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ニューヨーク単独ライブ「Natural」が最高だったんだ

ニューヨーク単独ライブ「Natural」東京千秋楽を観に行った。バリエーション豊かな8本のネタ(と映像)に、やっぱり単独ライブって最高!という余韻を引きずりながら、書いている。

■そもそもなぜ単独を観に行ったのか?

最初に自分語りをすると、私は男性アイドルとVtuberに狂っているオタクだ。今でこそCDのタワーを積み上げ、地方遠征に余念がないタイプのドルオタだったが(コロナ前は)それ以前はお笑いのオタクをしていた。オタクは何かしら追っかけていないと気が済まない生き物だから仕方ない。

私が追っかけていたのは、2009-13年頃だ。今、指折り時期を数えて死にそうになった。年間のライブに参加した本数は100本を超えていて、今考えると若さこそ力に他ない。吉本はAGEAGELIVEの全盛期だった。渋谷にある無限大ホールは人で埋まり、出待ちの若い女の子で溢れ返った。冷静に考えれば謎だが胸キュン企画みたいなライブも連発されていたし、顔がかっこいい(この当時「顔が天才」みたいなワードって存在していなかった)という理由での女の子ファンも沢山いた。不思議な文化圏だったのだ。

それから10年という恐ろしいほどの年月が経過し、なぜかドルオタになっていた私は、現場という現場を全て失い、屍だった。コンビニに行っては払い戻しで数万もらう、という虚無の生活をしていた。暇になると人間昔を思い出すもので、当時はTwitterはまだ一部の人しか使っていなかったので、モバゲーのコミュで友達を作っていたことなどを懐古していると、弟から「ニューヨークのYouTubeチャンネルで、AGEAGE全盛期の話が採り上げられているから観て」という連絡が来て、すぐに観た。それが、これ。

泣いた。自分は、犬の心としずるが、というか、東京シュール5が大好きだったからだ…。この動画を切っ掛けにチャンネル登録し、オンラインサロンに参加し、くまなくコントなども観るようになった。

そうしているうちに、単独ライブが決まった。現場・大好き・オタクなので全て行くというのも考えたが、とりあえず東京千秋楽に前述の弟を誘って行った。まず、フライヤーの写真がとてもお洒落だった。Naturalというタイトルの描かれたセットも素敵だった。ルミネの椅子に座ったら急に昔の記憶が蘇ってきてライブレポを漁ったところ、最後に行ったルミネでの単独ライブは、2010年のしずるの単独ライブ「Fight」だった。嘘みたいな本当の話だ…。

■どう「最高」だったか(=感想)

①漫才とコントどっちもやる

最初はマイクが立っていたので漫才で始まるのだろうと想像はついた。が、8本のネタで均等に漫才もコントもやるというのはマジですごい。これまで行った単独ライブは(自分の好みとして)コントをメインでやる内容が多く、コントをやる人が数本試しで漫才をやる、という構成はあった。が、どちらも100%面白いってそんなことある?とビビる。さらに言うと、ネタの随所に挟まれる「2人の会話」みたいなものがすごい含み笑いしてしまう。漫才もコントも、どちらも『ニューヨークの2人がやるネタ』という一本筋が通っているから面白い。

②目の付け所がすごい

お笑いのネタにおけるテンプレみたいなものって存在していると思う。自動ドアはウィーンって開くし、変なやつには「なんだこいつ~!」と素直にぶつけても怒られない。そのテンプレみたいなものを、全てアップデートしているのがすごい。誰もやったことのない未知の領域、というよりは、これまで観ていたものを2021年・令和の時代の情勢や流れを鑑みてより面白くしている、という感じだ。どうやったら「今風」になるのか、というのをワードやシチュエーションなどで工夫されている。そのため、がっつりした時事ネタの雰囲気はなく、今この場にいる私たちが感情を共有して笑えるように作られている。やっぱりライブは生が最高だぜ!の気持ちになった。

③バリエーションがすごい

漫才とコント、というだけでももちろんだが、同じ漫才やコントでも形式が全く異なるネタを複数本やっている。それって、可能なんだ…?!東京ポッド許可局というラジオが大好きで、お笑いを言語学の側面からも分析するサンキュータツオさんがM-1について語る回を特に繰り返し聞いていた。そのなかで「形式の発明」というテーマがあった。例えばハライチやナイツのように、この人と言えばこの形、という発明がある。その、新しい形式の発見をする、というのが賞レースのひとつの意義でもある、という論だった。(古い記憶なので、ニュアンスが違ったらすみません)この、いわゆる形式が今回の単独では漫才それぞれで異なっている。すげ~やべ~になってしまう。なので、コントや漫才というくくりを抜いても、それぞれ自立した個性を持ったネタを8本を見た、という感想になった。すごい。

■ぜひ配信で見て欲しい

今回の単独ライブも、のちに配信があるとのことだった。ライブの配信がほとんどデフォルトになったのは、コロナ禍のなかでも数少ない良い側面なのかもしれない。値段も2,000円とお手頃価格だ。ちなみにここしばらくで見た配信ライブで一番高かったのはBREAK OUT祭の7,000円だった。本当に相場観が良く解らない。現地でも観た(8,000円)だったので、占めて15,000円だった。Naturalは現地だと4,000円だったので、併せても6,000円だ!

配信ライブ購入先→https://online-ticket.yoshimoto.co.jp/products/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%82%AF%E5%8D%98%E7%8B%AC%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96-natural-9-17-18-30

ちなみに細かくは言えないが、私は1本目の漫才がすごく好きだった!!!最高!!!

■おまけ(ポエム)

オンラインサロンの打ち上げで「ポエムが欲しい」とのことだったので、書きます。自分の人生において、もうお笑いに触れることは、普通の人と同じくらいのレベルしかないんだろうな~と思いつつ、吉本のあの狂乱の渦にいたこと、忘れられないでいました。マジでヤバかったんです。今男子アイドルの現場に行ってますが、それでも比較にならないくらい女の子たちが熱狂してました。ほとんど、自分では黒歴史で、葬り去って蓋をしたいような過去でした。それが、ニューヨークのYouTubeをたくさん観て、そのころがあったから今があるんだなと思える企画に触れられて、本当に嬉しかったです。ちなみに、当時のライブレポートを探していたら、2009年10月31日に開催された、NSC在学中15期生ライブ「アップアップ!」に行ってたんですが、どうやらニューヨークを観てないみたいなんですけど、出てなかったんでしょうか…。そのときに観ていたらな~と思ったり、今と言うタイミングだから良かったのかな~と思ったりします。(その時のトップバッターはパンクドッグ、2番手が鬼越トマホークでした)あらためてぎっしりと内容の詰まった濃いライブを観て、お笑いって楽しい~~~!とあの当時膝を痛くしながらシアターDや無限大ホールで思っていた気持ちを思い出せました。自分はもう大学生じゃなく、社会人で、良い年の大人なのですが、今夜は良い夢が観られそうです!

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