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中公新書『就職氷河期世代』が出ます

書店に並ぶのは10/21ごろみたいです。

というわけで、その宣伝&関連する論文やコラムなどの紹介をしたいと思います!

本の話

目新しい指摘は

詳しい内容は冒頭にリンクを貼った出版社サイトの目次をみていただくとして、とりあえず類書にない目新しい指摘は

  • 2000年代半ばの「回復期」に卒業した世代は全然「回復」してなくてむしろ「就職氷河期」の最初のほうがマシだった(第1章・第4章)

  • 氷河期どん底世代は実は団塊ジュニア世代より子供を多く生んでいた!(第2章)

の2点だと著者は思ってます。

あと、これはすでに他の人たちもさんざん指摘していることですが、やっぱり不安定雇用・低い収入のまま中高年に達した人が一定数いて、社会から孤立している無業者も若い世代ほど増えていて、すでにやばいけどこれ以上放置したらさらにやばいですよ、ということも改めて統計データに基づいて指摘しています。

データで裏を取ることにこだわりました

なるべく主観を排してデータに基づいて語るよう心がけました。

結果、良くも悪くも「研究者が書いた本」っぽくなってしまったかもしれません。我ながら新書なのにグラフ多すぎなのですが、これでも初稿から半分くらいに絞ったのです…

文章も担当編集者のフィードバックのおかげで初稿よりはだいぶマシになってると思います。本一冊分の文章は初めて書いたのですが、プロのフィードバックってすごいですね。

関連する論文やコラム

買う前にこいつの文章どんな感じか見てみたい、という方は下記のうちノンテクニカルサマリーと日経新聞のコラムを読んでいただければ。
同業の方はぜひ論文もご覧いただけると幸いです。

第1章 労働市場における立ち位置 関連論文

第1章の内容の半分くらいは下記の論文に基づいています。

Ayako Kondo, Scars of the job market “ice-age”, Social Science Japan Journal, Volume 27, Issue 2, Summer 2024, Pages 133–148, https://doi.org/10.1093/ssjj/jyae008
ディスカッションペーパー版の日本語ノンテクニカルサマリー

第2章 氷河期世代の家族形成 関連論文

第2章で出てくる出生数などの図は下記のDPから。第3章にも若干関連してます。

Subtle Completed Fertility Recovery in Cohorts Who Entered the Labor Market during the Deep Recession in Japan RIETI Discussion Paper 24-E-063
日本語ノンテクニカルサマリー

第4章+終章の内容に近いコラム

第5章の補足DP

近藤絢子「就職氷河期の影響の地域差と18 歳時点での地域間移動 」ISS Discussion Paper Series J-251

こちらは上の2つの論文と違い、学術論文として査読誌に出すつもりはなくて、一般読者向けでない推計方法などの詳細についてどこかに記録しておこうとおもってDPにまとめたものです。

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