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えがくこと

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たかさんは、20代の頃に統合失調症を発症してから、何度も入退院を繰り返してきました。そのたびに、スケッチブックに色鉛筆で絵を描いてきました。絵を描くと、とても心が落ち着きます。た…
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2021年6月の記事一覧

目覚めたひとたち

インターネットでは、さまざまなスピリチュアルの情報があります。 これまであたりまえだった社会の構造や人の意識は、まるで何千年もかけて積み重ねてきた地層のようです。 スピリチュアルに目覚めた人たちは これから時間をかけて次元上昇していこうというのです。 はじめは、母もわたしも何を言っているのか、さっぱり分かりませんでした。よくよくたかさんの話しをきくと、インターネットでは、このように「目覚めた人たち」がアクティブに活動しているようです。 そういえば、たかさんは、これまで

感情の段階を調べてみると

たかさんは、自分の感情について思い返したことがありました。 色々と調べてみると、人の感情は、喜びや満足から怒りや悲しみといった段階があるそうです。 急性期の症状が起こった時は、不安や恐怖の感情が渦巻いていたのです。 スピリチュアルでは、そうしたネガティブな感情から、ポジティブな感情への転換する方法を教えてくれたのです。 いまは、毎日呼吸に意識を合わせた瞑想をするのが日課になりました。 ♪本マガジンでは、たかさんの闘病やリハビリの様子を観察し、兄妹(あにいもうと)の対話の断

前世のおはなし

たかさんの前世の記憶は、いくつかあります。ひとつは、江戸時代の煙草屋の主人です。 所は八丁堀。 遊び好きのたかさんは、女房に隠れて、 いそいそと向島の置屋に遊びに出かけていたそうです。 やがて、女房の目に知られるようになると、 女房が激情して、夜中に短刀で恋仲の相手に襲いかかります。 恋仲の一命はとりとめましたが、女房は牢屋に入れられてしまいます。 肝を冷やしたたかさん、 それでも命をとりとめたのは神さまのおかげ、と、 ほっと胸をなでおろしたのです。 ♪本マガジンでは、

前世のおはなしの続き

信心深いたかさんは、毎朝神棚に手を合わせていました。 あるとき商売繫盛の祈願のためと、仲間に声をかけて、伊勢詣でに出かけることしました。 着の身着のままで、江戸から何日もかけて伊勢を目指します。 朝から歩き通して、疲れたら煙草を一服し、小田原では台風で足止めされることもありました。 いつも土地土地の美味しいものをいただき、 おなかいっぱいの道中だったのです。 ♪本マガジンでは、たかさんの闘病やリハビリの様子を観察し、兄妹(あにいもうと)の対話の断片を書き綴っています。記事を