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梅雨は完全に明けて、 祇園ばやしが聞こえてくる初夏。 僕は、中ぶらりんな精神状態で 訪問リハビリの仕事を続けていた。 多香美さんに話したように、 具体的な将来の目標ができた 僕だったが、 最初の一歩を踏み出せずにいた。 日崎さんのおかげで リハビリの価値を再確認し、 その支援者でありたいとは思った。 しかし同時に、 訪問リハビリの限界も感じた からこその目標だったのだが。 その頃の僕は、加茂さんの件で 自分をまだ許せずにいた。 それで