージ、シスメ等のシートを作成。
 参加者管理、順位管理、進行メモシートは進行中に使用しました。

・設計時にケアする事

 ここは本当に人それぞれなので自分のやり方で作っていけばよいと思いますが、私が気を付けている事について少し書くことにします。

・犯人(人狼)と非犯人(それ以外)のバランス

 これは永遠の課題です。
 犯人飽和エンドか、犯人殲滅エンドかで村の進行が大きく変わります。犯人殲滅でしか勝てない人がいるのに、パワーバランスが圧倒的に犯人飽和側に傾いていたりすると、その人にとっては実質無理ゲーとなってしまうわけです。そうならないようにケアを行っています。
 初回投票でパワーバランスが大きく傾く事が多いので、そこが一方的にならないような設計を心がけています。

 またバランスが傾いた後でも逆転できる要素が存在すると、残りが消化試合になることなくゲームが盛り上がる事が期待できます。
 一方的な展開を防ぐ要素としてはキラークイーンの存在(一方的な展開で複数人数に勝たれては困るので、バランサーとして動く)が第一に挙げられますが、ここだけに頼る事なく何らかの逆転手段を無理やりでない形で組み込めると良いかもしれません。

 ちなみに「犯人飽和エンド」前提(犯人チーム同士が争って生き残る)の設計を行ったり、そもそも犯人・非犯人関係なく村を終わらせることが出来る「笛吹き」を導入するといった対処方法もありますが、それぞれまた別のケアすべき事象が発生するでしょう。

・極端な有利・不利を作らない

 私が必ず行うのは、「自分がその役職になってクリアできるか?」を全役職についてシミュレートする事です。
 キラークイーン村は性質上クリア難易度が完全に同じにはなりませんが、それでも他に比べて難易度が極端に高い役職があると不公平感や不満が生じます。必ず、全役職について確認した方が良いと思っています。同様に、極端に強すぎる役職も再検討した方がよいでしょう。
 このチェックはデザインが全て完了した後で行います。何か一点ツールやクリア条件を変えるだけでバランスが激変する事も普通にあります。何気なく行ったある役職の変更が別の役職の難易度を極端に上げたり下げたりしまう事があるのです。

・条件設定

 これはケアする事というより傾向の話なのですが、「組める相手が限定されている」条件を多く作ると、村の展開をある程度設計意図で制御できます。意図した流れの中でターニングポイントを幾つか用意し、そこで何パターンかのエンドを想定する形ですね。私が初めてデザインしたKQAAはこのような設計でした。
 村として破綻しづらいですし、組みたい相手と組めない悲劇はそれはそれでKQ村の華なので、これはこれでアリな手法だと思っています。

 もう1つは「組める相手はあまり限定されていない」条件が多い設計。組みやすい、組みにくいはあっても、組めない事はない人同士であれば、難易度が高くても情が勝って組むこともあり得ます。自由度が高くやろうと思えば色々できるので楽しい。しかし、設計意図で村の展開を制御できない。
 私は最近こちらの手法を使う事が多いですが、展開を制御できないので結末も予想出来ません。展開によっては一方的になることもあり得ます。(設計的に打開策を入れていても、それが使われなければ一方的になります)
 とはいえ、それはそれで良いのではないかと私は思っています。

・質問システム

 村中にプレイヤーがGMに質問したりツール申請したりする方式についてです。村中の秘話で行う方式とtwitterDMで行う方式がありますが、私は基本的にtwitterDM方式を採用しています。

・秘話方式

 -メリット
  twitterの準備不要
  ログにすべてが残る
 -デメリット
  秘話を受けたGM・SGMしか質問を確認できない
  質問やツール申請に発言ptが必要

・twitterDM方式

 -メリット
  GM・SGMが全員質問を確認できる
  質問やツール申請に発言ptが不要
 -デメリット
  ログに質問やツール申請が残らない
  キャラ名とtwitterIDの紐づきが分かりづらく誤爆しやすい

 私がtwitterDM方式を行う際は、以下のデメリット対策を行っています。

 質問やツール申請はtwitterDMで受け付けるが、返事は秘話で返す。その際に質問文や申請文をコピペで回答に貼り付ける。これによってログにすべて残る。
 運営twitterIDと参加者twitterIDで2人グループを作成し、グループ名をキャラ名とする。これによってキャラ名との紐づきがしやすく、誤爆しにくくなる。

・最後に

 色々書いてきましたが、あなたが作りたいKQ村を作る。それが最善です。
 あなたの情熱をぶつけましょう。プレイヤーはその情熱にきっと応えてくれるはずです。

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