壁紙を守りながらケーブルモールを設置する

ケーブルモールと壁紙の間にポリプロピレン製のPPクラフトフィルムを這わせ、このフィルムを錆びにくいステンレス製の針でホッチキス止めを施す。このフィルムの上にケーブルモールを両面テープで固定することで、将来ケーブルモールを撤去するときに壁紙を傷めずに済む。

ホッチキス針の留める間隔は、横方向では10cm、縦方向では15cm、で留めた。横方向はケーブルの重みではがれやすいと考えたため狭くした。

ホッチキスは180度開く製品でないとフィルムを張ることができない。今回はマックス社HD-10Dを使った。

守るべき資産は何か

壁に貼られている壁紙である。

その資産はどのようなリスクにさらされているか

ケーブルモールに元々張ってある両面テープは粘着力が強力でケーブルモールをはがすときに接地面の壁紙ごとはがしてしまう。壁紙が不均一にはがれることで景観を損ね、壁の土台である石膏ボードを外気に晒すことになる。

壁紙の張り替えは高額な費用が必要になるため、出来る限り損傷させたくない。

対策によって、リスクはどれだけ低下するか

粘着剤が壁紙につかないから壁紙がはがれるリスクが無くなる。

この設置方法では針によって壁紙に小さな穴が開くが、遠目には分かりにくい大きさであり補修材によってさらに目立たなくすることができる。

対策によって、どのようなリスクがもたらされるか

PPクラフトフィルムごとケーブルモールが脱落するリスクがある。両面テープはケーブルモールの底面全域で張り付くが、今回の方法ではホッチキス針の部分だけが壁に固定される。針の数が不足すればケーブルモールを支えきれなくなる。

対策にはどれほどのコストと、どのようなトレードオフが付随するか

追加の部材として、PPクラフトフィルムが400円弱、ステンレス製のホッチキス針が200円かかる。

この方法ではケーブルモールのふたを開ける時に剥がれないように慎重にふたを開ける工夫が必要になる。しかし、剥がれたとしても再びPPクラフトフィルムを張りなおすこともでき、その際に壁紙の損傷は小さな穴だけで済む。

壁紙の張り替え費用と時間に比べれば、追加部材の費用と工作時間は少なく済む。