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えがくこと

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たかさんは、20代の頃に統合失調症を発症してから、何度も入退院を繰り返してきました。そのたびに、スケッチブックに色鉛筆で絵を描いてきました。絵を描くと、とても心が落ち着きます。た…
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#好きな日本文化

ドキュメントとしての表現

「ドキュメントとしての表現」 埼玉会館第二展示室 2022年1月12日(水)~16日(日) 来月、展覧会で兄の作品が展示されることになりました。福祉関係の方にお声をかけていただきましたが、障がい者アートというジャンルになるのでしょうか。色々と思うこともあり、せっかくなので徒然と書き出してみます。 これまでNote でも書いていますが、兄は20代の頃から統合失調症を患っていました。症状が落ち着いているときは日常生活も普通に送れますが、ストレス耐性が弱く、急性症状を発症してし

再生

ドキュメントとしての表現

「ドキュメントとしての表現」 埼玉の浦和で開催された障がい者アートの展覧会に兄の作品を展示していただきました。 初めてのことなので、兄も私も何が何やら…という感じで開催を迎えました。 スペースは程よい広さで、どの作品も個性豊かで、いわゆる「障がい者アートっぽさ」はなく、観る視点がフラットになるように工夫されている印象でした。 それが故に、この展覧会を障がい者アートで括る境界線はどこにあるのかしら?という謎解きが始まるのです。でもそれは、健常者で括られる側にいる私の色眼鏡なのかもしれません。 そんな眼鏡を外して、それぞれの作品と作家さんの背景をひとつひとつ堪能してみると、とても多様な世界が広がっているのがわかります。 主催者の中津川浩章さんは、長年この分野でたくさんの展覧会やワークショップを実施していらっしゃるそうです。それぞれの個性を読み、きめこまやかにアレンジして頂くので、作品や作家が持っている力がさらに輝きを見せるのです。なるほど、キュレーションとはこういうことか、と感心することしきりです。 精神疾患を抱えている作家さんたちのこころの問題は、とても奥深く複雑に入り組んでいて、なかなか言葉で表すことはできないけれども、絵を通して表現することが生きている証であるかのように、刻一刻時間を刻むかのように、ドキュメント(記録)としての表現がここにある、のです。 これまでコツコツと積み重ねてきた、福祉・美術関係の方々の地道な活動があってこそ、こんなにも拡がりを見せ、クオリティの高いものが集まってくるのでしょう。メジャーに対してのカウンターというよりも、新しいメジャーが生まれればいい。色んな意味でとても楽しみです。

かいた絵をnoteに

たかさんは、リハビリのために病院のデイケアに通い、かいた絵をnoteに掲載し始めました。 これまで何度も足を踏み外して、奈落の底に落ちたのですが、そのたびに、板切れにすがりつき、こころに真っ白な紙を広げて色をつけてきたのです。 ♪本マガジンでは、たかさんの闘病やリハビリの様子を観察し、兄妹(あにいもうと)の対話の断片を書き綴っています。記事をご覧いただいた感想をコメント頂けると嬉しいです。 たかさんの画集はこちら https://note.com/hikari1111/

うまいのか、どうなのか

たかさんの絵は、うまいのかどうなのか分かりません。 新しい絵が完成すると自分で額縁にいれてリビングの壁に掛けます。 母もわたしも、いいね!というときもあれば、うーんと首を傾げたり、 うちの家族はどうも言葉が足りないのです。 ♪本マガジンでは、たかさんの闘病やリハビリの様子を観察し、兄妹(あにいもうと)の対話の断片を書き綴っています。記事をご覧いただいた感想をコメント頂けると嬉しいです。 たかさんの画集はこちら https://note.com/hikari1111/m/m

夏休みはテレビ②

夏休みになると、ウルトラマンシリーズの再放送を朝から見られるのが楽しみだったたかさん。 幼い頃の写真では、いつもウルトラマンのポーズをしています。ウルトラマンは、たかさんの心身に深く刷り込まれていました。 ヒーローがいて悪役がいて、というヒーロー伝説や、善悪二元論は、テレビだけでなく、おもちゃや雑誌など、常に、子供たちの周りを取り囲んでいるのです。 ずいぶんと自分の深層心理にテレビが深く入り込んでいるんだなぁ、と、ある時ふと気が付いたのです。 ♪本マガジンでは、たかさ

糸が切れたように、ポーンと

たかさんが、急性症状が起こったとき、 目の届くところに家族がいたのですが、 なぜか気づかなかったのです。 いつもじっとしているから、 はたから見ても、こころの状態は分からないです。 そして、ポーンと糸が切れたように、 あちらの世界に行ってしまうのです。 ♪本マガジンでは、たかさんの闘病やリハビリの様子を観察し、兄妹(あにいもうと)の対話の断片を書き綴っています。記事をご覧いただいた感想をコメント頂けると嬉しいです。 たかさんの画集はこちら https://note.c

目覚めたひとたち

インターネットでは、さまざまなスピリチュアルの情報があります。 これまであたりまえだった社会の構造や人の意識は、まるで何千年もかけて積み重ねてきた地層のようです。 スピリチュアルに目覚めた人たちは これから時間をかけて次元上昇していこうというのです。 はじめは、母もわたしも何を言っているのか、さっぱり分かりませんでした。よくよくたかさんの話しをきくと、インターネットでは、このように「目覚めた人たち」がアクティブに活動しているようです。 そういえば、たかさんは、これまで

オレンジ色の光がぼわっと

たかさんは、UFOを見ました。 自動販売機でジュースを買った帰りがけ、 空を見上げていると、 アダムスキー型の赤やオレンジの色がぼわっと漂っています。 たかさんは、 こんばんわと頭を下げ、一礼しました。 その日を境にインターネットで スピリチュアル系のサイトがたくさん表示されるようになりました。 ♪本マガジンでは、たかさんの闘病やリハビリの様子を観察し、兄妹(あにいもうと)の対話の断片を書き綴っています。記事をご覧いただいた感想をコメント頂けると嬉しいです。 たかさんの画

ひかりの磁場に立つ

スピリチュアルのセミナーに参加することもありました。 会場の雰囲気はとても明るく、 大きな窓からは、広い空と青い海が見え、 遠くには、富士山が見えました。 チャネラーの声はとても美しく、 たかさんにとって居心地の良いものでした。 みんなでワークをやっていると、 自分が光の磁場に立っていると感じるのです。 ♪本マガジンでは、たかさんの闘病やリハビリの様子を観察し、兄妹(あにいもうと)の対話の断片を書き綴っています。記事をご覧いただいた感想をコメント頂けると嬉しいです。 た

いいことづくし

Youtubeでは、スピリチュアルな動画が、たくさんあります。 たかさんにもお気に入りの人が、何人かいます。 その人たちが言うように、自分の思いに任せていると、 良いことが、次々と現れてくるようになりました。 まずはじめは、「禁煙」に成功したことです。 禁煙したら、ごはんは美味しいし、動悸や頭痛もしなくなるし、 歯医者さんでも恥ずかしくないし、いいことづくしでした。 ♪本マガジンでは、たかさんの闘病やリハビリの様子を観察し、兄妹(あにいもうと)の対話の断片を書き綴っていま

感情の段階を調べてみると

たかさんは、自分の感情について思い返したことがありました。 色々と調べてみると、人の感情は、喜びや満足から怒りや悲しみといった段階があるそうです。 急性期の症状が起こった時は、不安や恐怖の感情が渦巻いていたのです。 スピリチュアルでは、そうしたネガティブな感情から、ポジティブな感情への転換する方法を教えてくれたのです。 いまは、毎日呼吸に意識を合わせた瞑想をするのが日課になりました。 ♪本マガジンでは、たかさんの闘病やリハビリの様子を観察し、兄妹(あにいもうと)の対話の断

ひのえうま

20代の頃、病気が発症したときに、 友達が占い師に聞いてくれたことがあったそうです。 そしたら、 神社の西に馬の霊がついてるから、 と言われたそうです。 友達は心配して聞いたことを教えてくれました。 今にして思えば、ずいぶん中途半端な情報でした。 そういえば、「うちの近所に神社はあるし、午年だし、」と 友達は真剣に言うのですが、 たかさんにとってはそれどころではないのです。 でもそれくらい、 この病気についてあまり知識がなかったのです。 ♪本マガジンでは、たかさんの闘

野良犬

小学校1年生の頃、 お絵描き教室に行く途中に、 大きな犬が道をふさいでいました。 大きな声で吠えられて、 びっくりして、 お絵描き道具を放り投げて、 一目散で家に逃げ帰ってきました。 昔は、野良犬が道端をウロウロと歩いていたのです。 ♪本マガジンでは、たかさんの闘病やリハビリの様子を観察し、兄妹(あにいもうと)の対話の断片を書き綴っています。記事をご覧いただいた感想をコメント頂けると嬉しいです。 たかさんの画集はこちら https://note.com/hikari1

猫のお礼

ソフトボールのキャプテンが 飼っていた猫が病気に罹ったという話を聞きました。 その頃、気功を習っていたので、 その猫に遠隔操作で気を送っていました。 やがて、猫は天国に行きました。 キャプテンから、気を送ってくれてありがとう、 安らかな死に顔だったよ、とお礼を言われました。 それから、しばらくして、 家の2階にあるリビングにいると、 ベランダに猫が上ってきて、 網戸をガリガリと引っ搔いているのです。 そう、死んだ猫の友達がお礼を伝えにきたのです。 ♪本マガジンでは、たか