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まさまささんへ。

というわけで、@まさまささんからご質問をいただきました。

こういう書簡的なやつ、うれしい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーQ1.ねぇ、長尾さん。長尾さんの仕事についてきかせてくれませんか?ファシリテーターをする前にどんな準備をして、当日どう過ごして、そこにはどんなスパイスが隠れていて…めっちゃ知りたいしやりたいのです。    
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①どんな準備をするか②当日どう過ごすか③どんなスパイスを隠しているかの3つにわけてみました。
先に端的に回答を。

①どんな準備をするか
→理想と現状の整理、理想と現状の定量的・定性的分析、問題・課題の再定義、議論設計、二次三次情報の収集、資料の作成、議事録の見直し、クライアント担当者との調整

②当日どう過ごすか
→特に何もしないです。そこにいて、時々問いかける程度。発言録や実施項目のメモもとるかな。

③どんなスパイスを隠しているか
→二項対立したら止揚(アウフヘーベン)できるように働きかける、意見の衝突や対立を歓迎する、磨かれた問いを用意する

次に僕の「仕事」について。

僕の仕事の8割は「エア社員」としての働きです。
残りの2割はいわゆる「研修」とか「講演」などのお仕事。

時間の多くを割いている「エア社員」の仕事は、目標がある(理想と現実にギャップがある)人が、ひとりではできないことを複数人巻き込みながらやりたいという欲求や希望があって、でも何から始めたりどう進めたりしたらいいかわからないときに僕に声をかけてくれることから始まります。

個人的であれ組織的であれ、「成し遂げたい何か」があるところに僕が行って、「成し遂げたい何か」のWhy/How/Whatを整理しながらフィードバックし続ける、というのが「エア社員」です。
よくわからないか、そうか。

例えば今日は、有限会社ズーティーに出社しています。
※職業倫理及び秘密保持契約上、クライアント先で何をしているか、という実例はまず話すことはないのですが、今回は事例紹介の許可をいただきました。
https://zootie.co.jp/

ズーティーのエア社員歴は6年です。月に2回、出社しています。「テンション高めの女子をつくる」のがこの会社(組織/チーム)の目的です。
そのために昨年度から「委員会活動」にチャレンジしています。
https://zootie.co.jp/committee/
社員全員が8つの「委員会」に所属し、部署を横断して1年間のプロジェクトに取り組むことで、
①実務にこだわらない部署横断的な人間関係をつくる
②その結果、部署と部署の「隙間・のりしろ・空白」を埋める
③これらを通して自立と協働を促す

というプロジェクトのファシリテーションをします。
もうひとつ、ズーティでいま取り組んでいることは、経営者といわゆるマネージメント層のスタッフたちとで、「評価制度」を作っています。
この「評価制度」は目標管理とも査定システムともちょっと違っている「評価制度」ですが、此処から先のことは内緒です。
ズーティのスタッフに「アキラって何してるの?」って訊ねたら、きっとこう答えると思います。
「アキラ、いつもなんにもしてくれないし、特になんにもしてない。」と。

さて、ズーティ以外にも「エア社員」として下記の「成し遂げたい何か」をファシリテーション(支援・促進)しています。
同時進行でただいま14のクライアントと仕事(プロジェクト)を進めています。
1.レースラフティングで世界一になる
2.次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する。
3.チアダンスで世界一になる
4.全人類を職人にする
5.きれいなあしをつくる
6.楽しく歩く人を増やす
7.わくわくする事業をつくる
8.フィットするくらしをつくる
9.心に届ける
10.FIT後に生き残る
11.北海道の自然の恵みがもたらす食材の可能性を、最大限に引き出す
12.誰もが、豊かに、そして幸せに生きることのできる世界をつくる
13.教育に関わる市民の自発的な社会活動を支援・促進し、
Well-Beingな(より良い)社会を形成すること
14.官民や地域の垣根を越え、被災地の創造的復興に知恵と力を出し合い、子どもたちの笑顔を取り戻す

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーQ2.グループからチームへの進化を、この構成員の進化を、どう測るの? 
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こんなスケール(基準)が頭の中に入ってます。タックマンモデルの解釈に加筆を加えたものです。(これそのものはタックマンモデルではありません)そしてもちろんこれがすべてではありませんが、「関係性の発達度合いを行動や言動から察することで測る」というのが答えです。

詳細版はこんな感じ。

個と集団の関係性がどのような発達段階にあるかで、どのように関わるかを探っていきます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーQ3.ファシリテーター(プロセス重視)の価値ってなんなの?
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僕はファシリテーター(支援・促進)は、最後にはその集団からいなくなる(必要がなくなる)ことが仕事のゴールかな、と思っています。

それまで支援・促進される立場だった人が、支援・促進する人と関わり何かを成し遂げることで、今度は支援・促進する人になる、ということ。

それまで「受ける」立場だった人が、そのプロセスを経ることによって「与える」立場に変わること。

教わっている人が教える人に変わる。
助けられていた人が助ける人に変わる。
励まされていた人が励ます人に変わる。
頼っていた人が頼られる人に変わる。
フォロワーだった人がリーダーに変わる。

お節介や過干渉ではなく「支援」をすることや、矯正や強制ではない「促進」をする人が世の中に増えていくといいなあと思っています。
「勝てば何でもいい」「儲かればやり方は問わない」「結果さえ出ればプロセスは問わない」という関わり方よりも、僕は「美しく勝つ」「楽しく儲ける」ということにこそ価値を感じます。

それでは最後に僕の信条(Manifesto)を付します。

 私は、あらゆる人達が豊かな関係を築き大きな価値をつくりだすこと、つまり「みんなで仲良く大儲け」できる世界を実現するために存在しています。
 私がサービスを提供する相手は、関係性の不安定さに不信を感じ、目標はわかっているのに達成できずに不満を感じている人々です。
 彼らはときに、自分のしたいことと周囲から求められることの不一致や、「こうしなければならない」という強固な価値観に自分たちが縛られてしまっていることに悩んでいます。それにより「どうせ自分たちには新しいことにはチャレンジできない、やったところでそんなことができるわけがない」と諦めや無常感、そして不安と不信を感じています。
 
 しかしもし、優れた「チーム」として皆で仲良く、豊かに成長できるとしたらどうでしょう?
 もし、組織のメンバーひとりひとりがそれぞれの強みと違いを活かし、大きな愛情と強い信頼のもとに協働を始めたら?

 チームワークをあきらめて組織を支配する「長」の言いなりになることや、「どうせやったって無駄、そんなことは自分には関係ない」とあきらめて、繋がりの可能性を自ら閉ざしたり、「結局あいつらなんて」と差別と偏見の眼差しで貶めるのではなく、かわりに自立と自律を目指した個人が協力し助け合い、そして困難や苦労を共に乗り越え望む世界を手に入れることができるとしたら?

 私が他の人と違うのは、常にFacilitative(支援的・促進的)で、よく考え、ユーモアを忘れず、楽しくて面白くて役に立つことを行動に移すことができるところです。
 私は挑戦することを歓迎し、失敗することを受容します。
 私はあらゆる人々が調和と繁栄のバランスを取りながら成長することを信じています。
 そして、愛ですべてを変えること(Love Changes Everything.)を約束します。





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