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カレー新世界

カレー新世界というイベントが飯田橋の極哩で行われました。

予選を勝ち抜いた全国の6店舗のカレーを、どのカレーがどのお店のものかわからない状態で食べ比べ、投票するというシステム。

特別審査員として参加させていただきました。

こちらがそのカレープレート↓

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極哩は主催者ということで非参加ながら、このプレートを食べ終わった後のサービスとして、言ってみればデザート的に極哩のカレーも振る舞われたのです。

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面白いイベントでした。


そもそも参加者はプロアマ問わず。

主催者の極哩も間借りカレーのお店です。


極哩店主のしおん君は元DJ。

カレー作りにハマり、お店を食べ歩くことはせずとにかく作り続け、少しずつスパイスの分量を変えたり火入れ時間を変えたりと研究するようにして進化させていったカレーをお店で出しています。

スパイスカレーの盛り上がりにより、最近は新しくできたお店に食べに行っても、どこそこの人気店のカレーに似ているなと思うことが増えてきました。

無難に美味しいのですが、結局は二番煎じの劣化版でしかないというようなことも少なくありません。


そんな中、どこのお店にも影響を受けていない極哩が主催するからこそ、面白い参加者が集まったとも言えるでしょう。

結果的にプロ、アマ、それぞれから決勝進出者が6名選出。

場所的にも京都、長野、埼玉、そして東京と、全国から集まるといった結果になりました。


どのカレーも個性を感じたというのが一番の感想。

中には名門で修業したという方もいたのですが、どのカレーもどこのカレーに似ているということがなかったのが良かったと思います。


2日連続で店舗でイベントが行われ、今後冷凍カレーの投票があり、それと合計した結果が出るのが10月頭だそうです。

楽しみです。


と、イベント概要はこんな感じだったのですが、僕にとって今回一番の収穫はその打ち上げだったと言えるでしょう。

特別審査員ということもあって打ち上げにも参加させてもらったのですが、まずカレーイベントの打ち上げでカレーが出るのはまぁ当たり前といえば当たり前なんですが、イベントで出ていたカレーではないカレーが沢山出るというのが素晴らしい!

通常はイベントのカレー作るだけで手いっぱいなわけですが、そうじゃなくて打ち上げ用にカレー作るなんて、どれだけカレー作りが好きなんだよと。

イベントお手伝いで参加していた間借りカレー「はんなりカレー」のカレーも振る舞われ、とにもかくにもカレー三昧なのでした。

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↑上2つがはんなりカレー、右下が極哩、左下がテトカリー。


打ち上げということで皆さんと色々なお話をさせてもらったのですが、カレーの作り手が増えてきている昨今ではあるものの、予選のカレーはとんでもないものも少なからずあったようです。


美味しいカレーを作れるようになるには、2つの方法があると思います。

1つは徹底的に色々なお店を食べ歩き、その味を学んで分析し、自分の個性を出していくという方法。

もう1つは影響を受けないように他店では全く食べず、しかしながら美味しいものは色々と食べ、カレーという概念を超えた美味しいものを作っていくという方法。


前者の良さは流行、トレンドを押さえられるということ。

そしてお店との情報交換、あるいは食べ歩きで仲良くなった仲間との情報交換ができ、基本的な知識や技術が身に付きやすいということ。


逆に後者の良さは、美味しいものを作るのは前者よりも困難ではあるものの、できあがった時にどこにも似ていないオンリーワンのカレーと成りうることがあると思うのです。


カレーのお店も増えた今、生き残っていくのはオンリーワンのお店でしょう。

流行はいずれ廃れます。

流行にとらわれない美味しさというのはつまり個性なのです。

他では食べられない味だからこそ、ハマったら抜け出せず、その味を求めて食べに行くのです。


食べる専門の僕なのでそのあたりはよくわかります。

カレーを食べる人にはリピーターとコレクターの2種類に分かれるとはよく言われます。

つまりは、同じ店に通い詰めるのがリピーターで、色々なお店を食べ歩くのがコレクターです。

どちらが良い悪いではないのですが、僕自身はそのどちらも兼ね備えているので、どちらの気持ちもわかります。

常に新店を探し、見つけては食べに行く一方で、気に入ったお店には毎週通う。

そんなことを15年も続けていたらお気に入りのお店が増えすぎて、カレーを食べる回数が増えたということもあるのですが、そんな僕だからこそ、何か参加者の皆さんの力になれないかと思って、色々なお話をさせていただいたのです。


気づけばまとまりのない文章になってきてしまったのですが、noteは自然体で思うがままに書くスタイルにしているのでこのまま進めます。


とにかく言いたいのは、今回集まったお店はどこも個性があったということ、そして、流行の系譜とは確実に別の世界にいる人達だったということ、さらに、それがとても面白かったということです。


流行の系譜とは別でありながらも、イベントは満席の人気でした。

企画力によるものでしょう。

今後このイベントから新たなカレースターが生まれる可能性もおおいにあります。

飲食イベントがやりにくいご時世ですが、このスタイルは今後のイベント開催のヒントにもなりうる要素を持っていたと思います。


粗削りながら魅力に溢れたカレー。

個性が確立していたカレー。

旨味全開のカレー。

とにかくバランスの取れたカレー。

優しいカレー。

王道のカレー。

丁寧で手の込んだカレー。


色々なカレーがありました。どのカレーにも思いが込められていました。

美味しくて、楽しくて、色々と考えさせられるイベントでした。

また開催して欲しいです。

まずはその前に、発表を楽しみに待つとしましょう。

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