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タイトル未定の下書きver.1

1.「リーダー」を育成したいなら「ビジネスモデル(収益構造)」をアップデートしましょう。

2.ビジネスモデルを更新するには「自社の価値」を再定義しましょう。

3.自社の価値の再定義は、メンバーを限定せずにステークホルダーと対話的に進めましょう。

4.自社の価値を最大限に発揮するために、組織の目的(理念)も更新しましょう。これはみんなでよく話し合った上で社長が決めましょう。

5.その際に、安易に「ヒエラルキー組織は劣っていてネットワーク組織(ホラクラシー、ティールetc)が優れている」という思考の罠に陥らないようにしましょう。

6.組織の目的は、社会において情報の対称化が不可逆に進んでいるので(もうインターネットが無い時代には戻れない)たくさんの人たちがあなたの会社のことを「見ている」という前提で、次の5つの観点で考え話し合うとよいでしょう。
①共感的であること
②持続可能であること
③具体的であること
④実現するために全力を尽くせること
⑤覚えやすいこと

7.更新した組織の目的(理念)を実現・実行するための、ビジネスモデル(収益構造)を見直す(人員整理という意味では無い、字義通りのリストラクチャリング)プロジェクトを全社横断的に立ち上げましょう。メンバーは指名するより自薦(やりたい人を募る)が好ましいでしょう。

8.このプロジェクトに名乗りを挙げたメンバーは既に「リーダー」です。最大級の敬意と尊敬を払い、彼らに接しましょう。彼らこそ、あなたの希望です。大切にしましょう。多少の勘違いをしているメンバーもいるかもしれません。もしかしたらあなたは彼に対して「お前、まだこれやるの早いよ」と思うかもしれません。しかし、どんな理由であれ(例えそれが「みんなに(社長に)認められたい」という承認欲求であれ、彼の「やりたい」という動機を尊重しましょう。たとえ新入社員であったとしても。

9.理由は単純です。あなたは、あなたが尊重した人から尊重されます。あなたは、あなたが愛した人から愛されます。「返報性の原理」がはたらくからです。あなたは、あなたが見下した人から(ディスカウント)見下されます。どんな理由であれ、その人の「やりたい」という気持ちを尊重すること(やりたいことが間違っているようであれば後から調整・チューニングできるのだから)が信頼関係を育む土台となります。

10.この信頼関係(お互いに変化し合うことに対して寛容な関係性のこと)を育む態度のことを、「無条件の肯定的受容」と言います。「どんなあなたでも、私はあなたを受け入れるよ。」という態度です。職場はとかく、「条件付きの否定的受容」が横行しがちです。「○○ができるからあの人の言うことを受け入れる」「○○という立場だからあの人がすることを受け入れる」という態度です。

11.あなたが無条件に肯定的受容する人は失敗を怖れなくなります。あなたが条件付きで否定的受容する人は「失敗しないこと」に全力を尽くし、失敗することを怖れます。失敗とは試行錯誤の結果のひとつです。あなたが条件付きで受容する人は、試行錯誤をやめます。試行錯誤をやめる、ということは、あなたの指示命令がなければ行動しません。事業を、仕事を、他者を、顧客を、市場を、世界をリードする、という行動をしません。

12.リードする人、つまりリーダーは失敗を恐れません。試行錯誤を続けます。新しい目的に基づいた事業が望む成果を挙げるまで、行動し続けます。大きな失敗をしたとしても、その失敗から学べます。だからといってあなたは彼らに「失敗」を推奨する必要はありません。「たくさん失敗しろ」と指示をするよりも「できるようになるまで、この目的が実現するまで、何度も挑戦してほしい」と依頼し続けます。それこそが組織の長であるあなた自身の「試行錯誤への挑戦」なのです。

13.対話的に組織の目的(理念)が更新されたら次にすることは、その目的を実現するためにプロジェクトメンバーたちと「続けること」「辞めること」「新たに始めること」を整理しましょう。
・続けること(採算性を問わず、目的を実現する可能性があるのはどの既存事業か?)
・辞めること(不採算事業でかつ目的の実現可能性が低いのはどの既存事業か?または採算好調だが更新された目的の実現への寄与が低いのはどの既存事業か?)
・新たに始めること(更新された目的の実現に寄与し、既存事業のノウハウを転化しやすく、価値創造を持続可能に開発しうる新規事業は何か?)

14.上記3点の整理を進める上でのポイントは、「情報開示」です。決算やPL/BS、社内外のありとあらゆる情報を(もちろん情報流出のリスクを勘案しながら)オープンにしましょう。何をどこまで情報開示したらいいかわからない場合はメンバーに「整理するために、どんな情報があると役立ちそう?」と訊いてみましょう。

15.情報開示するということは、あなた自身の報酬も開示するということです。あなたにはふと不安がよぎります。「『社長、こんなにもらってるんだ』と思われないかな」「内部留保がこんなにある(ない)こと、不審に思わないかな」といった不安です。これまでの組織の目的を実現しようとするプロセスでは、情報開示の必要がありませんでした。あなたがマネージメントしてきた人・物・金は、これまでのあなたの仕事の成果です。胸を張りましょう。

16.そもそも、新しい目的の実現のために集まったメンバーたちです。彼らは過去の情報よりも、未来の目的の実現に重要だと思っています。例えあなたが隠したいような情報があったとしても、彼らにとっては過去のこと。隠したいような情報でさえも、これからの未来を創り出すために必要な情報です。あなたなメンバーに敬意を払っていれば、メンバーもあなたがこれまでしてきた人・物・金のマネージメントへの苦悩に敬意を払ってくれるはずです。

17.細部まで情報開示したうえで、「続ける」「辞める」「新たに始める」を整理が終わって次にすることは、「原則(dicipline)」を箇条書きで構わないので話し合いながら5つ程度明文化していきます。5つ程度としている理由は「覚えやすいから」です。

18.「原則(dicipline)」は端的な表現で「私たちは〜しなければなりません。」という語尾で終わるようにします。
例えばこのような表現です。
「私たちは自然環境に過度な影響を与えない商品を扱わなければなりません。」
「私たちは膨張する売上よりも、持続的な利益を追求しなければなりません。」
「私たちは新しい商品・サービスを開発し続けなればなりません。」
「原則」は組織にとっての判断基準です。試行錯誤を繰り返し、失敗が続くと判断に悩むようになります。判断基準がないと、試行錯誤を繰り返すことそのもの、つまり行動することそのものを続けるか判断できなくなります。失敗が続いた時、望む成果が中々得られない時、行動への意欲が落ち不安や不信がよぎった時、これらの「原則」があることで、「何をしなければならないか」に立ち戻ることができます。

18.事業は、単線で直線的に変化するものではありません。事業は常に複線で曲線的に変化していきます。うまくいくときもあれば、停滞・後退するときもあります。そんな時に原則があると「続けるか」「辞めるか」「新しく始めるか」をメンバー自身が判断することができます。自分で判断できない(判断基準がない)メンバーは「社長、どうしますか?」と判断をあなたに委ねます。自分で判断できる(判断基準を理解している)メンバーは、「社長、こうします。どう思いますか?」と自身の判断基準とあなたの判断基準をすり合わせようとします。

19.このように、組織の「原則」はメンバーの判断基準となり、語尾を「〜しなければならない」と強調することでメンバーの行動(続ける・辞める・始める)を促します。リーダーは、自分で自分の行動を決めることができる人です。対話的に目的(理念)をアップデート(更新)し、事業を整理・刷新・再構築し、原則を明文化すること、この過程に「やりたい」という意欲を持った人が関わることで、結果として「リーダー」が発生します。

20.事業は目的と原則だけでは行動に移されません。事業の遂行には見通し(戦略・戦術)と行動計画(アクションプラン)が必要です。目的・原則・戦略・戦術・アクションプランを対話的に明示し、目的の実現に向けてメンバーひとりひとりが行動に向かう営みが「経営」です。優れた経営者とは、これらをひとりきりで考え、部下に指示をし期限までに「やらせる」ことを強いることをする人ではありません。社員は「従業員」と考えず、ひとりひとりの尊厳を認め、無条件の肯定的受容をし合うことを重んじ、対話的にこれらのことを整理し、実行しやすい物理的・精神的な環境を整えることができる人です。

21.あなたはもう、ひとりで事業戦略や販売戦術や生産計画を抱え込む必要はありません。「戦略・戦術・計画策定は手放せ、部下に一任しろ」と言いたいわけでも「事業を任せればリーダーは育つ」と言いたいわけでもありません。目的を定め、メンバーひとりひとりが経営に参加・参画しやすいな環境を整えるために情報開示を進め、判断基準を明示し、「それぞれの立場で共に事業を進めて、目標を達成し、目的を実現するための工夫をせよ」と言いたいのです。

22.独裁的・権威的・支配的にふるまうことでメンバーの行動欲求を阻害するのではなく、民主的・支援的・対話的にふるまうことで、事業推進を通じて「リーダー」を育みましょう。
「次世代リーダー」を「選抜」し、MBA的カリキュラムを外部から導入し、「リーダーになれ、さもなくば…」と条件付きで存在を認めることでは「リーダー」は育成されません。
役職や役割を一旦保留し、ひとりの人としての尊厳を認め、お互いを無条件に受容し合うことを前提として、事業を通じてひとりひとりのリーダー性を育むことを重視しましょう。

23.以上の考え方が、私にとってのリーダー育成論です。

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