春に想う 優秀って?普通って?
春になると思いだす、30数年前に聴いたエピソードがある。
福井達雨さんは、1962年に近江八幡市の廃寺を借りて、知的障がい児童施設『止揚学園』を設立した。
止揚とは、アウフヘーベン。今や、自己顕示の象徴のように小池東京都知事が、宣うカタカナ語だが、初めて聞いた。
意味は、大辞林によると「矛盾する諸要素を対立と闘争の過程を通じてなどを発展的に統一する」というヘーゲルの哲学用語。
なんとむずかしい。勝手に「違う考えであっても、高次では一致できる」と解釈している。
それはともかく、福井さんの話は、
「氷がとけたら何になる」と子どもたちに訊いたら、
知的障がいのない子どもは、
「先生、氷がとけたら水になるやん」と。
知的障がいのある子どもは
「先生、氷がとけたら、春がくるんや」と。
その後、私は福祉関係の教材の編集やNPOを主宰していたので、当然、障がいのある友人知人が増えた。そんな中で、彼らやその親たち、周辺から学ぶことが多かった。
現政権で起こっている新コロナ対策、森友問題などなど、優秀と言われて人たちが「命に向き合わず、なぜ、そんな愚かなことを」と思うことが多発して(以前からだけど)、うんざり感が蔓延る。
優秀って? 普通って? と思うことしきり。
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# 本質を知る # エッセイ # 反省するけど後悔しない
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