#3

気温はやっぱりジェットコースターです。そうです、また1年経ちました。前回の記事を見に行けば丁度1年前で、何となくこの季節になると君を思い出すのかしら、なんておセンチな気持ちになってみたけれど、どうってことはない、この書き出しのせいで、気温がジェットコースターになると思い出すんだと気づきました。君を思い出すわけではなく、このnoteの存在を思い出すと言った方が正しい。
君のことは、折に触れて考えているよ。

君が結んでくれた縁をきっかけに、年に数回、君が尊敬していた教授に会わせてもらっています。この間は、美味しいお蕎麦屋さんに連れていってもらいました。「天丼セットをぺろりと食べていましたよ」という先生の言葉に乗せられて、私もTも君が好きだったという天丼セットを頼んだけれど、よくよく考えてみれば君がこれをぺろりと食べていたのは2年以上も前なわけで、1年毎に内蔵の弱りもとい老化を感じている私たちは、自分たちの限界を知りました。
この天丼セットは、先生のゼミ生が主催していたワークショップ前にごちそうになりました。

君は、どんな世の中を望んでいたんだろう。
文学が好き、歴史が好きというただそれだけの理由で文学部を選び、好きなだけ文学や史学の授業をとっていた私は、君が所属していた大学の社会人講座を取って「女性が働くということ」をこんな風に考えるようになるとは思いませんでした。勉強するのは面白い。生涯学ぶことには貪欲でいたいよね、君の足元にも及ばないけれど。
君の本が出版されて、久しぶりに高校の同級生何人かとも連絡を取りました。相変わらずバイタリティに溢れている人が多い一方で、人生に悩んでいる人もいるようで、君の本を読んで、考えさせられた、と言っていた人もいました。
君と同じように感じている人も、いるんだと思います。

前回、今は比較的仕事の自由がきく、なんて言っていましたが、その約2か月後、晴れて(晴れて?)異動になり、時間的にも質的にも社会人人生で一番働きました。長くて秋まで全力で推し活、なんて言っていたけれど、楽しい楽しい推し活全振りライフは去年の春で終わりました。
宝塚を平日に見られる回数は減ったし、土日はHPが低いので集中力が落ちて映像鑑賞もままならない。でも、残業代は出るのでお金はある、普段はない物欲が忙しいと急に頭をもたげるので散財する。

あれ、これでいいんだったかな。
順調に昇進させてもらっているけれど、自分の何が評価をされているかというと、「かつての(あるいは今も)男性に求められた働き方ができる」からなんじゃないか、と、一息つくたびに考えます。
「君が独身で良かった」と、この1年で3人から言われたの、控えめにいっても地獄。仕事において私が独身であることが関係することなんてない。
考え方の似ていた先輩も同期も辞めてしまったし、ここにこれ以上いる価値あるんだろうか、と思うことも少なくないんだけど。

でも、結局立ち返るところがあって、私は今の会社に入った目的がとても明確で、可能な限りは続けていきたい。
君が昔、異を唱えたこの世界で、もう少しだけ頑張ろうと思っています。健康を害さない限り。(害す前に逃げますけど!)

あとは何を君に話したかったんだっけな。ああ、そうだパートナー。前回、パートナーが必要かも、なんて言っていたけれど、全然、全ッッ然、動いていません。
ひとりで気ままに生きたい気持ちと、婚活で傷つくのが嫌な自分本意な気持ちと、「既婚者」というステータスがこの会社や世の中でどう作用するのか考えてしまう気持ちと、そんな邪な気持ちで婚活していいのか!というどこに向けてるのかわからない意味のない正義感と、勝手に汲み取っている親の気持ちと。色んなことを考えては放棄して、現在に至ります。樹木希林さんが、物事の分別がつかない若いうちに結婚しないと(要約)とテレビで仰っていたと聞きますが、本当ですね。悪い意味ではなく、若いうちにえいやってしてしまうのが一番なのかも。分別なんて綺麗なものではなく、凝り固まった色んな考えが邪魔をしてくる気がするから。
君とも会う度にこういう話をしていたよね。今、めっきりこういう話をする相手はいなくなりました。

色んなことがままならない。でも、生きていて楽しいこともたくさんあるので、その小さい楽しいこと、嬉しいこと、やりたいことを大切にしながら、明日もどうにか乗り越えていきます。

見守って、というのは烏滸がましい気がするので、気が向いたら見に来てください。君へ手紙を書くという名目で自己分析を勝手にしているから。そんで甘えていたら、喝入れてほしい。

命短し歩けよこねぎ、と。

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