コワレナイタメニ
※急遽、番組の変更をお知らせします※
この記事は「体験型イベント Advent Calendar 2016」の12月17日分として記載しています。
http://www.adventar.org/calendars/1827
気づいた方もおられるかもしれませんが当初「謎解きイベントは本当に「リピートできない」のか」というタイトルで登録していました。が、直前に変更しました。単純に書いててあまり面白くないなーというのと、ルールとかマナーとかそのへんに関わる話で、その辺りがここ数日偶々話題になってて過敏になってる人もいそうなのでちょっとテーマを変えて、少しでも身になる話にしようというのが理由です。
ちなみに「謎解きイベントは本当に「リピートできない」のか」については調査の結果と個人的な思いだけ↓に。気が向いたらお読みください。
https://note.mu/akkycom/n/n1db3cdba3b62
本題に進みます。が、その前に自己紹介を少し。
私、バス謎制作連合という謎制作団体の代表をしております。
もともとは持ち帰り謎やカフェ謎をメインに活動していましたが、いろいろな運や縁に恵まれて現在は企業依頼を中心に活動しています。
現在稼働しているのは、
「ジョーカー博士と浄化の秘石」(なぞともカフェ渋谷)
「あの日の約束」(自由が丘なぞともカフェ)
「リアルデスゲーム」(スマホアプリ)
「夜间博物馆的秘密聚会!」(謎友亭杭州星光大道店)
などがあります。上記を含めなぞともカフェさんのキューブを何度か作らせていただいてますが、キューブを制作するうえで問題になるのが「強度」です。
キューブというのは若干特殊なコンテンツで、制限時間765秒で小部屋で謎解きをします。特徴的なのはゲーム中、スタッフの付き添いはなく、プレイヤーのみになります。また、聞いたことがある方もいるかもしれませんがキューブは原則90日稼働しますので、1000人とか、場合によってはもっと多くのプレイヤーが挑戦します。
1000人以上のプレイヤーが、スタッフの目の届かないところで挑戦するので、備品などが壊れてしまうことがあります。場合によっては、結構な頻度で壊れます。
そんな中で壊されにくいように個人的に意識していることを書いていきます。あくまで個人的意見ですが、制作する上での参考にしたり、「へー、制作者ってこんなことも考えてるんだ」って思っていただけると幸いです。
個人的に意識してるのは「認識のコントロール」です。人は無意識の部分も含めて、いろいろな認識を持っています。そのコントロールを誤ると、備品が壊されやすくなると個人的には思っています。
例えば、かべに貼ってあるパネルをいきなり剥がそうとする人ってあまりいないと思います。
謎解きイベントの場合、事前にアナウンスが入るから、というのもありますが、多くの人にとって
壁に貼られた物=剥がす物(剥がしていい物)
という認識が無いからだと思います。それはちっちゃいころに剥がそうとして怒られたり、公共の場にあるものでは物理的にもなかなか剥がせないようになっていたり。そうしたことの積み重ねで「剥がす物(剥がしていい物)」と認識しにくくなっているように思います。
ではどういうときに剥がされるのか?
例えば謎解き序盤で「バナナの裏」という指示を出して、バナナの絵が描かれた問題パネルの裏にヒントが書かれた謎を出したとします。
この段階で、プレイヤーの認識として「壁に貼られたパネル」は「剥がさない物」から「剥がすかもしれない物」に変わります。
そうすると、終盤で詰まった時に「もしかしたら他のパネルも『バナナのパネルと同じように』剥がせるんじゃないか」と思う人も出てくるでしょう。
そんな感じで、不幸が生まれる度がちょっと上がります。
そこから更に。バナナと同じようにりんごの絵が描かれた問題パネルがあったとします。
そうすると、「『バナナと同じ』果物のパネルだ!」と思う人もいるでしょう。不幸が生まれる度はまたちょっと上がります。
更に。剥がせるバナナのパネルが簡単にはがせるようになっていればいいですが、強めに固定していたとします。具体的には、「ぐっ」と少し力を入れないと外せない程度に。
同じようにりんごのパネルに手をかけた人は「『バナナと同じように』ぐっと力をいれる」可能性は高くなります。
こうしたことの積み重ねで多分多くの不幸は生まれる気がします。
それを避けるには?「バナナと同じ」というキーワードが何度か出てきましたが、その逆をやっていけばいいと思います。
例えば。
壁にはると同じと思われるなら、バナナのパネルだけは壁ではなくテーブルに貼るとか。
果物の絵が同じと思われるなら、バナナ以外は絵のパネルは使わないとか。りんごは壁に直接書くとか。
がっちり固定するのが同じなら、バナナのパネルは剥がしやすく弱い接着にするとか。よく見ればわかる、ちょっとした持ち手をつけるとか。
そうやって、「バナナとこれは違うんだ」と認識させていくことが重要に思います。
上記のように、特に「普段はやらないことをやらす」時は注意が必要です。もう一つ例をあげると、普通は動かさない、重たいたんすを動かすとヒントが出てくるようにしたとします。
その時点でプレイヤーの「家具」に対する認識は「動かせる物(動かしていい物)」に変わり、他の家具も何かの拍子に動かされる可能性が高くなります。それを防ぐには何らかの方法で、「たんす」と「他の家具」の認識を分ける必要があります。
ちなみに、これは自分のコンテンツ内だけにとどまりません。簡単に言うと「前参加した●●ではベッドひっくりかえしたらヒントが出てきたから、このベッドもひっくりかえせるんじゃないか」とかです。
余談ですが、謎解きイベントではこの「認識のコントロール」は逆の方法でよく使われると思っています。先ほどの「(剥がさないと思っていた)壁のパネルがはがされないようになっている」とか「(普通なら動かさない)家具を動かしたらヒントがある」とか、一般的な認識の裏をかく手法です。
ありがちで古典なのは、例えばドントタッチマークを窓際のカーテンのほとんどに貼っておく。そして、そのマークがあるものには触らないでとアナウンスします。そうすると大体の人は「カーテン=触ってはいけない物」と認識します。が、そのうち一か所のカーテンだけ、ドントタッチマークを張らずにおいて、それを開けるとヒントがあるとか。
最後に。そうした先人の知恵の積み重ねにより、謎解きイベントは「ダメって言われたこと以外はやってもいい」という認識を持たれている部分もあります。制作者の方、またこれから制作を目指される方は気を付けてください。がんばって作ったギミックや小道具が簡単に壊れないように。そして、あなた自身がコワレナイヨウニ。
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