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関西→日本へ。新旧の混合。

株式会社オカムラさんが主催となり、大阪ガス エネルギー・文化研究所の池永寛明さんをゲストスピーカーとして行われた今回のイベント。
『関西・日本のこれからを読みとく』というタイトル通り、コロナ禍で大きく変わり、人々に不安が渦巻いている関西・日本のこれからについて様々な角度から読み解きました。
イベントの中で個人的に印象に残った以下の3つのテーマに沿ってレポートしていきたいと思います!

・ コロナ禍後はコロナ禍前に戻らない
・ 文化の本質は繰り返すこと
・ 藝は関西にある


" コロナ禍後はコロナ禍前に戻らない "

「禍」という言葉は「わざわい」とも読むことができます。一般的に見る漢字は「災」であり、これには元に戻せるという意味が含まれています。一方で、現在用いられている「禍」という文字には元には戻らないという意味があり、コロナ禍という言葉にはこの現状が収束しても元の世界には戻らないということを指しています。

そこで、私たちはコロナによって変化した社会や環境に対してこれから対応し続けていかなければならないということになります。
テレワークや、オンライン授業など新たな働き方や学び方へと移行が始まり、やっと定着してきたような気がしますが、それらは以前まで「絶対にムリといっていた」ことであり、コロナ禍で生まれたモノ・コト・サービスではありません。これまでに「出来ていた」が、取り組まなかった事柄ばかりなのです。

" 文化の本質は繰り返すこと "

日本は、物事の文脈や背景が忘れられ、過去と現在の結びつきが切れがちになっています。そもそもの本質が分からなくなることで、「機能不全」(=解決策が見つからない)が起こりやすくなっています。それは、「前提条件」が変わっていることに気づかない、見ないフリをしてきた日本の仕方のない結果なのです。
新しいことに目を向けてイノベーションを100%変えることが正しいとミスリードしてきた日本。しかし、過去の出来事や文化があるからこそ、その失敗や成功から学ぶべきことはたくさんあります。

過去のやり方を95%承継し、
新たなことを5%加える。
進化させ、洗練し、繰り返すことで変えていく。

これこそが 「これからの日本 」をつくる上で
重要になってくるにちがいありません。


" 藝は関西にある "

その繰り返し作業である過去と現在の文化を上手く組み合わせてきたのが関西です。
(ex. 歌舞伎 ⇔ アニメ:ワンピース)

関西はシルクロードの終着点として、東西南北のあらゆる文化の本質を読み解き、混じり合わせることで、ライフスタイル・ビジネススタイル・ソーシャルスタイルを洗練し、多様化しつづけてきました。

「関西プロトコル = 日本スタイル」を再構築・再起動させることが、これからの日本にとってコロナ禍後の社会を拓く道だと考えられます。

これまで、「情報は東京にしかない」「東京だから手に入る」という集中経済が確立され、都市がダメならば郊外に代替するというような二項対立の発想をしていた日本。しかし、このコロナ禍でオンラインでいつでもどこでも情報が得られるという認識が世間には生まれました。これからは集中か分散か、と考えるのではなく、「 これがあるから、ここがいい 」という「 」を作ることが大切になります。そのような場に関西はなれるはずであり、関西から日本を活気づけていけるにちがいありません。

以上が、イベントで読み解いた関西・日本のこれからについてです。

イベントの中でこのような言葉がありました。

未来現在 に埋め込まれている。
その 現在過去 に埋め込まれている。」

時代が変わるにつれて切り離して考えられている文化や歴史は実際どれも途切れてなんかなく、結びつきあっているということをこのイベントを通して認識できました。また、コロナ禍でマイナスな考えばかりが浮かびがちであるのに対して、実際は新たな気づきができ、日本や私たちにとってあらゆることに関する重要なコト・モノの本質を再確認できる機会になったのだと私は感じました。