早くスキルアップする方法:新卒へのアドバイス
33歳になり、大学を卒業してから10年ほど経った。仕事でも自分より若い人と関わる機会も増えた。大人になり、若い人から「(社会人歴が浅い私に)アドバイスをください」と言われるようにもなった。そして結構回答に困る。
ここに、なぜ困るかという話と、自分だったらどう答えるかと共に書き留めておきたいと思う。
僕は新しいことを学ぶのが好きなので、アドバイスするなら「どうやってスキルを早く習得するか」という観点でアドバイスができる。しかし、そもそも全員がスキルを早く習得したいと思っているわけでもないと思うので、自分のアドバイスを押し付けるのもなあ、と悩んでしまう。
次に、「スキルを早く習得する」というテーマでアドバイスするとしても、困ることがまだある。
なぜ困るかというと、ちょっとパワハラ的な回答になるからであるw。「まずは時間を注ぎ込め!」的な回答になるからです。時代錯誤に聞こえるかもしれません。そこで、誤解が生まれないよう、ちゃんとここに考えを書いておきます。
早くスキルアップしたいなら、「時間を費やす」がベースにあると考えています。これは言うは易く行うは難しだ。次に、大学受験を例にすると、努力している人にも2段階ある。まず①時間を費やせている人と費やせていない人がいて、次に②方法論が優れている人と優れていない人がいる。僕は①はクリアできたけど、②がダメで大学受験の第一志望に落ちましたw。
①時間を費やすことについて
語学学習でも、仕事でも、趣味にも言えるが、自由時間を使ってでも頑張りたいと思えるかは一つ重要なポイントだと思います。例えば、「英語を上達したい」とか「優秀な人事になりたい」という人がいたとします。その人が仕事を終えた後にYouTubeを3時間とか見ちゃって一切努力していない場合、そもそも「向上したい」が行動になっていないわけで、これで劇的に向上するはずがないわけです。
逆に、子育てで忙しいけど、隙間時間の30分を捻出してでも勉強している人もいます。そういう行動ができているかが重要です。
新卒で一人暮らししてる人だと、超頑張りたい人は朝2時間と夜2時間の計4時間ぐらいは時間を割けると思いますw
②方法論の良し悪しについて
時間を費やせている人は、後は方法論の世界です。どうすれば早く上達できるのか?
僕は2段階を意識しています。
1: 基礎知識をインプットする(20時間ー40時間ぐらい)
語学でも仕事でも何でもそうですが、ググって出てくる有名な本を5冊ー10冊買って、まず読む。
そうすれば、必要なことが大体書いてある。
2: Apprenticeship; 師弟関係の中で学ぶ(1年〜2年ぐらい)
次に、自分のロールモデルと思える人から、直接学ぶ。
表面だけじゃなくて、その人の行動パターンを学ぶのです。
何時に起きて、どういう生き方をして、どういう訓練をして、どう向上しているのかをコピーするように学びます。
本で伝達可能な形式知(言語化された知識)だけではなく、師弟関係(Apprenticeship)を通してしか学べない暗黙知(言語化されていない知識)も吸収するのです。
よく、「子育ては親の教育が大事」と言われるのと同じです。子供には親の暗黙的な行動パターンが伝承されるから、親から子供への影響が大きいのです。つまり、向上したいテーマで自分の「親」あるいはロールモデルを見つけるべきなのです。
ロールモデルを見つけたら、しつこく時間を共にして、しつこく質問します。自分が本気であるなら、弟子入りさせてもらえるはずですw。自分の中で「少し迷惑かな...」と思う場合は、まだ覚悟か準備が足りていないはずなので、本当にその道で良いのかを再考すると良い。あるいは、期間限定でちょっとお願いしてみるのも良いかもしれません。
Apprenticeshipについて、自分はどうだったか
自分は、大学の研究室の先生との間柄が最初の師弟関係だったと思います。
研究室の宣伝も兼ねて実名を出させていただくと、僕は慶應義塾大学の電子情報工学科(旧:電子工学科)の寺川研究室に所属していました。配属前の研究室説明会で、先生が「今から研究室の1期生を探している」とか「光の技術は今後世界を変える」とか「研究を通して、世界で通用する能力を身につけて欲しい」と話していました。私は生意気にも「University Politicsの中で生きてきた人間とは思えない、イキイキとした言葉を放つ異才がおるなw」と心躍り、寺川研に入りました。
先生は某有名な外資系の民間企業で勤めた経験もあり、教育だけでなく民間企業で必要とされるスキルも理解していました。つまりAcademicとCorporateの両方で活躍するための視点を持ち合わせていたのです。エリート感ありました笑。
先生はめちゃくちゃ頭がいいので、当時学生だった自分的にはついていくのは大変でしたw
社会人なら共感できると思うんですが、
・仕事のアウトプットイメージは?
・発表スライドは、骨子をWordで書いて、その後pptのアウトプットイメージを手書きで書いて、その後でスライドに起こすだけ
・期日は?無理だったら次どうするの?
・インパクトを出すためには、何が必要だと思う?
みたいな考え方は叩き込まれたし、
・バーバラミントの「考える技術、書く技術」とか、伊賀泰代の「採用基準」とか、社会人1年目が読んでおくべき本はたくさん教えてもらって読み込んだ。
22歳〜24歳という若い期間を、10歳年上のやる気のある優秀な先生の元で過ごせたからこそ、今の自分があると思っています。
まー大変だったけどw。
これに加えて、社会人1社目、2社目でも似たような経験が少なからずあります。通訳学校でも、先生方の思考回路から学ぼうと意識しています。
まあ何が言いたいかというと、向上したいなら
・まずちゃんと時間を作って努力する
・ロールモデルを見習って師弟関係の中で技を磨く
ことを繰り返すと良いと思う、ということです。
以上、「時間を費やせ」だと精神論っぽくなって、パワハラっぽくなってしまうからここに書き残すことにしました。
万人に当てはまるかは知らないけど。
余談
向上したい分野についての方法論をネットで探すと、いろいろ出てきます。情報オオスギィィ!!
そこで、自分が目指す分野で優れている人の中のうち、「上位1%」がやっているけど「そこそこの」の人がやっていないことに着目すると、もっとやるべきことがクリアになると思います。
例えば「語学学習」についてはノウハウ本がたくさんありますが、自分が頑張りたい分野(読み書き?スピーキング?)の中でTOP 1%水準の人の話を特に参考にすると良いと思います。
TOP 1%の定義は自分で考える必要があります。「早く習得した人」なのか、「最も低いTOEICの点数から満点をとった人」なのか、自分で考えて探すと良いと思います。
参考文献:似た様なことが書いてある本たち
以下2冊はたまに読み返しています。[1]は読みやすい。[2]はちょっと硬いので本文は読まずに目次だけ参考にするのがオススメw。
[1] Decoding Greatness: How the Best in the World Reverse Engineer Success (Ron Friedman)
※邦訳版
[2] The Concise Mastery (Robert Greene)
※邦訳版
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