件のグリーン・インフェルノを観てきたから雑感

 まぁ真面目にツッコミ入れたら負けな気がするけれども帰路の暇潰しがてらに。

 当然のように壮大なネタバレですので(お勧めしないけど)これから観賞する予定がある向きは以下スルー推奨。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 兎に角色んな所でガバガバ感が強いのだけれども、件の部族の立ち位置と主人公サイドへの認識が謎。これに尽きる。

 捕獲した主人公サイドに対して「神の恵みだ!」と村長のババァが言っていた事から、ただ単純に食物として認識しているなら、女性割礼する必要がない。
 女性割礼の意義は、通過儀礼的な意義のほか、衛生上の問題(不衛生な環境での処置が余計に問題を悪化させているというツッコミは措いておくとして)、倫理的問題(例えば、妻が夫以外の男性と性行しないようにとか、処女性の保持など)が挙げられますが、件の部族にはそのどれもが当てはまらない。あの映画上では単に女性を恐怖の底へ叩き落とすだけの手段、言い換えるなら拷問みたいな認識のようでいて、対象にきちんと化粧を施したり手間暇掛けるなど宗教的儀礼であるような扱いもしており、意味不明。そもそも処女かどうか確認するのに膜破いてますからね、あのババァ。
 蟻の刑に処された彼(唯一の善人?)は「食糧を逃がした罪人」という事で処罰的な意味が大きいのは理解できるんだけど、同時に逃走した主人公に対しては何が何でも割礼を優先させるガバガバっぷり。てめえら何がしたいんだよ。
 工事関係者の首を持ち込んで喜んで戦闘に全員参加する姿勢から、他部族に対しては好戦的で野蛮な部族と言う事なのだろうか。最低限の人類という認識があり、怖がらせる為に食人やら女性割礼をやっている?その割にはやることがヌルい。

 企業側が武装していたことから、衝突自体は前からあったと思しい。あれは反対派への牽制というよりは明らかに外敵の接近を警戒してのものだろう。兵士のリーダーは誰と電話していたんですかね?
 終盤初めて文明と遭遇して、いつもの狩りみたいな気分で戦闘に赴き、銃弾にバタバタと倒れていった部族なのだとしたら、先は短そう。

道満晴明先生も仰っておりましたが、吹き矢(即効性の睡眠毒付き)が便利アイテム過ぎ。要所要所にこれまた良い間でギャグの如く飛んでくる吹き矢に草。

 最後まで判らなかったのは、何故主人公は件の部族に対する評価について嘘の報告をしたのか。
 主人公は一貫して「ご当地の文化文明なんて知らないけど差別的な行為は許せない!何故なら私が不快に感じるから!何よ文句ある?私のパパは国連職員なのよ」という頭のユルい馬鹿女子大生ですが、あれだけ非道い目に遭わされたのであれば件の部族を駆逐してしまいたいと思ってもおかしくないはずなのに、開発の手が緩まる様な真似を何故したのだろう。コレガワカラナイ……。
 
 スタッフロールが流れ始めて、キャストのメイン勢の横にツイッターのIDが出ていて草。加えてスタッフロールに割り込む形で放置された糞リーダーの妹からの連絡が入る演出も草。続編でもやる気なんだろうか。断じて観ねーよ。

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