読書メモ 競争しない競争戦略

とても整理・体系化されているので、目次だけ見ても概要はつかめるほどでした。でも、事例が豊富に掲載されているので本文もちゃんと読んで損はしないと思います。

以下、本文の要約。

競争はメリットもある(企業にとっては能力向上・組織活性化、ユーザーにとっては価格低下 等)けど、デメリットもある(必要以上の価格下落、組織疲弊)ので、リーダー企業でない場合には競争しない戦略を考えるべき。

競争しない戦略は3つに分けられる。
・他社と住み分ける=①ニッチ戦略、②不協和戦略
・共生する=③協調戦略

①ニッチ戦略:
質のニッチ(技術、チャネル等)と、量のニッチ(空間限定、時間限定、残存利益狙いなど)がある。
ニッチ戦略は、リーダー企業が参入できない/したくないと思わせることが重要なので、急速に市場を立ち上げたり、市場規模をあまりに大きくすると失敗する点には注意が必要。

②不協和戦略:
リーダー企業が同質化できない/したくないように攻める戦略。リーダー企業の強みを弱みに変える発想。例えば、豊富な営業人員が強みのリーダー企業に対して、ネットの非対面販売をしかける 等。
(本書の中では企業資産の負債化、市場資産の負債化、論理の自縛化、共食い化の4分類に整理されています)

③協調戦略:
バリューチェーンへの機能の組み込み方と、バリューチェーンに機能を追加するか、機能を代替するか、の2軸で4つに分類できる。とるべき戦略は、自社にバリューチェーンの機能がそろっているかどうか、自社のコア・コンピタンスは何か、等によって異なる。


とても整理されているので、読みやすく、さらっと読んでわかった気になってしまいそうになりますが、大事なのは読んだ後で、自分の商売にどう生かせるのか考えることだと思います。

本書は数社の事例を集めてきて後付けで理論をつけたというものではなく、事例をたくさん集めてそれを分類・体系化したという印象があり、たくさんの企業の事例が収録されているので、自社のことを考えるヒントもたくさんある良書であると感じました。

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