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中山大障害勝者が実践する「7つのポイント」by西谷誠

いよいよ今週、中山大障害です。
しかし、レースの内容というよりは
オジュウチョウサンがラストランだと
いうことばかりにフォーカスが当たり、
他の出走馬や、騎手の記事はほぼ皆無。
植野騎手引退の報が出てようやく
記事がちらほら出てきた程度。

有馬記念は普段競馬をやらない人でも
購入しますが、大障害はこの状況では
ライトなファンは「オジュウがんばれ馬券」
くらいしか買わないですよね。。。
他の人馬にも当然意気込み・ドラマが
あります。

高田騎手のツイート

そんな状況を鑑みてか、怪我で療養中の
高田潤騎手がこんなツイートを。

普段肉声を聞く機会が少ない、障害騎手の
意気込みを聞ける貴重なもの。しかも
出走全騎手!これだけでも感涙モノですが、
本来JRAがこういうことをやってほしいです。

そしてこの中で、我らが西谷騎手が
素晴らしい講釈をしてくださいました。
伝道師としてこれは広めるべきだろうと。
題して、「中山GI攻略の7つのポイント」。
予想に結びつくかは分かりませんが、
把握しておいて損はない情報なので、
自分なりに咀嚼してみました。

中山GI攻略の7つのポイント

1.「スタートして1つ目の障害は

リズム重視。」

落馬のリスクを避けるための「リズム重視」
だと思います。この5号障害では最近
落馬が相次いでいます。理由としては
以下の推測をしました。

合ってるかは不明。

スタートして好位置を皆取りたいので
テンが早くなり、踏切が合わなくなる
可能性があります。序盤での飛越ミス・
落馬は絶対避けたい所。ある程度位置を
取りに行った方がいいとも思いますが、
西谷騎手はまず、リズムを大事にする
ことを重要視しています。

リズム重視がゆえ。

2.「大竹柵へ向かう際の進路取り」

バンケットを下って、大竹柵へ向かう際の
進路取りは私もよく見てる箇所です。

外か内か。
内を取る為の外進路。

襷に入る前に外に出し、バンケットの下りを
利用して上画像で言う、右斜め下方向へ加速、
内を取りに行っています。ここで内を取って
大竹柵を上手く飛べれば、大きく位置取りを
上げることが出来ます。

3.「大竹柵を飛んだ後の障害飛越」

これは西谷さんの言葉そのままで、
大竹柵が高さ1.6mに対して、次の生垣は
1.4mと低くなり、感覚がずれて飛越ミス
しないよう、気を付ける必要があります。

4.「赤レンガに行くための進路取り」

大竹柵の時と同様の進路取りです。
赤レンガを飛んだ後に、内目の
ポジションを取るために、外から
押し上げる必要があります。

下って登る際の進路。
赤丸2頭の進路に注目

バンケットを下る際に外に出し、
斜め左下方向へ進路を取って、
登った頃には好位置を確保。
赤レンガの飛越難易度が高いので、
バンケットを上ってから急な進路変更で
体勢・リズムを崩したくない。

よってバンケットの下り又はその前に
外へ出すのが大事。
内を取ってしまえば、赤レンガで多少
飛び負けても挽回できます。

5.赤レンガを飛んだ後の進路取りと飛越

赤レンガを飛越後、すぐにコーナーが
あります。
ここでインを取れるかどうかがとても重要。
インを取れないとその後延々と外を
回らされることになるからです。

その後迎えるロングスパートに向けて
余計なスタミナロスは避けたい。
過去の勝ち馬はほぼ例外なくここで
先団のインポジションを確保してます。

赤丸が勝ち馬。皆内を通っている

ちなみに昨年のブラゾンダムールは
セオリーと真逆の外々を回してますが、
当時は馬混みに入ると掛かってしまう
気性を考慮したもの。このコーナーが
下りになっているので、その惰性を
利用して次の障害飛越に勢いを持たせて
外からポジションを上げています。

翌年の中山グランドジャンプでは
気性面が改善されたため、インの
ポジションを確保しています。
オジュウチョウサンの勝負根性に
屈しましたが、乗り方としては今年の
グランドジャンプは完ぺきでした。

真逆のポジショニング

6.最後の1つ前のバンケットの降り方

下の赤く囲んだ箇所になります。ここの
バンケットは他の箇所と違って、上ってから
すぐにコーナーがあります。そのため、
内側ほど、上がりっぱなの急斜がエグく、
インベタを通ると必ず減速してしまいます。

ここの降り方はクラス問わず重要

セオリーはアウトサイドイン。
インを通っている場合は少しでも
ラチから離れてから下り、インへ向かって
加速するイメージ。

未勝利の番人的存在だった、クラウン
ディバイダが未勝利戦を勝った際、
テン乗りだった伴騎手がお手本の様な
立ち回りを見せてくれました。
当時の回顧記事で詳細に触れています。

このバンケットを超えてから皆仕掛けを
打つことが多いので、ここで減速して
しまうのはかなりのロス。ここを上手く
降りて、出来るだけ減速せずに仕掛けに
移行したいということではないでしょうか。

7.竹柵飛越後の仕掛け

最終障害含む仕掛どころ

ここは正直意図が測りかねていて、完全に
推測の域。
バンケットを上ってすぐ竹柵がありますが、
ここから下りが続くので、全馬の仕掛所に
なります。仕掛けた勢いでバンケットを
下り、一番スタミナ的にきついこの上りを
経て最終障害へ。

ただこの最終障害は先述した魔の5号障害。
きついタイミングでこの下りの途中にある
障害は脚がもつれやすいリスクがあります。

この飛越後は平地のみの約600M。
直線も坂があるので、どの位余力を残して
おくかがポイント。
西谷騎手はこの竹柵後の仕掛所で
”仕掛けすぎずに仕掛ける”ことを
言いたかったのではないでしょうか。

他馬につられず、且つタイミングを見計らい
ベストな仕掛けを打つのが重要なのでは
ないかと。
そしてこの7つをロス無く自然に出来る
人馬が優勝出来る馬なんだと。

日頃ネタにされがちな西谷騎手のレース
戦略を垣間見れたのは嬉しかったです。
我々が思うよりずっとずっと障害騎手は
考えを巡らせ、一瞬一瞬の判断に思いを
懸けています。
オジュウチョウサンというスターが
引退してしまいますが、少しでも障害
レースのファンが増え、障害騎手も
増えて、更なる発展を願うばかりです。

これらのポイントは私の考察でしかなく、
金曜日に行われる高田騎手のライブで
答え合わせが出来ると思います。
私は見れないので、良ければ
「全然違ったぞw」
「ほぼほぼ合ってたよ!」
なんて教えてもらえるとありがたいです。

今回これを体現出来る人馬は誰なのか。
実際解説してくれた西谷さん&ブラゾン
なのか?
それともやはりオジュウチョウサンなのか?
楽しみに当日を待ちましょう!

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