数学検定チャレンジ・その3

ひとまず,最も最短経路で最も効率よく学ぶ方法は「極力学ばない」ことです。重複する部分は1ミリも繰り返さない。これが勉強計画の根本です。

ということで,1次試験の分野ごとの学習計画について書いていきたいと思います。

正負の計算については,学校で扱っていたこともあり特に触れることはしませんでした(他でも学びますし)。そこでまず最初に扱ったのは『分配法則』です。要するに
 a(b+c)=ab+ac
というやつです。なぜかといえば,これで「因数分解もできる」ということを叩き込むわけです。まあ,そのまえに
 (a+b)(c+d)=(a+b)c+(a+b)d
とできることは必要ですが,そこは

↑この本に,分配法則の基本は面積で(Basic編p17~p18)がありますので読んでもらって納得してもらいました。動画もあるので,基本息子の方から質問が出ることはありませんでした。
ここまで来てしまえば,因数分解
 x^2+5x+6
などは,(x+a)(x+b)にするにはどうすればいいか逆算してごらん!という指示で十分解けます。もう,和と積とか余計なこと言わない方が速いです。というより,そういった型にはめさせると逆に出来なくなります。逆算して答えを出させたときは「なぜそうなった?」と聞き,その場で説明してもらいました。その結果として「和と積」という単語は本人から出てくるようになりました。
たすき掛けもありますが,これも同様に,因数分解した形から逆算させて試行錯誤で数字を導かせました。もちろん整数という範囲に守られていることは事実ですが,そこを考えてしまうときりがないので一切気にせず教えます。

でも,よくよく考えればこのことって因数分解そのものの根本を考えていることになり,高1で学ぶ話のほとんどは「その結果を公式として覚える」ということであり,そう考えると「通常の学び方って,いらない努力をしているかもしれない」と我ながら不安になることもあるのでした。

あとはMathTexでひたすら問題を生成し演習。でも,30題くらい繰り返せばこの手の因数分解は間違えなくなりました。とりあえず,一気に押し込むことが大切(結構感覚的なものって間空けないほうがいい)です。

難しいのは2次方程式でした。というのも,「因数分解が難しい場合は解の公式」という文言は,「因数分解が難しい」の定義がないので判断に苦しみます。初めは区別をつける訓練もしていたのですがたすき掛けレベルは「因数分解できるかどうか悩んでいるだけ時間の無駄」となり,一律解の公式を覚えてもらうことにしましたが,ここでまた暗記するのもどうかと思い,
 解の公式は平方完成から
という点を頑張って練習させました。これができれば,2次関数の頂点の座標を求めさせる問題にも通用します。よって解の公式は教えずに,平方完成を教え,そこから2次方程式を解くことを徹底してもらいました。ですから,因数分解が簡単にできるときはかなり解答は遠回りですがそんなことは知らせず(笑),がむしゃらに平方完成を頑張らせました。このあたりも詰め込みが大事で,一気にやらないと訳が分からなくなるので上記の話は3日間ぐらいで一気に詰め込んだ記憶があります。

この平方完成に絡んで出てくる記号が平方根です。この記号に関する考え方は次回にします。
(数学検定チャレンジ・その4に続く)

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