見出し画像

特殊詐欺に騙されないための対策と注意点を解説

ご家族の財産を詐欺から守る対策は万全ですか?

警察による啓発活動の成果で、特殊詐欺の認知件数は最多だった平成29年から減少していましたが、令和2年から再び増加に転じ、令和5年は過去最多を更新しました。

あなたのご家族に対して、いつ詐欺の電話が架かってきてもおかしくない世の中です。

自分の家族を想像し、「うちの親は、こんなに騒がれている詐欺に騙されるほどバカじゃない」と考えたり、ご両親が「自分は騙されないから大丈夫」と言うかもしれません。

しかし、詐欺被害者はみんな口をそろえて同じようなことを言うのです。

それだけ詐欺の手口は巧妙ですし、どんな立派な人物でも、加齢とともに、どうしても認知能力や判断力は衰えてきます。

ご家族が、真面目に人生を送って手に入れたお金を、犯罪者の卑劣なやり方で奪われるのは許せないですよね。

この記事では、犯人からの詐欺電話に騙されないための対策と注意点を解説していきます。
この記事を読み終わったら、ぜひごご家族と連絡を取り、詐欺対策について話し合ってみてください。

特殊詐欺とは?対面せずに相手を騙す詐欺の総称

「特殊詐欺ってよく聞くけど、どういうもの?振り込め詐欺とは違うの?」と疑問に思う方がいるかもしれません。

確かに「特殊詐欺」という言葉だけを見たら、それがどういう形態の詐欺かイメージが湧きません。

そういう方のために、まず特殊詐欺とはどういうものか簡単に説明します。

特殊詐欺とは、電話や郵便物を使用し、対面することなく相手を信頼させ、お金やキャッシュカードを騙し取る詐欺の総称です。

かつては「振り込め詐欺」という呼び方が一般的でしたが、詐欺の手口が多様化し、お金やキャッシュカードを直接受け取る「手交型」の手口等が現れたため、名称が変更されました。

警察庁では、特殊詐欺の手口を10種類に分けています。主な手口を以下に挙げます。

  • 親族等を名乗り、「会社の金を横領した。補填するためにお金が必要」などと言い、お金を騙し取る「オレオレ詐欺」

  • 市役所等を名乗り、「ATMで還付金が戻る」と言ってATMからお金を振り込ませる「還付金詐欺」

  • 警察等を名乗り、「あなたの口座が悪用されています。キャッシュカードの交換が必要です」などと言い、キャッシュカードを騙し取る「預貯金詐欺」

他にも「融資保証金詐欺」、「交際あっせん詐欺」等があり、騙し方もお金を受け取る方法も様々です。

この記事では、被害件数が多い、電話を使用してお金等を騙し取る手口に絞って、詐欺から財産を守る対策を解説していきます。

詐欺電話に騙されないための対策

詐欺グループの手口は巧妙で、あらゆる口実で言葉巧みに相手の信頼を得ていきます。
警察が実際に発生している詐欺の事例を広報していますが、次々と新しい手口が生まれ、イタチごっこになっています。

日々変化し、新しい手口が生まれる詐欺の電話に騙されないためには、どういった対策が有効でしょうか。これから紹介していきます。

留守番電話に設定し、知らない電話番号は対応しない

全国の警察や金融機関が、特殊詐欺対策として最も推奨している方法が、「留守番電話に設定し、知らない電話番号は対応しないというものです。

詐欺電話を架けている犯人は、騙しのプロです。

被害者の中には、普段から特殊詐欺についての情報に触れ、「自分はこんなものに騙されない」と思っていた人が多くいます。

しかし、そんな方に対しても犯人は言葉巧みに欺き、現金やキャッシュカードを交付させてしまいます。

それだけ犯人の語りが巧妙ということです。

特殊詐欺の被害にあわないためには、「犯人と会話しない」ことが重要と言えます。

特殊詐欺の犯人は、大量の連絡先が記載された名簿から手当たり次第に電話をかけています。

もし、架電先が留守番電話に設定されていた場合、わざわざその相手に時間を割かず、すぐに次のターゲットに電話を架けた方が効率が良いと考えます。

また、やましいことをしている人間は、自分の声が記録に残るのを嫌うので、その点でも留守番電話に設定することは有効となります。

詐欺の手口について事前に確認しておく

しかし、詐欺の犯人が留守番電話だからといって100%諦めるとは限りません。

詐欺電話には出ないのがベストですが、親族や公的機関を名乗られると、ついつい出てしまうこともあると思います。

もし詐欺電話に出てしまっても、話の内容から「これは詐欺だ」と見破れるよう、事前に詐欺手口について確認しておきましょう。

警察のホームページなどを閲覧すれば、特殊詐欺の様々な手口が紹介されています。

詐欺の手口にはどんなバリエーションがあるのか知っていると、詐欺を見破る確率が上がります。

不安な人は、調べた詐欺の手口を紙に書いて、電話の側に貼っておくのも効果的です。

このとき、具体的な事例を逐一書き出していたのでは、とっさの場面で必要な情報を見つけられないかもしれません。

なので、紙に書き出すのは

  • 公的機関がキャッシュカードを受け取りに行くことはない

  • ATMで還付金を受け取ることはできない

  • 電話でお金の話が出たら家族に相談する

など、詐欺手口の本質的なポイントを押さえた内容を、一目で分かるようにすることがおすすめです。

電話でお金の話が出たら、1度切って事実確認をする

もし電話でお金の話が出た場合、1度その電話を切って事実確認をしましょう。

相手が親族を名乗っているなら、こちらが把握している、その親族本人の電話番号に電話を架け、公的機関を名乗るなら、部署と名前を聞き、自分で調べた公的機関の電話番号に架けて事実を確認します。

ほとんどの犯人は、相手が事実確認をしようとしたら、諦めて電話を切ることが多いです。

架かってきた電話の相手に対して疑問を投げかけても、言葉巧みに騙されてしまう可能性があるので、1度電話を切ることが大切です。

国際電話には応答しない


特殊詐欺の犯人は、海外から詐欺の電話をかけることが増えています。

「ルフィ」と名乗る詐欺グループのリーダーが、海外で逮捕されたことを覚えている方も多いのではないでしょうか。

国際電話は、+1や+44などから始まる電話番号です。
このような電話番号からの着信は応答せず、架け直すことがないようにしてください。

国際電話を使用する予定がない方は、国際電話の使用を無料で休止することもできます。(国際電話不取扱受付センター 0120-210-364)

詐欺電話が架かってきたら、警察に情報提供する

詐欺電話が架かってきた場合、被害を免れたとしても、自分だけで完結することなく、しっかり警察に情報提供しましょう。
なぜ被害にあっていなくても警察に情報提供が必要なのか、理由を説明します。

別件の詐欺被害を未然に防げる


詐欺犯人が犯行に使っている名簿は地域ごとに並んでいるのか、1つ詐欺電話が確認できた地域では、他の家庭にも詐欺電話が多数架かってきていることが多いです。

もしかしたら、近所に現在進行形で騙されている人がいて、キャッシュカードを受け取りにきた犯人が付近を徘徊しているかもしれません。

もし、詐欺電話がその地域で架かってきていると情報提供をすれば、警察が付近をパトロールし、被害が発生する前に犯人を確保できるかもしれないのです。

必要な防犯指導が受けられる

詐欺を見破ったとしても、犯人との会話の内容によっては、対応が必要な場合があります。

例えば昨今、詐欺電話に対して、自宅内に大金があると話してしまい、自宅に強盗が押し入って、大金を奪われたという事件が多く発生しています。

これは「アポ電強盗」と呼ばれていて、財産だけでなく、自分自身も危険な目にあう可能性があります。

このように、詐欺自体は見破っても、状況によっては安心できない場合があるので、特殊詐欺の専門家である警察に相談して、防犯指導を受けましょう。

犯人側が見破られていることに気が付いていない場合、犯人を捕まえるために「騙されたふり作戦」へ協力を依頼される場合もあります。

警察に情報提供する場合、交番ではなく警察署に電話する

警察に情報提供する場合、最寄りの交番に相談するのはおすすめしません。

交番は、地域で起こる様々な事件の初期対応に当たるのが任務で、特殊詐欺の専門家ではありません。

また、すべての警察官が特殊詐欺について、高い意識を持っているわけではないのです。

運悪く意識が低い警察官に当たると、「被害にあったわけではないから」と、簡単に話を聞いただけで、記録にも残さず終わりにする可能性だってあります。

そこまでひどくなくても、交番の警察官では対応できず、報告を受けた特殊詐欺を担当する刑事に、同じ話を繰り返すという二度手間になることが多いです。

それなら最初から警察署に電話して、特殊詐欺を担当する部署に繋いでもらった方が話が早いです。

もし詐欺被害にあったら、すぐに警察と取引銀行に通報

もし詐欺被害にあったことに気がついた場合、すぐに警察と取引銀行に通報をしましょう。

警察への通報は、110番を使用


すでに詐欺被害にあった場合、警察への通報は、110番通報で行うのがベストです。
110番をすると、通報を受けた通信司令課から、関係部門に一斉に、ほぼリアルタイムで情報共有されます。

近場の警察官による付近の捜索、駅やタクシー乗り場等への警察官の配置などを迅速に行うことができます。

犯人は犯行後、時間が経てば経つほど現場から離れるので、警察の素早い立ち上がりにより犯人を確保できる可能性が高くなるのです。

取引銀行への通報は、大至急行う

犯人にキャッシュカードを手渡した場合、取引銀行に連絡し、口座を停止する必要があります。

連絡したころには、犯人は最寄りのATMで、すでにお金を引き出しているかもしれません。

しかし、ATMで1日に引き出せる額には限度があるので、被害を最小限に抑えることができます。

逆に、詐欺被害に気付くのが遅れた場合、日付がかわるごとにお金をどんどん引き出されていくのです。

もちろん、1回目の引き出しより前に口座を停止できる可能性もあるので、取引銀行への連絡は大至急行いましょう。

まとめ

特殊詐欺に騙されないための対策と注意点を解説しました。
最後にまとめると、詐欺電話に対する対策として以下のことを徹底してください。

  • 留守番電話に設定し、知らない電話番号は対応しない

  • 詐欺の手口について事前に確認しておく

  • 電話でお金の話が出たら、1度切って事実確認をする

  • 国際電話には応答しない

また、詐欺電話が架かってきた場合、被害の有無に関わらず、警察に相談しましょう。もし、キャッシュカードを犯人に渡してしまった場合、大至急、取引銀行に連絡して口座を停止する必要があります。

ぜひ、ご家族で高齢の方がいらっしゃる方は、この記事で紹介した内容を伝えて、対策のお手伝いをしてあげてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?