タスマニアスケッチ①

この仕事は

 ブリスベンの話を書き終えて、タスマニアの話を書こうとした。しかし、タスマニアのことを書き始めてみると、書きたいことが多く、機微を穿つには骨が折れた。そこで一度このマガジンから離れ、オーストラリア滞在中の精神的動向を暗喩的に置き換えた小説を書いてきた。
 ところが、いや、当然のことながら、タスマニア生活をメタファーに小説を書くフェーズに入ると、筆が止まった。置換作業を行うには元の輪郭をはっきりとさせねばならない。そこで、またこのマガジンに立ち戻り、タスマニアにおける精神と物理的動向をスケッチすることにした。

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