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平日に鳴らされる爆音

Guilty Forestはすっかり開店休業状態で、今や人によっては企画やってる人みたいな見られ方なんだろうけど、文を書くリハビリを兼ねて色々書いていく事にしようと思う。長続きするかどうかは知らない。

最近機会があって前より俗に言う平日ブッキングのライヴに足を運ぶ事がある。
平日ブッキングと言うと、ノルマあり、ガラガラのフロア、自分以外出演者と関係者、意図の全く見えないブッキングとネガティブなイメージの人は多いだろう。

実際に確実に目当て以外の対バンを含めて楽しみたいならそれこそバンド企画や個人企画に足を運ぶ方が早いのも事実だ。それらの企画は企画者が有名無名なり人によって好みはあるにせよ、このバンド!!ってバンドを呼ぶし、比較的外れを引く可能性は低い。
それなりにライヴハウスに足を運んでる僕も行くのは土日のバンド企画、平日に行っても金曜の気合の入ってる系の企画と平日ブッキングからは足が遠ざかってた。
先輩や友達のバンドからの来てくれメール、全く食指が動かない対バン、地獄みたいな転換時間。友達なんてそりゃ誰もいない中、内輪な空気だけが充満してる。そんな苦行めいた物を平日ブッキングから感じていてたのも事実である。

だけど最近平日ブッキングに行ってみて気付いたのは、確かにクソみたいなバンドやブッキングが多いけど、その中にもライヴハウスの人が必死で良いバンドを見せようとしている平日ブッキングも確かにあること、まだ見ぬ化け物みたいなバンドも少なからずいることだ。
最近MUGANOとmoreru目当てで行った吉祥寺WARPの平日ブッキングに出ていたtake about the noiseなんて一言で言えばぶっ壊れたシガーロス。僕好み過ぎるバンドで久々に知らないバンドを見て血が滾るのを思い出した。

思えば平日ブッキングには甘えが何一つない。

今や土日の企画ライヴに行くとなると「誰かしら友達なりTwitterの相互フォロワーがいるでしょ。」みたいに自然と思うようになっていたし、転換中は友達と飲みながらお喋り。それは勿論ライヴハウスの楽しみ方として何も間違えてないけど、そんな甘えが消えた瞬間に、ガラガラの孤独なフロアで自分が全く知らないバンドと向き合うしかない緊張感がある。

何よりもガラガラのフロアにありったけの爆音をぶっ放すまだ知られてない原石バンドの持つエネルギーは平日ブッキングだからこそ味わえる物だし、クソみたいなバンドの中でそんなカッコイイバンドを見つけた時ってソシャゲでSSR引いた時よりずっと脳内のアドレナリンが出る。

バンド側も色々とやり方なり運営方法が求められてる時代だし、こうした平日ブッキングを避けるバンドも多いのかもしれない。でもこうした平日ブッキングの荒波に揉まれて、それでもやり続けるバンドは間違いなく強い。化け物は平日ブッキングから育つのは間違いないと思う。

対バンがクソで逃げ場がなくて延々と喫煙所で煙草吸いながら野球の速報チェックしてる瞬間とか、Twitterで思わず【地獄】ライヴハウス名【地獄】ってツイートしたくなる瞬間とか、そうした瞬間も含めて平日ブッキングにはエモが確かに存在している。
付き合いで行く平日のノルマありブッキングライヴ、ガラガラのフロア、観てる人間ほぼ出演者、ガラガラのフロアに向かって「行けるか下北!!」とか言っちゃう寒い対バンのMC、音楽性もメジャーバンドを弱くしたみたいなのばかり、付き合いのバンドのライヴもクソ、そんな平日のブッキングライヴのエモ。その先にある化け物バンドを見つけた時の喜び。

目当てのバンド一つの為にたった一人で平日のライヴハウスに行く事って実はアンテナを錆びつかせない一番の方法だと思ったりもする。
ライヴハウスの人達も色々考えて行動しながら平日ブッキングのイメージを変えたり、良いブッキングにしようと心血を注いでる。確かに仕事とかで足を運び難いのもあるけど、それでもガラガラのフロアの先に何かがあるのかもしれない。それはきっと何一つ御膳立てされてない、その場に孤独に立っているたった一人の客だけが見える世界なのかもしれない。

そう言えば売れる前のSiMを観たのも下北CLUB251の平日ブッキングだったよな。だから馬鹿に出来ないよ。

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