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戦災復興支援センター(War Disaster Reconstruction Assistance Center、略称WDRAC)」を始めます。

戦災復興支援センター(War Disaster Reconstruction Assistance Center、略称WDRAC)」を始めます。

日本国内で、ウクライナ侵攻に伴う被害の復旧・復興を支援したい人、そしてウクライナから国外に避難する人を支援しているボランティアグループの支援を目的にした法人です。

武力行使が始まって2週間、現地で何が起きているか、メディアに依らず自分の繋がりの中で「実際に起きていること」を情報収集してきました。
僕は日本にいて、できることは人道支援のために赤十字や国際NGOへの寄付ぐらいかな、と思っていました。

知人が2人、ウクライナとポーランドの国境の街でウクライナから避難する人々の支援をしていることを知ったのは1週間前でした。
1人はバスの運転手をしているMicha、ベルリンで支援物資をバスに積み国境の避難民が集まる場所に輸送、荷物を下ろしたら電車に乗れない人々をバスに乗せてベルリンまで送り届けるというピストンをしています。距離は往復2,000kmで、彼女が勤めているバス会社は人道支援の取り組みをしています。
もう1人はイギリスはスリーフォード在住でフリーのツアーディレクターをしているSimon。彼はポーランド国境のMedikaに留まり、避難する人たちのためのキャンプで炊き出しや物資の仕分け・配布、西側に避難する人に、受け入れ先などの情報提供をしています。

彼らを通じて、今、現場で何が起きているかリアルタイムで情報が入るようになりました。

ウクライナ、ポーランド共に避難民に対する国や行政の機関の機能が十分に働いていないこと。24時間、途切れることなく極寒の中(昨日のMedikaは最低気温が−7℃)を徒歩で国境を越える女性と子供たち。
18歳から60歳までの男性たちは2月24日の国民総動員令以降、出国ができずウクライナに残らざるを得ない状況。
国際NGOは拠点をそれぞれに設け、情報収集にあたるが国境に続々と集まる西側各国のボランティアは組織化されておらず、局所的に活動をしていること。
たくさんの支援物資がMedikaに集まるも、ロジ(輸送・在庫管理)が十分ではなく個人ボランティアがそれぞれで調達し、ようやく現地で連携を取り始めている状況であること。

僕は2011年から昨年まで、子供の遊びと学びの復興支援の活動をしていました。また3年ほど、復興庁で非常勤の公務員(政策調査官・政策参与)として主に産業面での復興支援をしていました。

彼らが現地で直面している課題は、11年前に僕が東京と石巻や福島で直面した課題と似ています。
もちろん地震による天災と武力侵攻による災害という大きな違いはあるものの、「避難する人への支援」という点では同じようなことが起きています。


距離が離れているからと、実際に今ここで困っている人たちに、間接的な寄付という支援だけでいいのか。
震災の復興支援の際、ヨーロッパからの留学生ボランティアが集ってくれました。今がその恩返しをするタイミングじゃないのか。
「避難する人を支援する人が、どのタイミングで何をどんなふうに支援されるのが助かるか」ということを身にしみて理解しているのは自分じゃないのか。
この11年で得た自分の経験は、今こそ活かされるべきではないのか。
先行きが見えない中で、自分には何ができるかわからないから、ひとまず様子を見る、というのは選択肢としてありうるが、自分の信念においてその選択肢は妥当なのか。

1週間、じっくりと内省し、自問し、熟慮しましたが、明確な答えは出ません。
ということは、やってみないとわからないということです。

だから、やってみようと思います。

MichaやSimonからの情報を元に、ベルリンやイギリスやアメリカにいる友人たちのバックアップを受けながら、日本にいてできることや、「何かしなければならないけど、何から始めたらいいかわからず、間接的な寄付だけでは不十分だ」と思っている人たちと「やりたい人がやりたいことをやれるだけ」を始めます。

これから法人を設立し、活動の準備を整えます。
活動を手伝ってくれる方を探しています。

無償のボランティアでの活動です。
政治活動・反戦活動はしません。
ウクライナの側に立って、ロシアに抵抗することはしません。
ロシアの側に立って、ウクライナを責めることもしません。
非合法で人命のリスクが高くなる活動はしません。
日本から現地に物資を送る活動もしません。

ポーランド・ウクライナ国境で人道支援にあたるボランティアを支援する活動に集中します。
国を出て、避難せざるを得ない人たちが、少しでも護られるための活動をします。

「いっしょにやりたい」と思う方は、声をかけてください。
「自分にもできることがあって、これは他人事じゃなくて、微力だけど無力じゃなくて」という人は特に勇気を出して声をかけてください。


僕がこの取組みを宣言する上で、何度となく読み返した寓話です。
この少年でありたい、と思っています。

男が浜辺を歩いていると、打ち上げられたヒトデを海に投げ入れている少年がいた。
ヒトデは浜辺を埋め尽くすほどの数だった。
男は少年にこう尋ねた。
「1つずつ投げていても、何も変わらないのではないかね?」
すると少年はヒトデを手に取り、こう答えた。
「こいつにとっては大きな変化さ。」



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