ラッキー7

【ラッキー７】

昨日の夕方、いつものごとく
我が部所で仕事をサボって
自分家の不幸自慢してるおばさんたちに

そういえば俺
今週末のドリカムのドームチケット

もらったわ

と、何気なく話したのでした

よく登場する、更年期おばさんA子：

え？
ええ？

意味が分からない様子

俺（山ちゃん）：
だから
ドリカムのドームチケット

もらったの

A子：
人生にそんなラッキーなこと

あんの？

A子がドリカムファンなのか
まったく興味のないところだが

もしかして

コイツはこれまでの人生で
ラッキーを感じたことがないのか？

と、突如
A子が不憫に思えてきたのです

俺（山ちゃん）：
ここ最近でラッキーなことって
何があったか、覚えてる？

A子：
タマゴが買えた、こと？

分からんでもないが
聞かれてすぐさま
それをラッキー事例として
発言してもいいものなのか

複雑な思い

他は？

旦那の悪口はあんなに言えるのに
黙り込むA子

両目が必死になって
左の脳みそをガン見しているが
ラッキーな記憶を
探し当てることができないようだ

A子：
あ！

今朝のセイコーマートの料金が
７７７円だったこと
これ、すごくない？

ポケットから
くしゃくしゃのレシートを出して
俺に渡してみせる

俺の前に相当みんなに
見せていたようだな

その時、俺の中で
いきなり罪悪感があふれ出してきた

俺、ドリカムのドームチケットもらったって
自慢したかったんだ

すご〜いって言われても
え？そんなの当たり前ぇ
みたいな顔して
この幸うすいA子にマウントとりたかったんだ

申し訳なさの中
太ももでくしゃくしゃのレシートを伸ばしたら

これは５月に僕自身が777になったレシート

たしかに、７７７円

あ、ラッキー♡

俺（山ちゃん）：
すまんA子
俺、ぜんぜん羨ましくない

（憐）