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災害支援ボランティアへの備え


ステップ1: 参加するボランティア組織を探す

1.1.組織選び
地域のニーズに応じた活動を行う組織を選びます。ネットやSNSを通じて情報を集め、信頼できる組織を選ぶことが大切です。 組織選びはボランティア活動の成否に直結するため、慎重に行う必要があります。

1.2.選択の基準となる具体的な指針
<活動実績>
長期間にわたって安定した活動をしている組織を選びます。過去のプロジェクトや成果についての情報を集め、その実績を確認します。
<地域との関係>
地域社会との連携を重視している組織は、地域の実情を理解し、効果的な支援が可能です。地域住民や自治体との関係性を見極めます。
<透明性>
財務状況や活動報告が公開されているかどうかを確認します。透明性が高い組織は信頼性が高い傾向にあります。
<活動方針>
組織のミッションやビジョン、活動方針が自分の価値観や目的と合っているかを考慮します。

1.3.避けるべき組織・団体の特徴
<情報の不透明性>
活動内容や財務状況が不明瞭な組織は避けます。透明性の欠如は不正の可能性を示唆することがあります。
<過度の勧誘や寄付圧力>
強引な勧誘や寄付の要求がある組織は注意が必要です。ボランティア活動とは別の目的がある可能性があります。
<評判や口コミの悪さ>
他のボランティアや地域住民からの評価が低い、あるいは悪評がある組織は避けるべきです。

1.4.信頼できるかどうかを判断するための基準
<公的機関との連携>

政府機関や地方自治体との連携を持っているかどうかを確認します。公的機関との関係は、その組織の信頼性を示す良い指標です。
<外部評価>
第三者機関による評価や認証を受けているかどうかを確認します。例えば、NPO法人の認定を受けている、国際的な基準に準拠している、など。
<過去の活動報告>
過去の活動報告や成果を詳細に確認し、具体的な成果や影響を評価します。
<ネットワークとの関係>
他の信頼できる団体や組織とのネットワークを持っているかどうかも重要です。広範なネットワークは、その組織が広く認知され、信頼されている証拠です。

1.5.登録とオリエンテーション
選んだ組織に事前登録をし、必要ならオリエンテーションや研修を受けます。活動内容、安全管理、地域の文化やルールについて学びます。

全社協 被災地支援・災害ボランティア情報
震災がつなぐ全国ネットワーク(震つな)
全国災害ボランティア支援団体ネットワーク

ステップ2: 必要な装備を整える

2.1.津波によるがれき、土砂の撤去に適した装備
作業服
厚手で耐久性のある作業着を選びます。津波によるがれきや土砂の作業では、擦れたり切れたりする可能性があるため、丈夫な素材が望ましいです。
安全靴
鋼製のつま先がついた安全靴を履きます。がれきや鋭利な物体から足を保護するために重要です。
手袋
厚手で耐切創性のある手袋を選びます。がれきやガラス片などを扱う際に手を保護します。
ヘルメット
落下物から頭部を保護するための安全ヘルメットが必要です。
防塵マスク
埃や小粒子から呼吸器を守るためのマスクを着用します。

2.2. 家屋倒壊によるがれき、砂礫の撤去に適した装備
■作業服

強度の高い作業服を選びます。家屋倒壊現場では、鋭いがれきによる損傷のリスクがあるため、耐久性に優れた服装が必要です。
安全靴
こちらも鋼製のつま先がついた安全靴が望ましいです。安定性と保護性を考慮して選びます。
手袋
厚手で耐久性のある手袋は必須です。特に握りやすさと耐切創性に優れたものを選びます。
ヘルメット
安全ヘルメットは、落下物から頭を守るために重要です。
防塵マスク
埃や粉塵から呼吸器を守るためのマスクが必要です。

2.3.避難所等での炊き出しや介護に適した装備
清潔な作業服
衛生的な状態を保つために、清潔で適切な作業服を用意します。
エプロン
炊き出しの際には、食品を扱うためのエプロンが必要です。
手袋
食品を扱う際や介護活動には、衛生的な使い捨て手袋が推奨されます。
マスク
食品を扱う際や介護活動において、衛生面を考慮してマスクの着用が望ましいです。
快適な靴
長時間の立ち仕事になるため、履き心地の良い靴を選びます。

ステップ3: 健康と安全の確保

3.1.健康チェック
出発前に健康状態を確認し、必要なら医師に相談します。予防接種や健康診断を受けることも検討してください。
震災復興ボランティアでは、がれきの撤去や家屋の修理など、様々な物理的な作業が伴います。このような活動中には、金属片や木材の破片による傷が発生するリスクがあります。
破傷風は土壌やがれきに存在する細菌が傷口から体内に侵入することで発症する可能性があり、非常に危険な病気です。そのため、震災復興作業を行う前に破傷風の予防接種を受けることをお勧めします。

3.2.安全への準備
地震や災害時の基本的な安全対策を学びます。また、現地の緊急連絡先をあらかじめ確認しておきます。
冊子版「ボランティア、ご安全に!」(日本赤十字)

ステップ4: 被災地域のことを知る

4.1.被災された方とのコミュニケーションを準備する
言語の理解
地域によっては独特の方言が使われることがあります。基本的な挨拶や日常会話ができる程度に、その地域の言葉や方言を学びます。
資料の活用
インターネットや地域の文化に関する書籍を通じて、地域特有の表現や言い回しを予習します。

4.2.地域文化や慣習を知っておく
地域文化の研究
その地域の歴史、文化、宗教、伝統などについて学びます。特に地域の祭りや年中行事、食文化などに注目し、地域住民との会話のきっかけにします。
地元メディアの利用
地元のニュースや地域情報誌を読むことで、現地の最新の話題や関心事を知ることができます。

4.3.活動エリアの地形や位置情報を把握する
地図の入手
活動エリアの詳細な地図(デジタル&アナログ)を入手します。これには、市町村の地図、交通網、主要なランドマークや施設が含まれているものが望ましいです。
地形の把握
地形図を用いて、地域の地形や特徴を理解します。特に、山地、川の流れ、海岸線などの自然環境に注目します。
<災害リスクの把握>
地震や津波、土砂崩れなど、特定の地域に特有の災害リスクを事前に調べます。
安全エリアの確認>
緊急避難場所や安全なルートの確認をします。これは、万が一の状況に対応するために不可欠です。
<現地の天候と気候>
活動予定地域の天候や気候についての情報を収集します。これにより、適切な服装や装備を準備することができます。
地域のインフラ情報
電力、水道、交通網など、地域の基礎インフラの現状について把握します。特に、震災後の復旧状況に関する最新の情報を得ることが重要です。

これらの準備を事前に行うことで、震災復興ボランティア活動時のリスクを最小限に抑え、より安全で効果的な支援を提供できるようになります。また、現地の状況に応じて臨機応変に対応する能力も高まります。

ステップ5: メンタルを整える

5.1.ストレス対処法の学習と実践
<ストレス管理の技術

マインドフルネス、リラクゼーション技法(深呼吸、瞑想)、ポジティブな自己対話など、ストレスを管理するための具体的な方法を学びます。
実践の習慣化
学んだストレス対処法を日常生活に取り入れ、習慣化します。これにより、現地でのストレスが高まった時に落ち着いて対処できるようになります。

5.2.メンタルヘルスに関する知識の習得
<心理的トラウマについての学習

災害による心理的トラウマやPTSD(心的外傷後ストレス障害)について学びます。これは自己ケアだけでなく、被災者のサポートにも役立ちます。
メンタルヘルスの資源の把握
必要な場合に利用できる心理的サポートやカウンセリングの資源を事前に調べておきます。

5.3.現地でのサポート体制の確認
<チーム内サポート

ボランティア活動中のチームメンバーとのサポート体制を確認します。お互いの精神的健康を気遣い、必要なサポートを提供できる体制を作ります。
フィードバックと相談の機会の設定
活動の前後にフィードバックや相談の機会を設け、ストレスの蓄積を防ぎます。これにより、自分自身や他のメンバーの精神的健康をチェックできます。


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