TIF2022
TOKYO IDOL FESTIVAL略してTIF。2年ぶりに行ってきました。アイドル業界でもフェス的なイベントが増えましたが、TIFが始まった頃にはまだそのようなイベントは無く、アイドルフェスの可能性を切り開いたと言っても過言ではない存在であり、今も昔も日本最大のアイドルフェスであり続けています。
僕がTIFに初めて関わったのは2012年。思えばそれから10年間、ほぼ毎年TIFになんだかんだと仕事で関わり続けています。毎年TIFから夏が始まるという気持ちになっていました。
2年前はコロナ禍によってイベント自体が中止となり、昨年はオリンピックの関係もあって夏の開催ではなく、規模縮小で無観客配信をメインとしていた気がします。毎年どこかのアイドルグループのお手伝いで行くのですが昨年はやはりコロナ禍でスタッフの参加も非常に厳しかったので行くのをやめた記憶があります。記憶なので定かではありませんが。
そして今年です。久しぶりのちゃんとした(とあえて言わせてもらいます)TIF。今年は夏の始まりがイレギュラーで前倒し感があったのでTIFで夏が始まったという感覚ではありませんでしたが、TIFによって夏を強く感じることができました。
僕は元々アーティストです。バンドのヴォーカリストとしてメジャーデビューしたのを機に、音楽の仕事を続けているのですが、現在はアイドルの制作育成がメイン。いまだに誤解されるのですがカレーの仕事は副業であり、収入の7割から8割が音楽関係であり、その音楽関係の収入の9割がアイドル関係なのです。今は自らのアーティスト業はほとんどしていません。そうなったきっかけは2011年の東日本大震災でした。年齢的にもアーティストとして成功する最後のチャンスということで頑張っていたバンドが、震災前にはワンマンで500人集めるくらいには育っていたのですが、震災後に一気に動員数が減りました。それによって心が折れたメンバーが複数辞めてバンドを立て直さねばならなくなったのですが、その時はもうそこそこの年齢になっており、人生を考え直さないといけない状況になりました。
その時既にアイドル関係の仕事も同時進行で携わっていたのですが、震災後に僕はアーティスト業メインからアイドルの裏方業をメインと変えることに決め、一心不乱に頑張ってきました。そのおかげもあってか翌年にはアイドル界最大のフェスに関わることができるようになり、以降なんだかんだほぼ毎年関わり続けることができているということで、自分的にも思い入れのあるイベントなのです。
僕は元々アイドルヲタクです。アーティストになる前からアイドルが好きです。現場にも足繁く通うタイプのヲタクでした。だからこそヲタク同士の繋がりもあるのですが、TIFはそんなヲタク達とも再開できる場所です。「○○さんは今そこのグループ追っかけてるのね」とか、「○○君はそのグループのプロデューサーになったの!?」なんてことも結構あります。かく言う僕もただのヲタクだったのが今はアイドルの先生ですから、同じようなものなのですが、アイドルが好きだからこそ仕事に選ぶと言う人も少なからずいるのです。
さらにはアイドル業もそこそこ長くなってきているので、今教えている子達のみならず、過去に教えていた子が違うグループに入って活動している姿を見ることができたり、そんな子達との再会があったり、アイドル業界の諸先輩との再会もあったり、色々な意味でTIFは同窓会的な雰囲気なのです。
今は幸いなことに関わっているアイドルグループが非常に多く、TIFにも多くの教え子が出演しています。そして今はTIF以外にも多くのアイドルフェスが増えた為、そちらに出ている教え子も多数いて、TIFのみならずあちこちへ行かねばならないという嬉しい悲鳴的状況なのですが、それでもやっぱりTIFに思い入れがあります。TIFあってこその夏ですし、アイドル業界だと思います。
運営委員の方と話していた時に「昔はアイドルフェスってTIFしかなかったから、どのグループも『TIFのためなら』って協力してくれたんだけどさ、今はあちこちで色々あるからリハとか準備で時間かかると『そんなに時間取られるんですか?』とか言われちゃって平謝りで大変なのよ」と笑っていたのが印象的でした。
アイドル業界がそれだけ盛り上がっているということはアイドルヲタクとしては喜ばしいことですが、TIFの存在感が以前ほどではなくなってきてしまっているのかもしれないと少し寂しくもなりました。
でもやっぱり僕はTIFが好きです。来年も再来年も参加したいですし、来年はライヴも観客の声出しOKになって完全復活して欲しいなと強く思うのでした。