「学校の先生」への思い

 まだ小学6年生の頃、図書室で自分がやってみたい仕事について調べる機会があった。自分の将来の夢。
 それまで将来について本気で考えたことはなく、特にスポーツをしてるわけでもなく、特別な趣味も特技ない。だからやりたい職業と言っても正直ピンと来ない。自分の父は、当時、会社勤めのサラリーマンだったけど、何をしているのかは知らないから、父のように…のような考えもなかった。
 そんな自分にとって身近な職業の中に、「学校の先生」があった。当時の担任の先生は、自分はそんなに怒られたことはなかったけど、怒ると怖いイメージ。嫌いな先生じゃなかったけど、怒る先生を見て「自分だったらこうする」のにって、先生の立場から考えていた記憶がある。
 そんなこともあり、将来の夢は「学校の先生」ってことにした。
 ちなみに、父親が市役所に勤める友達は「公務員」って書いてた。コウムインってなに?って聞いて、市役所で仕事してる人だよって教えてもらって、ああそれもいいなって思ったので、卒業文集の将来の夢の欄に「学校の先生か公務員」って書いたのをはっきり覚えている。
 それから12年後、「学校の先生か公務員」を選択する時を迎える。教員という職業を知るにつれ、自分に教員ができるのかと不安、親の希望も考慮して今の職業へ。教員になるためにご指導いただいた大学の恩師に、自分の選択を伝えたその時、恩師からいただいた言葉「あなたは行政の側から教育に関わっていきなさい」
 「学校の先生」にならなかったことに正直、未練はある。でも、この恩師からいただいた言葉を大切に、今自分にやれることをやっている。やれているかなあ。やっていこう。元々、子どもが、学校が好きなのだから。

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