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読解力がないなら歌詞を解釈しなされ。amazarashiとかおすすめだよ。

こんにちは、れるはです。

読解力がない人が最近増えているようで。私も大したことはありません。

よく、本を読むといいと聞きます。が、私は本は苦手です。嫌いでないけどどうせ読むなら漫画がいいです。だって小説って安くはないし、漫画より読むの時間かかるし。

でも私は詩を読むのは大好きです。何故なら好きなように自分で想像できるから。選び抜かれた美しく鮮やかな言葉で情景を描く。読み手は文の美しさに浸りながら自分の好きなように想像できる。詩って良くないですか?
でもあまり学校で習わないんですよね。
いや、習うけど、皆さん記憶にあります?
結構あっさりとしかやってない気がします。

私は詩を読むのが好きなので、歌詞を読むのも大好きなんです。情景を想像するの、楽しい。理解できたら感動。

さて、そんな実感も味わいつつ、創造力、読解力、語彙力までも身につけるのにふさわしい歌詞を書くアーティストがいらっしゃいます。それがamazarashiです。

amazarashiは青森出身のバンドで、ボーカル秋田ひろむさん、キーボード豊川真奈美さんの2人で活躍なさっています。
大人気漫画でアニメ化・実写映画化もした東京喰種ではEDに「季節は次々死んでいく」が起用され、その他にも僕のヒーローアカデミアでは「空に歌えば」がOPに起用されました。
また、俳優の菅田将暉さんにも何度か楽曲を提供していて、特に有名な曲に、劇場版僕アカのEDとなった「ロングホープフィリア」があります。
「僕が死のうと思ったのは」を楽曲提供された中島美嘉さんや、俳優の横浜流星さんがファンとして有名です。ボカロ界で人気のカンザキイオリさんもファンのようですね。

と、私も大ファンなのでたくさん宣伝してしまいました。

さて、作詞作曲はボーカルの秋田さんが行うことが多いのですが、その歌詞が素晴らしいです。

たとえば『ジュブナイル』という曲ではこんな歌詞があります。

《君が君を嫌いな理由を 背負った君のまま
成し遂げなくちゃ駄目だ
僕は讃える君らのジュブナイル 向こう見ずだっていい 物語は始まったばかりだ》

私はこの歌詞がすごく好きです。最初の2行も好きですが、特に好きなのは最後の2行。
簡単に言うとジュブナイルとは、少年(少女)時代のことを指しています。
一般的に今の自分を認めたり、慰めてくれる歌詞が多い中、過去に視点を当て、間違いではなかったんだよと言ってくれるようなこの歌詞で私はすごく鳥肌が立ちました。
誰でも後悔はあります。生まれてこなけりゃと思う人もいます。
この歌詞はそんな人たちに向け、間違いではないと言うだけでなく、むしろ讃えてくれているのです。
人知れない努力や小さな成功、挫折や苦悩までも全てを讃えてくれている。無駄なんてない、よくやってるよ、頑張ってるよ
私にはそう聞こえてとても感動しました。

他にも『逃避行』という曲にはこんな歌詞が。

《死に場所を探す逃避行が その実 生きる場所に変わった》

私は死にたいとまでは考えたことがないのでそこまで深読みができてはいないのですが、この歌詞がすごく好きなんです。
この歌詞は全体的には「逃げ」や「死」がテーマなので暗く感じますが段々と覆していく様子が強さがあっていい。絶対負けねえぞ、こっちは腹括ってんだ。なんなら死んだって構わねえ。みたいな。
その最後にこの歌詞。やってやった感があります。

さて、このように素敵な歌詞がたくさんあるのですが、まだ紹介しきれていませんがここらでとある曲を解釈し、終わりにします。

私が最近好きな曲にamazarashiの『月曜日』という曲があります。この曲を解釈したら自分的にかなり良い仕上がりになったので語らせてください。尚、あくまでも私個人の解釈です。歌詞はコピーしません。

https://sp.uta-net.com/song/245491/

こちらでご覧ください。

まず最初の体育倉庫〜芥川まで。

渡り廊下で鳩が死んでるってすごい状況ですよね。いじめか?
鳩は群れを成すことから平和の象徴と言われていますが、それが死んでるわけです。
私はこの歌の主人公が学校で群れに沿って過ごすことができず孤立したことを表していると読み取りました。

芥川の流れについては正直読み取れませんでした。すいません。芥ってゴミのことを言うんですよ。それが邪魔しちゃって考えが纏まりませんでした。多分芥川龍之介のことでしょうが。

支柱〜大人にならないで は、シンプルにそのままだと思います。自由な身になれない状況の中で唯一 君 の無垢な幼さはそのままであってほしいみたいな。

月曜日〜及ばないとしても ここはサビです。大好きなところ。
《好きなこと好きって言うの こんなに難しかったっけ》
この歌詞で涙腺崩壊してしまう。

2番に入ります。

ここは分けて考えず、全体で考えます。
ソフトクリームが出てきているので夏かなーって思います。花火の描写があることから、私が考えたストーリーは主人公と友達の「君」は夏祭りor花火大会に行く約束をしていて、待ちぼうけしたり、花火を見て感傷に浸ったりしていたのかなと思います。そこは川沿い。河川敷があって。
で、サビで「川の水面で水切り」にうまくかけたように読み取っています。
現実逃避的な描写。逃避しきれない苦しみがある描写かなと。

さて、本題はここから。Cメロに当たる部分です。順番に読み解きます。

《普通にも当たり前にもなれなかった僕らは せめて特別な人間になりたかった
特別な人間にもなれなかった僕らは せめて認め合う存在が必要だった》

痛いほど共感してしまう歌詞。普通でいられないならせめて特別にならせてよ。それが無理ならせめて誰か認めてよ、ということですね。
そして「僕ら」ということは自分と相手である「君」の共通の感情なのでしょう。

《それが君で おそらく僕で ゴミ箱にだって あぶれた僕らで》

2人を繋ぎ止めていたのは認め合うという気持ち。だけど "おそらく" 僕で と書いてあります。この意味も含めて重要なのは次です。

《僕にとって君は とっくの昔に
 特別になってしまったんだよ》

私は最初、この部分は良かったねーと思っていました。特別な存在ができたんだなと。
しかし何かがおかしい。
特別になって「しまったんだよ」…?
これではマイナスな表現です。遡り、Cメロの最初を見てみましょう。

《せめて特別な人間になりたかった
特別な人間にもなれなかった僕らは せめて認め合う存在が必要だった》

…マジか。つまりアレです。私の解釈では、
彼らは特別になりたいけどなれないという醜い特徴があり、そんな2人がそれぞれを認め合って分かり合うことで多くのことを乗り越えてきたんです。
負の感情も共有し、「そうだよね」と言い合える仲だった。「僕らって地球外生命体みたいだね」「僕ら超能力者だったりして」
互いを認め合い、特別な存在に昇華し合っていたんです。
しかし主人公は共に過ごしていくうちに気がつくんです。
もしかしたら君はすごいんじゃないか?魅力があって個性があって…気がつくと大人びてきて、周りに合わせられるようになってきて。


そうか、普通でも特別でもないのは
僕独りだけだったのか。


分かり合えていたようで相手は何歩も先に進んでいたんです。だけど自分はまだ立ち止まっているまま。そんな経験ありませんか?大体勘違いとか、考えすぎな場合もありますが、結構複雑な気持ちになりますよね。つまり特別な「存在」になっていたのではなく、特別な「人間」になっていたんだと私は解釈しました。

そこからのラスサビです。
月曜日蹴飛ばしても今まではゴミ箱やら水切りで、地上で済んでいたのにまさかのラスサビでは大気圏まで行ってるんです。
Cメロの解釈を前提とすると、今まではやけくそでいじけた感じで、石ころを蹴飛ばすくらいだったのが、真実に気がつき苛立ちとショックと悲しみのあまり、衝動的に強く蹴ったのかなと思います。
しかしそれは虚しく焼け落ちるどころか、なんの解決にもならず心に空いた穴は塞がらないまなんです。

で、ここで意味深な歌詞。

《確かに似た者同士だったけれど
 僕ら同じ人間ではないもんな》

そうですよ。自虐でしょうか。馬鹿だな俺、みたいな。もはや悟りの境地。

だけど一番怖いのは離れ離れになってしまうこと。君という存在を手放してしまうと主人公は完璧な孤独になってしまいます。中学高校ではよくある現象ですね。

ならば永遠に別れはないと約束してしまおう、いっそのこと。というわけだと思うのですが…。
これは余談というか可能性として作り上げたストーリーなんですけど、

約束しようと持ちかけたのは主人公ではなく、君だと思うんです。
なぜならもし私なら、前述の事実を知ってしまったら軽々しくこんな約束はできないから。自分から持ちかけることはないと思います。
もしも夏祭りのくだりが続いていたとしたら、君が「楽しかったね、これからもずっと友達でいようね」と持ちかけたのでしょうか。
多分これに深い考えはないと思います。
しかし、主人公は花火に対して「永遠なら良かった」と思っていました。
つまり主人公は永遠はないことを知っています。
この約束は果たせない約束。それが分かっているのです。
だから君とは永遠には仲良くできないだろう。そう考えながら、でも孤独にはなりたくないから約束をしたのでは…と思っています。

2人の関係は、主人公が重大な事実に気付いてしまったために愛や友情にも及ばない仲になってしまったのです。

めちゃくちゃ今パッと考えたことなんですが、主人公結構月曜日蹴飛ばしてるじゃないですか。
多分時の流れを止めたいのかなと思うのですが全部空回りしたりヒットしないじゃないですか。つまりこれも永遠がないことを指しているのかと思いました。




と、いうわけで後半解釈に当てましたが、私のごみみたいな稚拙な解釈はどうでもいいんです。ただ、面白くないですか?
解釈楽しくないですか??
読解力を上げたいけど本は苦手という方ならこういうやり方も全然ありだと思うんです。歌詞って好きな曲なら特に覚えたりするじゃないですか。そうしたら暇な時、手元にツールがなくても脳内で自由に解釈できます。
簡単な歌詞でもちゃんと丁寧にやると結構深みが出て面白いです。
この世に軽い気持ちでできた歌詞なんてないです。
書いた人の気持ちや、そうでなくても意図的な何かが込められているはずです。見方が変わります。

そしてamazarashiは歌詞が深く、小説さながらなので解釈のしがいがあって楽しいです。文学的な表現が多いので語彙力も身につくと思います。是非試してみてください。



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