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沙羅ちゃん、君は悪くない!報道陣頑張れ!

スキージャンプ団体を観ていて本当に心が痛くなった。もう皆が知っている通り高梨沙羅選手がウェアの規定違反で失格となり一本目の得点が0となりました。
テレビの司会者は「高梨沙羅が失格となり一本目の得点がゼロとなりました…」とばかりコメント。でも我々が知りたかったのは、ゼロとなっても点数が多ければ2本目に行けるのか?その時に失格となった高梨選手は出場できるのか、できないのか、、、、?その辺りのコメントを聞かせて欲しいのにほとんど無く、挙げ句の果てには「失格という事を聞いてどんな気持ちで望みましたか…」なんてレベルの低い質問を他の選手に行うお粗末さ。
あれを視聴していて嫌悪感を抱いたのは私だけではないのではないでしょうか?

更に翌日の朝の情報番組とかでもその失格問題を取り上げて、あーじゃあない・こーじゃない…とほとんどスポーツ界のお作法や本質を知らない輩がもっともそうに話している姿を観て、日本での伝える立場の人達の姿勢・考え方・人選を変えていかなければならない過渡期なのではないかと思ってしまいました。

更に翌日のスポーツ新聞の見出し。大体のスポーツ紙は「羽生結弦頑張れ!」や「今日本番」などの見出しでしたが、残念ながらニッカンスポーツだけ一面に「沙羅失格」の大きな文字。なんでネガティブなしょーもない言葉を見出しにするのか理解できない。もうワイドショー的な表現・報道は止めて欲しい。
他紙は裏一面にその様な見出しをつけているところもありましたがまだ裏一面なので配慮がなされていると推測してしまいました。

これは以前、ジャンプのレジェンド葛西選手が7回目のオリンピック出場が決まった時、この偉業をスポーツ新聞だからこそ伝えるべきだと思っていたのに、その時の一面は「やしきたかじん死す」で葛西サンの事は中面で小さく棒記事。
この時、日本のスポーツジャーナリズムは皆無だと本当に思ってしまいました。日本にはスポーツジャーナリストが本当に少数しかいなく殆どがスポーツ芸能記者なんだ…というこの時の思いが沸々と蘇ってきてしまいました。
(詳しくは私の著書「野球がベースボールになった日」に書いてあります…宣伝しちゃいました…)

そして最近私はYouTubeやBuzzVideo などをよく観ているのですが、書き込みで全く知識のない人間が「中国の陰謀だ」とか「政治的制裁を表明した国に逆制裁を下している…」などと好き勝手に投稿して、その投稿に賛同者がたくさん支持している現象が起きていることもキチンと配慮していかなくてはならないと考えます。
事象に対しての色々な意見はあって当然だと思いますが現在一方的な報道だけで判断する選択肢を報道していないところに問題があると考えます。
今回の一連の判定でハッキリしていないのは

① そもそも失格となった5人の詳細。高梨選手だけ2㎝オーバーとありましたが他の4人はどうだったのか。そしてそのウェアは個人戦でも着用したのかどうか?
② 計測した審判はどこの国の人間で何人いて最終ジャッジ者が誰だったのか?
その人間は今回オリンピック史上稀な5人の失格者を出した事についてどう話しているのか?
③ 失格となった日本以外の国の反応とその国は政治的ボイコットを行っていたのか?いないのか?
④ 日本のJOC やスキー連盟は他の国の連盟とかと話していないのか?話しているならその状況や言える範囲での事実の公表。話していないのであれば何故話さないのか?の追及。
⑤ スポーツ仲裁機構への上訴をするのかどうか?

等々
を調べるのがジャーナリストの仕事で取材に行っている人間は何をしているのかという感じです。
そしてこの疑問点をキチンと報道していないから、憶測でものを話しそこにオヒレがついて本質的な議論がなされないまま過ぎ去って偏ったイメージが残っていく…ということになるのではないでしょうか。

北京に行っている報道陣の皆さん、頑張って取材して日本のジャーナリズムの根性、見せてください!
お願いします!!


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