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えがくこと

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たかさんは、20代の頃に統合失調症を発症してから、何度も入退院を繰り返してきました。そのたびに、スケッチブックに色鉛筆で絵を描いてきました。絵を描くと、とても心が落ち着きます。た…
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#オープンダイアログ

きょうだい会#09(20240414)

きょうだい会は「対話の実践の場」になるといいな、と思って始めました。 「いい天気ですね。お昼は何を食べましょうか」という普段の日常会話から一歩踏み込んで、自分の思いや考えを伝え、相手の思いや考えを聞く対話によって、お互い自分で気が付かなかったことを発見することができるという体験をしていきたい。 けれども、自分の思いや考えを打ち明けるのはなかなか難しいことです。 何よりも、安心して対話ができる場が必要なのです。冒頭で「きょうだい会の約束」の読み合わせを行うことは、みんなの気

きょうだい会#08(20230310)

 「自分を語る、ということ」  これまで、きょうだい会では、「自分語り」を中心に置いていこうとお話をしてきました。   昨年8月にきょうだい会を発足して、半年以上経ちました。 そこで、あらためてこれまでのことを振り返りたいと思います。 ざっくばらんにお話を聞かせてください。 Q1:きょうだい会に参加してみようと思ったきっかけは?  Q2:当時は、きょうだい会にどんな期待をお持ちでしたか?    (もしくは)こうなりたいというイメージはありましたか?  Q3:きょうだい会に参

きょうだい会#07(20240218)

悲しみを分かち合う   きょうだい会に参加していた、M子さん。 はじめて参加したときは、「体調がすぐれないから、すぐ部屋を出るかもしれない」と言いながら、最後まで参加してくれました。   自分語りも、「上手く話せるかどうか分からない」と言いながら、きちんと順序だてて、聴く人たちにあまりショックを与えないように、慎重に話していました。とても複雑な家庭でした。みんなの悩みをきいているときも、自分の話をしているときも、相手のことを深く理解し、決して悪くは言わず、冷静に物事を考えるこ

虫のはなし その2

昆虫図鑑を見ていて、気に入った虫がいると、 いいなぁ、ほしいなぁ、と思っていたたかさん。 マダラハンミョウという虫が気に入って、 いいなぁ、ほしいなぁ、と思っていたら、 ある日、庭にマダラハンミョウを見つけるのです。 テレビでドラえもんを見ていたら、 スモールライトで小さくなったドラえもんとのび太がカマドウマの背中にまたがって、颯爽と乗りこなしているのです。 いいなぁ、ほしいなぁ、と思っていると、 ある日、家のトイレでカマドウマを見つけるのです。 この頃は、いいなぁ、

夏休みはテレビ

3歳頃、よく見ていたテレビ番組は「悪魔くん」でした。 はじめは、怖い怖いと思って見ていたのですが、 そのうち、悪魔が出てくると、 「悪魔がでてきた」といって喜ぶようになりました。 まるでダリの絵のようで、 はじめは奇妙なんだけれども、見慣れてくると当たり前に なってしまうのです。 悪魔との出会いに対して、神さまとの出会いもあります。 「もうれつア太郎」の主人公ア太郎のお父さんが 天国で出会う神様がいました。 天国には、神様はふたりいて、ぺちゃくちゃと漫才のように笑えるので

夏休みはテレビ②

夏休みになると、ウルトラマンシリーズの再放送を朝から見られるのが楽しみだったたかさん。 幼い頃の写真では、いつもウルトラマンのポーズをしています。ウルトラマンは、たかさんの心身に深く刷り込まれていました。 ヒーローがいて悪役がいて、というヒーロー伝説や、善悪二元論は、テレビだけでなく、おもちゃや雑誌など、常に、子供たちの周りを取り囲んでいるのです。 ずいぶんと自分の深層心理にテレビが深く入り込んでいるんだなぁ、と、ある時ふと気が付いたのです。 ♪本マガジンでは、たかさ

ひのえうま

20代の頃、病気が発症したときに、 友達が占い師に聞いてくれたことがあったそうです。 そしたら、 神社の西に馬の霊がついてるから、 と言われたそうです。 友達は心配して聞いたことを教えてくれました。 今にして思えば、ずいぶん中途半端な情報でした。 そういえば、「うちの近所に神社はあるし、午年だし、」と 友達は真剣に言うのですが、 たかさんにとってはそれどころではないのです。 でもそれくらい、 この病気についてあまり知識がなかったのです。 ♪本マガジンでは、たかさんの闘

野良犬

小学校1年生の頃、 お絵描き教室に行く途中に、 大きな犬が道をふさいでいました。 大きな声で吠えられて、 びっくりして、 お絵描き道具を放り投げて、 一目散で家に逃げ帰ってきました。 昔は、野良犬が道端をウロウロと歩いていたのです。 ♪本マガジンでは、たかさんの闘病やリハビリの様子を観察し、兄妹(あにいもうと)の対話の断片を書き綴っています。記事をご覧いただいた感想をコメント頂けると嬉しいです。 たかさんの画集はこちら https://note.com/hikari1

猫のお礼

ソフトボールのキャプテンが 飼っていた猫が病気に罹ったという話を聞きました。 その頃、気功を習っていたので、 その猫に遠隔操作で気を送っていました。 やがて、猫は天国に行きました。 キャプテンから、気を送ってくれてありがとう、 安らかな死に顔だったよ、とお礼を言われました。 それから、しばらくして、 家の2階にあるリビングにいると、 ベランダに猫が上ってきて、 網戸をガリガリと引っ搔いているのです。 そう、死んだ猫の友達がお礼を伝えにきたのです。 ♪本マガジンでは、たか

勇敢ないのしし

たかさんは、小学校の頃、 読書感想文で入賞したことがあります。 題材は、椋鳩十「栗野岳の主」でした。 栗野岳の主とは、いのししです。 狩人に向かって勇猛果敢に突進していきます。 動物は、人には及ばないと能力を持っています。 この地球では人と動物が共生しているのだから、 動物の領域に人が立ち入ってはならないのです。 ♪本マガジンでは、たかさんの闘病やリハビリの様子を観察し、兄妹(あにいもうと)の対話の断片を書き綴っています。記事をご覧いただいた感想をコメント頂けると嬉しい