男子校のサキュバスの話

この秋のJ庭(創作ボーイズラブオンリーイベント)で男子校のサキュバスという漫画を出した。


黒江と真淵


どネタバレであり、この文を読む人は本編を読んだ前提で書いている。話を考える時に何考えたかとか本編に入れられなかった設定をワーッと話しているだけです。長文になった。私はインターネットで喋るのが大好き。

読んでなかったらよかったら読んでクレメンス

J庭に出よう。人外にしてみよう。というノリで申し込み、人外か〜。J庭だし、エッチな𝑩𝑶𝒀𝑺 𝑳𝑶𝑽𝑬描きて〜よな。サキュバスとか、どうかな。サキュバスがどこにいたらいいかな?男子校にいたら、いっぱいつまみ食いできそうだよな〜。という発想で始まった。軽いノリで、バカエロにするつもりのスタートだった。そんなバカな……眠くなる授業があってみんな寝てて、そこでみんなの夢を食ってて……っていうのは結構早い段階で思い付いていた。本編に入れられなかったが、男子たちはみんなうっすらと、なんか真淵のエッチな夢を見た気がする。という程度に覚えており、ちょっとよそよそしかったりする。だから友達がいない。霊感の強いような子なんかがいたら、気付くかもしれない。これまた本編に入れられなかったが、このみんな寝てる授業の直後、股間をおさえてトイレに向かう男子がたまにいる。ちなみにみんな寝てる授業ってのは、自分が高校の時鬱病になり勉強を諦め地理の時間にめちゃめちゃ寝てて0点を取りまくっていた思い出からの発想だった。地理はみんな寝ていた。あと、エッチなイメージばかりが先行しがちであるが、夢魔であるとされるサキュバスに不眠症をぶつけるのはどうかな?という思い付きと、人を殺してしまう夢というのは、私がたまに見る悪夢であり、この人を殺してしまってどうしようの夢を見るとマジでメチャクチャ気分最悪で寝起きしばらく本当に夢だったよな?となる、夢でよかった〜ホッとした〜よりも嫌が勝る、本当に嫌だ……(人を殺す事自体への罪悪感もあるが、悪い事をしたくないという強めの思いがある)ということで、嫌な夢見るから寝たくないってのも、アリかもなあ〜と思い、この設定にした。殺すなら動機が欲しく(自分の夢は殺す相手もまちまちで特に殺しに意味がないが……)、せっかくJ庭なんだから幼少期に男にレイプされていたトラウマとかにしよーっと。レイプ犯をブチ殺すぞ!と思い、どこでレイプをするか。顔見知りの犯行のほうがより苦しみが増すよね。殺したくなるほどの苦しみが欲しい。と考えた時に、発見されにくい場所として、山奥の畑が浮かんだ。私の地元はかなり田舎で、車で走っていると、こんな山だらけだと死体を隠しても見つからんだろうとよく思うし、そんな山の中にパッと開けて畑があったりする。民家も遠く、車がないと行けず、人が来ない。祖母には悪いがイメージしたのは祖母の畑だった。こいつらも田舎の子なのかもしれんね。わからん、お盆とかかもしれん。黒江には子供の頃と同じ人物であることをわかりやすくするためにホクロをつけた。ホクロとメガネの効果で洗練されていない男子感が出てよかった。どちらかひとつではちょっとスタイリッシュさが出てしまっていたと思う。メガネを取ると目がシュッとしててかっこいいね。なんでメガネにしたんだったかな……それまで天真爛漫だったけどレイプを機に内向的になった可能性が高いと思い、なるべく陰キャに見えるようにしたかったのかな。黒江のおじは、黒江をレイプした罪悪感で自殺したということにしたが、レイプされた幼少の黒江が抵抗する中で殺してしまったという展開も考え、しかし、ちょっとそれは大事になりすぎるよな……となり前者を採用した。もっと内に秘めたもんであってほしかった。レイプされたあと、バレずに帰宅して、親とかもなんにも知らなくて、黒江とおじだけがなんかギクシャクし、黒江以外はなんでおじが自殺したかもわかんないというイメージだった。完全に衝動的な行為であり、自殺するくらい罪悪感を持ってしまう。それまではウキウキで一緒に畑に行っちゃうようないい関係だったんだから、あんまり悪いヤツにするのも話がややこしくなるだけかなーってのもある。話を考える段階で採用されなかった考えは、話がややこしくなるから却下にした。一番ややこしくないルートを選んだと思うが、それでも結局シンプルと言える話ではない気がする……黒江は本当はおじが好きで、レイプされて嬉しかったが自殺してしまったとかどうだろう?とか、真淵がおじを撲殺したあと黒江がメチャクチャ興奮してしまっていて泣きながらセックスするとか?とか色々考えたが、全て話がややこしくなるから却下とした。情けないが時間がない。し、撲殺(サビ)のあとにもうひと盛り上がり入れるのもな……という打算でもあった。この撲殺の後が一番最後まで決まらなかった。漫画を描くと毎回このような最後まで残るゾーンが発生する。苦しい。ギリギリまで考え時間がなくて作画コストをかけれず潰れたトマトを描いたらいい感じになった。潰れたトマトは頭が潰れて死んだゾイ!という象徴としてどこかに入れたかったのはある。うまくはまったなあと思った記憶がある。目覚めたあとに真淵がマジの人外バケモンになって黒江をマジで食い殺してしまうエンド(愛か?愛とかないかも)も考えたが、授業中に寝てる黒江の図が浮かんでいたのでそれでシメたかった。真淵のバケモン形態はマジで怖くしたくて結構考えてあったが、全然出せなかった。真淵は、一見普通だけど不気味なポイントが欲しく、毛先を描かない、眉を描かない、耳を描かない、瞳孔はヤギというポイントがあった。ペーパーにした落書き(ラーメン食ってるやつ)では毛先を描いてしまったが……どういう存在なんでしょうね。戸籍ある?あんまり怖いところが出せなかったな。人外だから人間と倫理観とか違うとことかもっと不気味に出したかった。とにかくセックスがうまくて(サキュバスだから)フェラもうまくて(サキュバスだから)男子高校生などイチコロで、クラスのみんなのこと何とも思ってない。人間のことはよく知ってて、よそよそしくされてるのもわかっていて、うまい距離感を保っている。成績も適度。身長が高くて185cmくらいあって、黒江は平均くらい、173cmとか、とにかく普通で目立たない。でも真淵には気になる存在だった。寝ないから一点で。別に食べなくてもよかったけど単なる興味でちょっかいを出した。真淵、いいやつっぽくなってしまったが、マジで何とも思ってない。でも珍しく自分から興味持って食べさせてくれたから黒江のことちょっと気に入ったかも?一方真淵は童貞をメチャクチャセックスうまいやつに食われてメチャクチャ意識するだろうな……真淵の身長が高いのは女形態だとおっぱいがでっかくなる分のイメージ、ちんちんもでかい。でも、ザーメンと精力欲しさに動いているのでサキュバスとした。私はサキュバスに詳しくない。こだわりもない。申し訳ありません。サキュバスの代名詞的な、露出の多いボンテージ衣装も描けなくて残念とは全然思っておらず……単にそういう習性のある人外として扱わせてもらった。なんか描けてないこといっぱいあるなー。全然流れに任せて描いた気がしていたけど、こうして思い出を列挙すると、色々考えて描いてるんだなあと思った。

追記:描いてる途中でCLAMP展に行き、大変感銘を受け、絶対に派手な見開きを入れたいよ!と、髪はどんだけ長くしてもいい!ってポイントをパクらせていただいた。普段から本棚から軽く参考になりそうな漫画を選んで読み返したりする程度のことはするが……これを目指したいという完成形があるほうが正解(そんなもんはないが)に近付けるのではないかと思っている。CLAMP先生は、子供の頃に馴染み深かった程度で最近全然読めてなくて、大人になって見るとあまりの超絶技巧に泡吹いて倒れた。CLAMP先生こそが、バケモンであった……

追記2:授業の内容は偽史と呼ばれるやつで、青森のキリストの墓とかあの辺のトンデモ話。これはずっとうっすらと興味がある。



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