今気がついた
刑務所ってさ、作業すると少しずつだけどお金がもらえるんでしょ?
ご飯もあるし。
窓の無い、暗い、狭いキッチンで朝から晩まで一人ぼっちで、誰ともしゃべらないで、ただ黙々と俯いて料理を作ってると、刑務所の方がいくぶんマシなんじゃないかって思えてくる。
だってお金にならないんだもん…
刑務所に戻りたくて再犯を繰り返す人がいるって話、なんだかちょっとわかる気がする。
人と接するのが苦手な人には良いかもしれないけど、完全にひとりの世界に入れるわけでも無い。
注文が入れば対応しなきゃいけない。
中途半端に音が漏れるから好きな音楽も聴けない。
壁の向こうの見えないお客様を相手に黙々とお皿で会話する。
しゃべらない透明人間とコミュニケーションをとらなきゃいけない。
今気がついた。
この仕事、けっこうしんどい。
生きるって、けっこうしんどい。
コックをキッチンに閉じ込めたがる人がいる。
料理に集中してほしいから。
わかるんだけど、本当の意味でそれができるサービスマンは1%もいないと思う。
キッチンがどんな情報を求めているか、キッチンができる事は何なのか、キッチンにお客様の求めている物をいかに正確に伝えるか、これを全て理解してコントロールできる人は少ない。
コックとしても料理長レベルの力を持っているようなサービスマンにしかできないから。
キッチンとのやりとりを極限まで省いたオートメーションとも呼べるようなシステムを構築していく道もあるけど、間違いなくロボットに取って代わられる。
そんなサービスマンの仕事もコックの仕事も無くなるのは目に見えてる。と言うより、もうすでに無くなってきてる。
オープンキッチンが流行っている理由がそこにあると思う。サービスマンとコックの境目がボヤけてるようなお店。
これも、サービスマンとコックのコミュニケーションを限界まで省ける効率的なシステムの一つ。
結果、お客様の満足度に繋がりやすくなる。
ここで問題になるのはコック側。クローズキッチンと同じくして、最低限ホールの事を理解し、サービスマンとして動けるレベルの力が必要になる。
いずれにせよ、飲食店において料理そのものにお金を払って満足できる人は間違いなく減っていくし、「美味しい料理を提供してさえいれば大丈夫」と思っている飲食店も勝手に無くなっていく。
うちのお店はどうだろう…
話は変わるんだけど、神経衰弱ってゲーム。
すごい名前だよね。
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