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陽キャと陰キャは相容れないという話

突然ですが僕は所謂「陰キャ」です。と言うと「そう見えない」と言われることが多いのですがそれはそうでしょう。隠キャと思われないように振る舞っている隠れ陰キャなのですから。
陰キャには色々な意味が含まれますが、昔の言葉で言うなら根暗です。
ポジティブかネガティブかで言えば完全にネガティブなのです。

陽キャと陰キャに分かれるのはどこかというと、生まれつきが8割だと思っています。僕も生まれつきのナチュラルボーン陰キャです。物心ついた時には既にコミュ障でした。だからこそのヲタク気質であり、それがこうじてアイドルとカレーを仕事にできたようなものなので自分が陰キャでコミュ障なことについては嫌だとは思ってません。
ただ、陰キャでコミュ障では仕事になりませんから、そうではないように努力して振る舞っているのです。今でこそ初対面の人とも自然に話ができるようになりましたが、実は物凄い精神を削っているので後で一人になった時にドッと疲れを感じます。これは今もです。

特に疲れるのは初対面の人との話よりも、陽キャな人と話す時です。
上っ面の話ならまだ良いのですが、大事な話をする時に本当に疲れるのです。
何故かというと、まず陽キャには絶対に陰キャの気持ちはわからないし、逆もまたしかりだから。そこまでは良いとして、陰キャ的には自分の気持ちをわかってもらえないことに慣れっこなので、まぁそういうもんだよなという諦念が常にあるのですが、陽キャは謎の全能感と強固な自己肯定感を持っているので「話せばわかる」と思っている節があるのです。
わかろうとする気持ちは大事ですよ。でもね、わからないものはわからないままで良いんです。それをわからせようとするのは強制であり押し付けなのです。
陽キャ程無意識に正義の強要をします。無意識だからタチが悪いのです。世界で戦争を起こしているのは陽キャ達なのではないかとすら思います。

もちろん陽キャにも色々ですから、そのあたりわかってくれる方も稀にいます。
しかし、稀なんですよ。経験上10人に1人もいない。
逆に陰キャはほとんどの場合すぐわかってくれます。経験上10人に9人は共感してくれます。

多様性という言葉が浸透しつつありますが、世間一般で言う多様性は陽キャにとっての多様性であり、陰キャの考えるものとは結構違います。言い方悪いですが世間で言われる多様性とは「多数派の偽善」だと感じています。
もちろんやらない善よりやる偽善の方が良いですから、そういう意味では昔よりは良くなってきているとも感じるのですが、根本的にわかりあえないことは時代を問わず変わっていません。

そんな事を先日陰キャの親友と話している中で再確認しました。

今、所謂陽キャの方とトラブルが起きているというか誤解されているというか少々面倒な問題が起こっています。
僕に落ち度は全く無いのですが、間に入っている方の対応が誤解を生んでしまったようです。ちなみに間に入っている方も陽キャなのでこちらの考えが思いもよらないのかもしれません。
僕は陰キャですから、相手側に対してはまぁそういう人もいるしそういう考え方もあるよね、自分とは違うけど。で終わるのですが、陽キャにとってはそうはいかないことが多いのでしょう。
疲れます。

さらに親友と話していく中で、僕は陰キャだからこそアイドルの世界で長年仕事を続けられているのだろうなとも気付きました。
実はアイドルって隠キャが多いんです。今まで100組以上のアイドルグループと仕事で関わってきましたが、自己肯定感がこじれている子がとても多いです。
「自己肯定感が低いのに何故人前に出ようとするの?」と思う方もいるでしょう。
違うんです。自己肯定感が低いからこそ褒めてくれる人が沢山欲しいんです。多くの人に可愛いと言ってもらってようやく自分に少しばかりの自信が持てるようになるのです。だから迷いながら悩みながら人前に出るのです。
もちろんアイドルにも根っからの陽キャはいますよ。そういう子はどんな世界でもどんな人とでもうまくやっていけます。可愛くて陽キャなんて最強です。
しかし可愛いのに陰キャでアイドルな子は色々な問題を心に抱えています。
僕にはそんな子達の気持ちが何となくわかるからこそ、レッスンの中でメンタルケアもすることができ、それによってアイドル達からレッスンの要望が増え、結果としてこの仕事をずっと続けられているのだと思います。

僕も自己肯定感は低いです。というと「嘘!」と言われることが多いのですが実際低いんです。しかし、低いからこそ少しでも自信が持てるように格闘技を始めました。今でこそ格闘技は辞めましたが身体は鍛え続けています。結果、ほとんどの人と話している中で「何を言われようと最終的に暴力で戦えば勝つのはこちらだから」と思えるようになり、それが自信というわけではないのですが少なくとも「自分なんて」と引いてしまわない理由にはなっています。
もちろん暴力なんて振るいませんよ。でも、心の切り札としてその思想があるのです。

陰キャにとっては生きづらい世の中です。
僕も長年ストレスからくる自律神経失調症に苦しめられ続けています。
治ることもないでしょう。
でも、生きていて良かったと思えることが歳をとってから増えました。
時折ある陽キャとの戦いには苦労させられますが、ブルース・リー師父の「戦わずして勝つ」という思想を体現できるように頑張ります。争いは好みませんので。

本来陰と陽は紙一重であり、表裏一体です。陰があるから陽がある。逆もまた然り。陰だけの世界も陽だけの世界も何も無いのと同じです。逆が存在するからその逆も存在することがお互いに可視化できるのです。
そう思って生きていきます。

とは言え何かと損しがちなのが陰キャ。だからと言って治せるもんでもありません。生まれつきの性質ですから。
そんなわけで陰キャの皆さん、励まし合って生きていきましょうね。

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