わたしの好きな音楽


大滝詠一 幸せな結末

数ある名曲の中からこの曲を選んだのは、大滝の中でシングル売り上げNo.1でありながら、日本ポップスの歴史的な文脈ではあまり取り上げられないと思うから。
いい曲なのは間違いないが、あまり分かりやすい特徴はない。
しかしそれがゆえに所謂スルメである。聴いてみて欲しい。めちゃくちゃいい曲だから。完全に大滝サウンドだけど、クレジットをみると編曲は井上鑑なんですよね。


Morton Feldman Three Voices

静謐な作風で知られるアメリカの現代音楽作曲家Morton Feldman
時間軸を引き延ばしたかの様な遅いテンポ感が特徴だが、楽譜をみると、むちゃくちゃ複雑な譜割りで、音数が少なく長時間ずっと同じ雰囲気が続いても、飽きずに聴いていれる様に常に微妙に変化させているんだと感じた。
Three Voicesを選んだのは、素材が3つの声ということで、シンプルで構造が見えやすいから。よくこんな美しいパターンが作れるものだなと、聴いていてため息がでる。

桜井順 RICHO 電子リコピーのCM曲

桜井順は富士フィルム「お正月を写そう」などを代表とするCM音楽を数多く手がけた作曲家。野坂昭如が歌う「黒の舟唄」の作曲などでも知られる。
以下のリンクで聴ける電子リコピーはおそらく60年代の作品で、ボサノバ調のサウンドにコーラスがのるが、コピー機の型番を歌っていたりして、それがえもいわれぬラウンジ感を醸し出しているのがたまらない。60年代和物好きにも刺さると思います。
スマホでご覧の方はリンク先にジャンプし左上にあるCDジャケの画像を押すと再生されます。

https://www.jetsetrecords.net/player/play/?item=208023&start=11

コーネリアス 太陽は僕の敵

期待に胸を膨らませた初めての一人暮らし。
しかし現実は生活費のためにバイト三昧。繁忙期だったのもあって朝から勤務し帰りは21時。
「街に明かりが昇る頃に僕は眠るのだろう
Ah 僕らの馬鹿らしい話 朝まで続くはずさ」
と歌うが、自分も夜更かししてだべったりしたいなーと思いつつこの曲を口ずさみながらバイト先から家までの道を自転車で走ったのもいい思い出。


美空ひばり 東京キッド

自分にとっては昔の曲すぎて語る語彙をあまり持ってないのだが、ノイズまみれの録音から立ち上がる類い稀な歌声と曲の歌詞が戦後の復興期の雰囲気をありありと感じせ、なんか泣けてくるのである。

Elvis Presley Blue Suede shoes

ロカビリーとかロックンロールとか完全に門外漢なのだが、教養としてみたいなお勉強的にCDを買ってみたところ思いの外よかった。
改めて聴き直したところ、やはりめちゃくちゃかっこいい。50年代の音楽とか全然詳しくないのだが、50年代のギターの録音とかに聴かれるショートディレイみたいなサウンドが凄い好きだ。

The Nice   Little Arabella

The NiceはEmerson,Lake&PalmerのキースエマーソンがEL&Pの前にやっていたバンド。EL&Pはご存知のとおりクラシックとロックを融合した大仰な楽曲が印象的なプログレバンドとして有名だ。The Niceにもクラシックとロックを融合した曲はあるが、加えてSwinging Londonな雰囲気も漂う。この曲はキースエマーソンらしからぬ(あくまでパブリックイメージです!)ジャジーでグルーヴィーなハモンドオルガンのプレイが聴ける。


Phillip Glass   Glass Works

今でもこのカテゴライズが通用するのかは知らないが、ミニマルミュージックといえば、ライヒ、グラス、ライリー、ヤングという共通認識のようなものがあると思う。その中で、ドラッギーな作家といえば、ライリー、ヤングということで異論はないはず。ライリーのRainbow in the curved airなんてタイトルからしてまんまだし、自分は詳しくは分からないが、音の方もサイケデリック体験をかなり忠実に音像化していると思われる。
アティチュードにおいては、ライリー、ヤングがドラッギーということで決まりだが、音そのものの効果としてはある側面ではグラスが一番サイケデリックといえるかもしれない。以下のYouTube動画を聴いていただきたいのだが(該当の曲がはじまる6:24からのリンクを付けてます)、フルート、サックス、ホルンなどの木管、金管楽器が粒子のように宙を飛び交い、幾重にも干渉しあう縞模様のモアレが見えてこないだろうか。詳しくは分からないが、サイケデリック体験そのものの音像化としてはおそらくはトップレベルであると思われる。シンセも使っているようだが、オーケストラ楽器を使って、サイケデリックな効果を加えているのが独創的だ。本人はどういうつもりかは知らないが、水晶を通して光のスペクトルが分かれているジャケをみてもあながち私の邪推はまちがっていない気がするんですよね。こういうことはインタビューとかで言及されているのかもしれないが、そういうのは読んでいません。

THE MILLENNIUM   There Is Nothing More To Say

この曲は圧倒的によすぎて私もこれ以上何か言うことはない。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?