ラ・ヴォワザン:王室の影に隠れる謎の女

ルイ14世の時代、フランス宮廷には数多くの秘密や陰謀が渦巻いていた。その中心に位置するとも言われるのがラ・ヴォワザンだ。彼女は一見、上品で社交的な貴婦人として知られていたが、その背後には暗黒の側面が隠れていた。

彼女の名は、社交界での宴会や、特に的中率の高いと言われる占いで知られていた。しかし、夫の死を境に彼女の行動は次第に疑わしげなものへと変わっていった。裏の世界での活動が囁かれ、毒薬の取引や堕胎を斡旋する業者としての側面も持っていたという。

時が経つにつれ、彼女が関与する事件や犯罪が露呈するようになる。一人の犯罪者が彼女から毒を手に入れ、それを使って殺人を犯したことが発覚したことで、彼女自身も当局の目を逃れることはできなかった。

捕らえられ、拷問を受けた彼女は、王室のメンバーや貴族との関係、さらには黒魔術にまつわる秘密を告白した。その告白には、ルイ14世の愛人であるモンテスパン侯爵夫人の名も上がり、一大スキャンダルとなった。結局、彼女は魔女として火刑に処されたが、この事件の詳細は王室の命令で消されてしまったとされる。

当時のヨーロッパでは、魔女狩りが盛んであり、実際に彼女がどれほどの犯罪に関与していたのか、それとも彼女が都合の悪い事実を知りすぎていたのか、真実は今もなお明らかではない。しかし、彼女の関与した犯罪の一部は事実とされており、その暗黒の面を持つ女性としてのイメージは色あせることがない。

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