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心の風邪にご注意を。

どうやら夫婦揃って心の風邪を引いたようです。更年期っていうのもあるのか…。この数年何となくおかしかったのですけどね。仕事場も一緒、家でも一緒、ずっとずっと一緒という環境の中で、まず私が仕事上の人間関係云々からのストレスで心の風邪をひいてしまった所から始まりました。それがどんどん悪化して、終いにはほぼ勝手に会社を辞めてしまった訳で。そんな私と寝食&職を共にしている旦那さんも遂に壊れてしまったようです。夫婦揃ってとは…本当にトホホだわ。

その後私はだんだん回復し始めたようで、やっと一つの考えを最後までまとめられるようになって来ました(笑)そんな時はマーフィー(*1)の悪戯心に火が着くのか、私の経験ではほぼ確実に、またチャレンジが必要な出来事が起こるものです(笑)

(*1 「マーフィーの法則」のマーフィー。"If anything can go wrong, it will."「失敗する可能性のあるものは、失敗する。」に代表されるような「経験則」を例えたある意味ジョーク。でもマーフィーを馬鹿にすると大変な事が起こるものです…特に飲食業。なので、うちには「マーフィー」という呼び名がついたオモチャやフィギュア、ビール…などなど、マーフィーをお祀りする神棚があります。(笑←本当に)

この所、旦那さんの心身状態は最悪で、彼の場合はだんだん悪化する若い頃に負った身体の傷と、中年クライシスも加わって重症。それに、男性と女性の症状の出方の違いなんかもあって、正直驚くことの連続でした。人間、精神的にネガティブになると、本当に自律神経失調症になったり、副腎疲労を起こしたり、身体の状態が悪くなるんですよね。彼の気が少しでも休まるようにと、一緒にいる時間の考え方を変えたり。本当にこの3年程は色々な事がありました。(いや、結婚して今年で16年。本当にいろんな事があったな。)今回の事に関しては、落ち着いて考えれば、ストレスでガチコチになっていく私を側でずっと見ていた彼は大変だっただろうと容易に想像は点くのですが…。自分の具合が悪くてもね、本当は感じるべきだったなと反省しています。

最悪ですね。私が原因なので、自分でいうのもどうかとは思いますが。そして旦那さんと私は二人でこのビジネスをはじめましたが、ちょっと治りかけの風邪っぴきと、現在絶不調の風邪っぴきは、いろんな所で衝突をして。来週は私一人で厨房かな…と生産計画書とビジネスプランを書き直して、腹を括っています。笑っている場合じゃないけど、まぁどうにかなりますし、どうにかします! 配偶者やリビング・パートナーの方と一緒にビジネスをするというのは大変なものです…はい。彼にとっても私にとっても何が一番いい方法なのかはわかりませんが、そう言っても縁あって結婚したパートナーですし、何と言ってももう15年以上も家族をしているので、ギクシャクしながらも私たちは人生に立ち向かっていくのでしょうけど。とにかく旦那さんにはいつも楽しそうに自分の好きなことを一生懸命していて欲しいと思っています。

なぜそんな事になってしまったのかー。どんなに考えても結局は人間関係や性格の不一致が本当の原因ではないのです。旦那さんにしても、仕事上で私が感じたストレスの要因の一つであった人たちも。悪い人たちではなかったし。仕事の問題がなければ、普通に友人になれるような価値観を持った人達だったし。問題の本質は…私たちの場合、全て私たちの住む地域の食システムが酷く崩壊してしまっているから…かも知れません。理想を追求しようとすると、お金も手間もかかるのです。だから凝り性で理想を追ってしまう私と、現実を見ている人達の間でギャップがうまれるのか…な。私たちが「普通」だと思っている農産物の価格は政府の補助金で賄われている場合もあるので、補助金制度が適応されるほど大規模ではない農家さんが提示している価格と比べるのは意味があるのか?という見方もある訳で。

https://economix.blogs.nytimes.com/2010/03/09/why-a-big-mac-costs-less-than-a-salad/  Physicians Committee for Responsible Medicineが作成した農産物の助成金と、私たちの身体に必要な栄養素を比較した図。「なぜサラダはビックマックより高価なのか」

リビング・ウェイジという言う言葉を昨今よく耳にしますが、私たちの会社では最低賃金は16ドル。ワシントン州のミニマム・ウェイジ(法的最低賃金)は12ドル、シアトル市は15ドルですが、サービス業で、チップという収入が追加される場合がほとんどです。もしくは、大規模農場の場合、不法移民など非正規ワーカーを使ったり。(労災とか失業保険とか税金とか払わなくていいからね。)サービス残業に耐えてくれるような”傷”をスネに持っている人達だったり。当社はサービス業ではないので16ドル。本当はもっと上げたいのですけど。生産者のみなさんにディスカウントをお願いして、負担をかけては本末転倒。ほとんどの農産物は手作業で草むしりや収穫作業をしているので、いくら個人消費より大量購入するから販売手数料の部分をディスカウントしてもらっても、手作業の分の手間も人件費は変わらない訳で。食材を作ってくださる生産者の方々、そして私たちのように地元の食材を使った美味しくて安全な食品をみなさんに食べてもらいたい!と思っている加工業者の従業員たちが、この地域で贅沢はしなくとも「きちんと」生活出来る賃金を加算すると、うちの会社の商品は正直割高になってしまいます。でも販売価格は出来るだけ抑えたいのです。なので申し訳ないのだけれど、ウチのスタッフには低賃金でも信念のために頑張ってもらっています。その代わり、インセンティブとして残った食材を持って行ってもらったり、お腹を空かせている若者は、ご飯を食べてもらったり。もう少し量が出回るようになったら、加工機などの設備投資をしたいとは思っていますが、今はまだ夢のまた夢。なので、せいぜい私が体も心も元気で、コンスタントに、スピーディーに生産出来るようにしなくては。材料費は出来るだけ削りたくないので、削れるのは人件費(人を雇う代わりに自分でやる!)と利益の部分のみだから。

どうしてもこれがビジネスとして成立しないとは思いたくないのです。高品質で、美味しくて、安全で、体にもよくて、自然環境や労働環境にも配慮をした商品は、ほんの一部の人たちしか口にする事が出来ないなんて。みなさんが少しでも「サステイナブルに暮らしたい」と思う気持ちをサポートするための商品が贅沢品や嗜好品でしかないなんて。

写真はウチの昨夜の夕飯。昨日は日曜日で全く料理をする気が起きなかったので、冷蔵庫にあったものばかりでSmörgåsbord (色々な料理が並ぶ北欧料理)実はLocal Food Works (自社)製品もこのお皿の上で活躍しています。春キャベツが出回ってザワークラウトを作るまでの繋ぎ商品の一つとして開発した「モロッコ風ニンジンピクルス」は細かくシュレッドしたニンジンと、塩とスパイスを混ぜて、乳酸発酵させてあります。またLocal Food Worksでは月替わりでGiardiniera(ガーデンピクルス=野菜の酢漬け)を販売していますが、このピクルスも優れもの。刻んでチキンサラダの具材や味のアクセントにしたりも。実はこのチキンサラダもストーリーがあって、先週、友人シェフのキッチンで、ラーメン作りのクラスを教えた時に、いつもは鶏ガラで取るスープを丸鷄にしてみたのです。スープはもちろん最高!そして出汁を取った後のチキンは、サラダになりました。旨味が抜けてしまった分はピクルスで酸味を足したり、塩麹で旨味や甘みを調節したり、スパイスを加えてみたり、歯ごたえは刻みナッツを加えたり。せっかくオーガニックのチキンを買っているのですから、無駄にするわけには行きません!!新商品として販売を開始したばかりのシーザーとバターミルク・ランチのサラダドレッシングを脇に添えてみました。今日は市販のフムスを使いましたが、タヒニ(練りゴマ)の代わりに地元産のかぼちゃのタネを使ったLocal Food Worksのフムスをいつもは食べています。今のシーズンは、ゆっくりコンフィした(低温の油で素揚げ調理する)葉にんにくが入ったフムスが美味です。

余談ですが、長くなったな…と思いながら、自分の書いた事を読み返すと、なんて「…」が多いのか。「…」を多様する人は、「…」に込める想いが強すぎ+言語化が下手で、メンヘラ傾向にあると、どこかのサイトに書いてありました。読んで一人大爆笑。私は確実にメンヘラだわ…(あっ。)「…」に込める想いが強いのは、食システムの問題点などを考えすぎてしまって、インプットにアウトプットが追いついていないからかな…と思ったり。だんだん言いたい事を整理して、ビジネスパートナー達にも、お客様にもきちんとお伝えできるように頑張ります。細菌、酵母、カビ、草木、農作物、娘犬・シャー、友人、同僚、生産者の方々、お客様、そして家族…。全ての生きて呼吸しているとの人や自然、生物との共生を大事にして日々を暮らして行きたいと思っています。それにも心の風邪は大敵。生活習慣の改善と時間の有効活用。悩んだり、やる気が出ないときはまず掃除して体を動かしてセロトニンを活性化。みなさんも幸せホルモン・セロトニン、たくさん分泌されますように(笑)

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