ファルセット
先日、スタッフの一人に質問されました。
「夕焼けファルセットって歌があるんですけど、『ファルセット』ってなんですか?」
そもそも、なんでこんな質問を料理人のおれにしてきたのか、という話から始まりますが、実はおれの両親はミュージシャンなんです。
おれも、アニキと2人でユニットを組んで、調子に乗ってアコギ弾き語りライブとかやっちゃったりなんかしちゃったりしています。
みんなその事を知っていたので、とりあえずおれに聞いてみたんだろうな…と。
と言う事で、こんな感じで答えてみました。
裏声で歌う事です。ざっくり言うと。
そして、声楽では裏声は3種類に分けられています。
ミドルボイス…芯のある強い声。特別なトレーニングを受けていない、所謂素人が裏声で歌うと、大抵ミドルボイスになるそうです。下手をすると金切り声と呼ばれるものになってしまいます。
ヘッドボイス…主にクラシックなどで使われる柔らかい声。頭のてっぺんから抜けるような声、とでも言うのでしょうか。
ファルセット…息を抜いた、弱々しい、繊細な裏声。より高い音域に対応する為に用いられる事が多いそうです。息漏れが多く、囁くような優しさを含む反面、時に呼吸音がノイズになってしまう事もあるそうです。
また、上記の境目に明確な線が存在しない為、現在の日本では「ファルセット」と「裏声」が、ほぼ同意義で使われる事が多いそうです。
裏声(ファルセットやヘッドボイス)を駆使して男性が女性パートを歌う場合を「カウンターテナー」、もしくは「カウンターテノール」と言います。
その中でも特に高い音域、ソプラノと呼ばれるパートを歌う人の事を「ソプラニスト」「ソプラニスタ」と呼ぶ場合があります。
さて、皆さんもソプラノと言う言葉を聞いた事があると思いますが、実際、ソプラノとはどんなものなのでしょうか。
まず、音域の高い方から大きく四つに分けて「ソプラノ」「アルト」「テノール」「バス」と分けられます。
これは声楽に限らず、楽器にも適用されます。
具体例としてはリコーダーやサックスが良いかも知れません。
リコーダーは小学生の頃にピーピー吹いてたあれですね。小学校で練習するのは主にソプラノリコーダーですが、その他に、ちょっと大きなアルトリコーダーやさらに大きなテナーリコーダー、バスリコーダーなどなどがあります。
サックス一つとってもソプラノサックス、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックスの他に、より高い音域やより低い音域、中間音域に対応する為のサックスもあり、細かく分けると10種類程あるそうです。
これ以上深掘りするとキリがないので、今回は声楽、特にオペラなどに多く見られる四声体和声、混声四部合唱に関して確認してみます。
以下、ウィッキーさん(Wikipedia)が教えてくれた事をおれなりにまとめてみました。
ソプラノ…(伊)soprano
最高部を受け持ち、通常は旋律を演奏します。
概ねC4〜E6の声域を持ちますが、合唱や4声体和声ではC4 - A5くらいの音域になります。
この声域を持つ、変声期前の少年を「ボーイソプラノ」と呼ぶ事があります。
歴史的には、女性がキリスト教会で歌う事が認められていなかったので、ソプラノの役割はボーイソプラノや、一時期はカストラートにも与えられていました。
なお、「ソプラノ歌手」という言い方が普及していますが、そもそも歌手の声域を表す言葉なので、本来は「歌手」をつける必要はないそうです。
アルト…(伊)alto
女声の声域のひとつで、コントラルト(contralto)とも言います。
イタリア語の「高い」が原義で、テノールよりも高い音域を指すようになったそうです。
概ねF3からB5くらいの声域を持ち、4声体和声や合唱ではG3からE5くらいが用いられます。
オペラでは主役級の役を演じる機会よりも、脇役の中で重要な人物を演じる事の方が多いそうです。
ミサ曲やオラトリオ、受難曲など宗教曲においては、アルトのための独唱アリアも数多く存在する様です。
テノール…(伊)tenore
4声体和声、混声4部合唱においては、下から2番目に低い声部で、バスより高くソプラノおよびアルトの下にきます。
概ねC3〜C5くらいの範囲の声域を持ち、4声体和声や合唱ではC3〜A4くらいの音域が用いられます。
裏声(ファルセット)は通常使用せず、ファルセットを常用する場合をカウンターテナーと言います。
なお、近年のJ-POPにおいては高い音域を取り入れる楽曲が主流のため、テノールの音域、もしくはこれより高い音域で歌われているものが大半を占めており、裏声を除けばA4付近を最高音とする楽曲が多く見られるそうです。
バス…(独)bass
声域としては最も低い音域をさします。
典型的なバスは概ねD2~F4くらいの範囲の声を持ち、4声体和声や合唱のバス声部はF2~D4くらいの音域が用いられます。
ソプラノ、アルト、テノールはイタリア語でしたが、なぜかバスだけはドイツ語でした。
これは、イタリア発祥のオペラが単なる歌曲ではなく、歌劇(お芝居)であるからだと考えられます。
オペラではバスパートだけでも
・深い低音を特徴とする「バッソ・プロフォンド」
・ツヤのある軽い声を特徴とする「バッソ・カンタンテ」
・コミカルなお芝居を特徴とする「バッソ・ブッフォ」
と、声域だけでなく、歌手の声質やキャラクターによって、役柄そのものが分類されている様です。
なので、イタリア語を用いるオペラ用語には単なる「バッソ」と言う分類が無いのかも知れませんね。
ずいぶん長くなってしまいましたが、ここまで調べていて気になった事があります。
「カストラート」
と言う言葉です。ご存知ですか?
カストラート…(伊)castrato
変声期前の少年を去勢する事により、ボーイ・ソプラノ時の声質や音域をできうる限り持続させようとしたものとあります。
身長や骨格、胸郭、肺活量の成長などは成人男性とほとんど変わらず、声のトーンや歌声の持続力は未成年や女性歌手では再現できないと言われています。
それだけに彼らの声は甘く、野性的でそれでいてとても官能的だったと言われ、世界的な人気歌手になると、2〜3ヶ月公演するだけで一国の首相の年収を超えたという説もあります。
1550年〜1600年頃のローマで一般化され、教会音楽からオペラに進出。1650年頃からヨーロッパ各国でピークを迎えます。ナポレオンが禁止令を出しましたが、廃れる事はなかったそうです。
1878年、人道的な理由からローマ教皇が禁止させるまで続いたと言われています。
また、ベートーベンは幼少期、ボーイソプラノとしても稀有な才能を有していた為、周囲からカストラートにする事を期待されていましたが、父親の反対により実現しなかったそうです。
当時の医療技術や衛生面での未熟さから、多くの子供達が命を落としたとも言われています。
もしベートーベンのお父さんの反対がなかったら、あの名曲達は存在しなかったかも知れませんね。
これだけ調べてみたのですが、「夕焼けファルセット」の『ファルセット』が何を意味しているのかはさっぱりわかりませんでした。
ごめんなさい。
あと、素人なりにWikipediaで調べた事をまとめただけなので、ここに書いてある事が正確な情報かどうかは保証できません。
ごめんなさい。
写真はハロウィンで女装した時のおれです。
が、おれは普通のおバカなおっさんです。
ごめんなさい。
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